round 10

August 15 2010, RACE:14:00-(local)/21:00-(JST)
MotoGP CARDION AB GRAND PRIX CESKE REPUBLIKY
第10戦 チェコGP

ペドロサが2位で今季6回目の表彰台獲得
ドヴィツィオーゾは転倒リタイアに終わる

チェコGP決勝は、前夜から朝にかけて激しく降った雨のために、ウオームアップは3クラスともにウエットコンディションとなったが、決勝レースは、125ccクラスがウエット、Moto2クラスとMotoGPクラスはドライコンディションで行われた。前夜からの雨で路面のグリップが変化した上に、風が強かったことから難しいコンディションとなった。今季3回目のポールポジションから3勝目を狙ったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は思うようにペースを上げられず、惜しくも2位に終わった。

絶好のスタートを切ったペドロサは、真っ先に1コーナーに飛び込んだ。しかし、2コーナーの切り返しで、左側のタイヤの温度の上がり方を考えて慎重になったため、ベン・スピーズとホルヘ・ロレンソのヤマハ勢に先行を許した。2周目にはスピーズをかわし2番手に浮上し、スピーズを抜くまでの間に開いたロレンソとの差を確実に縮めて背後に迫った。

しかし、リアタイヤのスピニングで予選のパフォーマンスをうまく引き出せなかったペドロサは、ロレンソの背後に迫ったものの抜けず、後半は徐々にリードを広げられ、惜しくも2位に終わった。しかし、前戦アメリカGPの転倒リタイアから、今季6回目となる2位表彰台に立ち、納得の表情。次戦インディアナポリスGPに向けて闘志を燃やした。

  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • マルコ・メランドリ(#33)、ランディ・デ・ピュニエ(#14)マルコ・メランドリ(#33)、ランディ・デ・ピュニエ(#14)
  • ランディ・デ・ピュニエランディ・デ・ピュニエ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • アレックス・デ・アンジェリスアレックス・デ・アンジェリス
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ

その後方では、フリー走行、予選とマシンのセットアップに苦しんだマルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)が、予選14番手から着実にポジションを上げて8位でフィニッシュした。序盤はいいリズムをつかめなかったが、燃料タンクが軽くなった後半はリズムある走りを披露。ヘクトル・バルベラ(ドゥカティ)と、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)の追撃を振り切った。

左足けい骨の骨折から2戦ぶりに復帰したデ・ピュニエは、予選10番手からスタートし、中盤までは9番手を走行。体力を消耗した後半はペースを落とし10番手へとポジションを落としたが、目標としていたトップ10フィニッシュを果たした。フリー、予選、そしてウオームアップと、今大会3回の転倒を喫したシモンチェリは、序盤は8番手を走行したが、後半はペースが上がらずに11位。負傷欠場の青山博一の代役として3戦目を迎えるアレックス・デ・アンジェリス(Interwetten Honda MotoGP)は、他車とのバトルでコースアウトを喫してポジションを落とし、それからも思うようにペースを上げられず13位に終わった。

予選6番手からオープニングラップ5番手、3周目に4番手に浮上したアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は、9コーナーの出口で転倒を喫し、リタイアに終わった。

Moto2クラスは、トニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)が前戦ドイツGPに続き2連勝、今季4勝目を挙げた。オープニングラップ2番手のエリアスは、序盤の大混戦の中で一時7番手までポジションを落とすが、過去2年MotoGPクラスで表彰台に立っている得意のコースで猛烈な追い上げを披露。トップに浮上し、そのまま逃げ切った。2位には高橋裕紀(TECH 3)。予選5番手から序盤13番手まで順位を落としたが、後半、猛烈に追い上げて2位でチェッカーを受けた。3位には総合2位のアンドレア・イアンノーネ(Fimmco Speed up)。今季3回目のPPから序盤トップを走った富沢祥也(Technomag-CIP)は、電気系のトラブルでエンジンが思うように回らず10位。予選29番手から決勝に挑んだ手島雄介は、転倒リタイアだった。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2位)「スタートもよく、1コーナーはトップで通過できたのだが、最初の左コーナーで、タイヤの温度が上がりきっていないと思い、慎重に走ったら、ベンとホルヘに抜かれてしまった。その後、ベンを抜いてホルヘを追った。全力でプッシュして追いついたが、昨日のようなペースで走ることができなかった。今日はコーナーの立ち上がりでスピニングしていて出口でロスしていた。いろいろと乗り方をアジャストしたのだが、徐々にリードを広げられてしまった。2位に終わったが、前回のアメリカが転倒リタイアだったので、こうして2位になれてよかった。決して満足のいく結果ではないが、明日のテストでさらにいい状態を見つけたい」

