round 11

August 27 2010, PRACTICE
MotoGP RED BULL INDIANAPOLIS GRAND PRIX
第11戦 インディアナポリスGP

2年連続PPに向けてペドロサ僅差の4番手
ドヴィツィオーゾは7番手につける

今年で3年目を迎えるインディアナポリスGPのフリー走行は、快晴、気温28℃という絶好のコンディションとなったが、強い日差しのために路面温度が51℃まで上昇。さらに、全体的に滑りやすい路面コンディションに選手たちは苦戦した。しかし、2年連続PPとインディアナポリスGP初制覇を狙うダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、周回を重ねるごとにリズムをつかんでタイムを短縮。トップタイムのケーシー・ストーナー(ドゥカティ)から0.537秒差の4番手と、まずまずのスタートを切った。

チームメートのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、前戦チェコGP終了後の合同テストでトライした新しいサスペンションのテストに取り組み、今大会は最終的に従来型をチョイスした。これでセッティングの方向性が決まり、2日目は一気にセットアップをまとめることになる。この日は、車体とサスペンションのテストに集中したことでタイヤテストが十分にこなせなかった。この日の7番手タイムは、ハードタイヤでマークしたものだが、土曜日の予選に向けて、タイムアップの要素を数多く視野に入れる一日となった。

以下、Honda勢は、マルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)が電子制御のセッティングに時間を費やして10番手。チームメートのマルコ・シモンチェリは、2種類のセットアップにトライし、2日目の方向性を決める重要なテストに取り組んで11番手。ともにトップ10を逃したが、2日目に向けて手応えある一日となった。

  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • 青山博一青山博一

第5戦イギリスGPのウオームアップで転倒して負傷、約2カ月ぶりに復帰を果たした青山博一(Interwetten Honda MotoGP)は、徐々にペースを上げて16番手。この日は滑りやすい路面コンディションに慎重なスタートとなったが、2日目のタイムアップに大きな期待をつないだ。今大会は負傷した背中を保護するためにプロテクターを装着しての走行となっているが、6戦ぶりの走行としては上々のスタートとなった。

第8戦ドイツGPで左足けい骨を骨折して第10戦に復帰したランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は、左足に負担の大きいコースレイアウトとリアタイヤのグリップ不足に苦戦。体調が完全ではないこともあって、慎重な走りで17番手。しかし、青山同様、2日目は着実にタイムを上げていく意気込みで、予選でのポジションアップが期待される。

激戦が続くMoto2クラスは、スコット・レディング(Marc VDS Racing Team)がトップタイムをマーク。2番手に総合首位のトニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)、3番手に総合2位のアンドレア・イアンノーネ(Fimmco Speed Up)と続き、17番手までが1秒差以内という接戦となった。この日は、スリッピーでバンピーな路面に苦戦した選手も多く、富沢祥也(Technomag-CIP)は2回の転倒で27番手、手島雄介(JIR Moto2)が30番手、高橋裕紀(Tech 3 Racing)もグリップ不足に苦しんで32番手と、日本人勢3選手にとって厳しいスタートとなった。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)「初日にグリップしないのは、これまでと変わらないが、今日は路面がすごくバンピーで、フィーリングもこれまでと違うような気がした。路面温度が高かったことで、よりそう感じたのかも知れない。特にリアのグリップが不足していた。ブレーキのセッティングも完全ではなく、これを2日目に改善しなくてはいけない。序盤はなかなかリズムをつかめなかったが、後半は徐々にリズムもよくなり、セッション終盤はいいラインを見つけることができた。今日はソフトのタイヤだけで走ったが、明日はハードも試してみなければならない。明日もセッティングが進むようにがんばりたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 7番手)「今日は満足のいくタイムを出せなかったが、明日に向けていろいろ問題点を見つけることができたし、内容的にはいいスタートが切れたと思う。今日の問題点を改善できれば、タイムも大幅に向上することができる。そういう点では、ポジティブなフリー走行だった。今日は、新しいフロントフォークとこれまで使っていたフォークのテストをしていた。これに多くの時間を割いてしまったが、次のステップに進むためにも重要なテストだった。結局、これまでのフォークでいくことにした。今日はハードタイヤでベストを出したが、1周だけだったので、明日はたくさん周回をこなし、電子制御のセッティングも引き続きやらなくてはいけない」

青山博一(MotoGP 16番手)「6戦ぶりのレースということ、そして路面コンディションがよくなかったこともあって、いつも以上に慎重に走った。ここでは250cc時代に走っているけれど、MotoGPで走るのが初めてだったこともあり、リズムをつかむのにちょっと時間がかかってしまった。今日の走行は、タイヤのチョイスやマシンのセットアップという段階ではなく、まずは現状の身体でベストな走りができるようにしたいというのが最大の狙い。今日のフリー走行では2回ピットに入って26ラップをこなした。背中の痛みはなくて、なんとか決勝も大丈夫かなと安心した。明日、明後日と路面のグリップがよくなってペースも上がると思う。着実に前進したい」