マルコ・メランドリ(MotoGP 8位)「今日はすごくよかったわけではないが、終盤は、まずまずいいリズムで走ることができた。序盤、タイヤがフレッシュなときは、周りのペースになかなかついていけなかったのだが、燃料が減って軽くなってきてからは、思ったより気持ちよく走ることができた。今回は、電子制御が決まらず苦労した。この問題がなければ、もう少し上位にいけたと思う。もっと上位で戦えるように、これからも全力を尽くさなければならない」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 10位)「左足のケガから4週間しか経っていないのに、今日の結果は、すばらしいとしか言いようがない。こんなリザルトを期待していなかったし、信じられない。医師や家族や友人たち、そしてチームに感謝したい。今日はメランドリを抜いてバルベラをパスしたが、ラスト7周は、完全に疲れきってしまい、抜き返されてしまった。その後、追いつこうと思ったが追いつかず、最後はシモンチェリを抑えるのに全力を尽くした。今日の自分のパフォーマンスには本当に満足している。次のインディアナポリスまで2週間あるので、足は回復すると思う。次戦は、さらにいい結果を残したい」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 11位)「昨日から今日にかけてセッティングを変更したが、朝のウオームアップがウエットコンディションだったために、それを確認することができなかった。序盤はかなりフィーリングがよく、ペースも悪くなかった。しかし、何回かフロントが切れ込んでペースを落としてしまった。1分59秒台真ん中で走っていたが、後半はパワーがない感じで、後続に抜かれてしまった。その原因を突き止めなくてはいけない。今日は8位になれると思っていたので、残念な結果だった」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 13位)「今日はいいスタートが切れたし、序盤から順調だった。しかし、アレックス・エスパルガロ(ドゥカティ)に押し出される格好で芝生に出てしまった。それでポジションを落としたので、追い上げようとしたのだが、バイクの状態がよくなくて、ペースを上げることができなかった。今日はセッティングを変更して、それがすごくよかった。結果につなげられずチームには申し訳ない気持ちだ」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP リタイア)「スタートが決まり、序盤はトップグループに離されないように全力を尽くした。しかし、いくつかのコーナーでフロントが限界だったことを感じていたが、9コーナーで転んでしまった。転んだときは1分58秒台のペースで、十分についていけると思っていたが、今日は風も強く、思ったようには走れなかった。今日はいい結果を残したかったし、本当に残念だった。転倒したときはコース上に残ってしまい、後続のバイクと接触しそうになって怖い思いをした。何もなくてラッキーだった。次のインディアナポリスでいい結果を残すために、明日のテストをがんばりたい」

山路敏幸|Repsol Honda Team監督「Repsol Honda Teamとしてはベストな結果ではなかったが、ダニは、ベストを尽くしてくれた。最後まであきらめずがんばってくれた思う。今日は想定していたタイムには届かなかったが、それ以上に今日のロレンソの出来がよかったと感じている。明日のテストで、さらにセットアップを進め、追いつき、追い越していきたい。今日、ダニは想定していたタイムに届かなかったが、その要因は、風が強かったこと。午前中の雨の影響で路面コンディションが変わったせいかもしれない。アンドレアに関しては、セットアップは順調だったが、今日はちょっとプッシュしすぎたのかも知れない。仕上がりとしては悪くなかったので、残念な結果だった。明日のテストで次につながるデータを得たい」

トニー・エリアス(Moto2 優勝)「今回、初日のフリー走行を走れず、確かにその影響を受けたが、バイクのセットアップは決まっていたし、予選、決勝とフィーリングはよかった。今日は2分4秒台で走れる自信はあったし、とにかく、序盤に遅れないようにしようと思っていた。しかし、何人かの選手に抜かれた。イアンノーネが抜いていったときには、一気に気合いが入った。その後、彼に追いつき追い越すことができた。最後は裕紀が2位に入ってくれた。イアンノーネとのリードを広げることができてよかった」