山路敏幸|Repsol Honda Team監督「今日は路面のコンディションがあまりよくなかったようで、両選手ともにリアのグリップがイメージ通りに出なかったようだ。今日のデータを確認して、明日も引き続きセットアップを行い、タイヤのセッティングに備えたい。ダニは、セッション前半はなかなか思うように走れなかったようだが、後半は少しずつタイムを上げることができた。マシンも前後のバランスをもう少し詰めていけば、さらに前進できると思っている。ドヴィツィオーゾは、リアのグリップに加え、フロントのグリップも不足していたようで、明日は、前後のグリップを出すために集中したい」

富沢祥也(Moto2 27番手)「今日はコースを攻略するために、とにかく周回を重ねようと思った。セッション前半は順調だったのだが、クラッチに問題が出て、10コーナーで転んでしまった。再スタートしてピットに戻り、マシンを修復して走り出したが、また問題が出て、同じ10コーナーで転んでしまった。今日のデータをチェックしてトラブルの解消を図りたい。今日は気温が高くとても滑ったけれど、転ぶまではトップ10内にはいたと思う。昨年は、初日のフリー走行で転倒して、2日目と決勝を走れなかったので、明日はいっぱい周回してコースを覚えたい」

手島雄介(Moto2 30番手)「前半の30分、ギアを合わせたりしながら、誰かについていってコースを覚えようと思ったのだが、いいタイミングでついていけずラインも分からない状態だった。後半になって少しずつリズムが出てきてタイムも上げられるようになった。ギアも1から6まで使える状態になった。最後の方でシモンの後ろについてタイムを出したが、今日の走行だけでは、どんなサーキットなのかまるでわからない状態。明日もコースの攻略に集中したい」

高橋裕紀(Moto2 32番手)「今日はまるでいいところがなくて、タイムも出せず、セッティングも決まらなかった。とにかく攻めていくとマシンが暴れるので、慎重に丁寧に走った。第5戦イギリスGPのシルバーストーンのような状態だった。今日は接地感がなくて、最後まで気持ちよく走れなかった。明日も、車体のセットアップに集中したい」

1日目フリー走行

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
127C.ストーナードゥカティ1:40.884
299J.ロレンソヤマハ+0.225
369N.ヘイデンドゥカティ+0.521
426ダニ・ペドロサHonda+0.537
546V.ロッシヤマハ+0.739
65C.エドワーズヤマハ+0.780
74アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+0.799
811B.スピーズヤマハ+0.838
941A.エスパルガロドゥカティ+1.108
1033マルコ・メランドリHonda+1.263
1158マルコ・シモンチェリHonda+1.384
1240H.バルベラドゥカティ+1.484
1336M.カリオドゥカティ+1.716
1419A.バウティスタスズキ+1.812
1565L.カピロッシスズキ+1.906
167青山博一Honda+1.990
1714ランディ・デ・ピュニエHonda+2.103

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
145スコット・レディングSUTER1:46.728
224トニー・エリアスMORIWAKI+0.015
329アンドレア・イアンノーネSPEED UP+0.140
43シモーネ・コルシMOTOBI+0.157
560フリアン・シモンSUTER+0.327
665ステファン・ブラドルSUTER+0.502
740セルジオ・ガデアPONS KALEX+0.589
835ラファエレ・デ・ロサTECH 3+0.654
92ガボール・タルマクシSPEED UP+0.666
10 42 ジェイソン・ディサルボ GPTech +0.707
118アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+0.761
1214ラタパーク・ウィライローBIMOTA+0.795
1363マイク・ディ・ミリオSUTER+0.816
1452ルーカス・ペセックMORIWAKI+0.821
1512トーマス・ルティMORIWAKI+0.854
166アレックス・デボンFTR+0.942
1716ジュール・クルーゼルSUTER+0.944
1877ドミニク・エージャーターSUTER+1.053
1971クラウディオ・コルティSUTER+1.064
2025アレックス・バルドリーニI.C.P.+1.078
2144ロベルト・ロルフォSUTER+1.145
2255ヘクトル・ファウベルSUTER+1.185
23 34ロジャー・リー・ヘイデンMORIWAKI+1.323
2453バレンティン・ドゥビーズADV+1.343
2541アルネ・トードSUTER+1.648
2661ウラジミール・イワノフMORIWAKI+1.714
2748富沢祥也SUTER+1.740
285ホアン・オリベPROMOHARRIS+1.799
2968ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+1.801
3011手島雄介MOTOBI+1.815
3110フォンシ・ニエトMORIWAKI+1.817
3272高橋裕紀TECH 3+1.951
334リチャード・カルダスBIMOTA+2.171
34 56 マイケル・ランセダー SUTER +2.248
359ケニー・ノイズPROMOHARRIS+2.254
3680アクセル・ポンスPONS KALEX+2.396
3739ロベルティーノ・ピエトリSUTER+2.782
3817カレル・アブラハムFTR+3.063
3995マシェル・アル・ナイミBQR-MOTO2+3.203
4088ヤニック・グエラMORIWAKI+4.187

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193M.マルケスデルビ1:49.452
244P.エスパルガロデルビ+0.151
340N.テロールアプリリア+0.246
411S.コルテセデルビ+0.377
538B.スミスアプリリア+0.456
67E.バスケスデルビ+0.787
771小山知良アプリリア+1.266
812E.ラバトアプリリア+1.290
999D.ウェッブアプリリア+1.293
1039L.サロンアプリリア+1.351