高橋裕紀(Moto2 2位)「フリーと予選では、タイヤがグリップしている間は旋回性が悪く、グリップが低下してからフィーリングがよくなるという状態だった。決勝レースは、予選を終えた時に想定していた通りのレースになった。序盤にポジションを落とすのはわかっていたし、どこまでふんばれるかがリザルトに影響すると思っていた。今日は予想よりも順位を落としたが、2位まで上がれてうれしかった。これで序盤にちゃんと走れていれば優勝を狙えたかもしれない。しかし、チームは全力を尽くしてくれた。いろいろ課題はあるけれど、こうして表彰台を狙えるバイクを作ってくれていることに感謝したい。次のレースでも表彰台を狙いたい」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 3位)「スタートが悪くて遅れを取り戻すために全力を尽くさなければならなかった。その後、トップに立ったときは、後ろとの差を広げたかったが、トニーと裕紀が追いついてきて抜かれてしまった。終盤ペースを上げることができなかった。もう少しタイヤをうまく使えるようにしないといけない。今日は、表彰台に立ったトニーと裕紀を祝福した。そして僕のスタッフとチームに感謝したい」

富沢祥也(Moto2 10位)「スタートもよく、2周目までは順調だったのだが、3周目の途中からエンジンがふけなくなって、スピードが落ちてしまった。それで苦しい戦いになり中盤には15番手前後までポジションを落としてしまった。終盤はペースを上げることができて、10位まで順位をばん回したが、悔しいレースだった。原因は、電気系の接続にありそうで、僕だけでなく、何人もの選手が同じトラブルを抱えていた。前回のドイツから間が空き、湿気など、接続部分に不具合があったんじゃないかと言われた。今回はPPを獲得したし、表彰台には立ちたいと思っていたので、本当に残念だった」

手島雄介(Moto2 リタイア)「原因はわからないが、エンジンの回転が上がらなくなり、ストレートでバシバシ抜かれ、苦しいレースだった。一時32番手までポジションを落とし、必死になって追い上げた。25番手に上がった周回で、ちょっとプッシュしすぎてフロントから転んでしまった。今日は苦しいレースだった」

決勝

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ43:22.638
226ダニ・ペドロサHonda+5.494
327C.ストーナードゥカティ+11.426
411B.スピーズヤマハ+13.723
546V.ロッシヤマハ+17.930
669N.ヘイデンドゥカティ+26.815
75C.エドワーズヤマハ+33.396
833マルコ・メランドリHonda+39.406
940H.バルベラドゥカティ+39.639
1014ランディ・デ・ピュニエHonda+40.893
1158マルコ・シモンチェリHonda+42.032
1241A.エスパルガロドゥカティ+47.091
1315アレックス・デ・アンジェリスHonda+51.368
RT19A.バウティスタスズキ+1Lap
RT36M.カリオドゥカティ+15Laps
RT4アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+16Laps
RT65L.カピロッシスズキ+21Laps

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
124トニー・エリアスMORIWAKI41:51.715
272高橋裕紀TECH 3+2.312
329アンドレア・イアンノーネSPEED UP+2.959
416ジュール・クルーゼルSUTER+6.905
560フリアン・シモンSUTER+6.974
62ガボール・タルマクシSPEED UP+7.024
76アレックス・デボンFTR+7.808
83シモーネ・コルシMOTOBI+11.691
965ステファン・ブラドルSUTER+15.958
1048富沢祥也SUTER+15.974
1112トーマス・ルティMORIWAKI+16.486
1255ヘクトル・ファウベルSUTER+16.490
1310フォンシ・ニエトMORIWAKI+19.426
1440セルジオ・ガデアPONS KALEX+20.130
1535ラファエレ・デ・ロサTECH 3+20.227
1677ドミニク・エージャーターSUTER+20.233
1725アレックス・バルドリーニI.C.P.+25.738
188アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+27.526
1919ザビエル・シメオンMORIWAKI+27.711
2063マイク・ディ・ミリオSUTER+28.895
2114ラタパーク・ウィライローBIMOTA+36.263
2245スコット・レディングSUTER+44.281
2368ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+46.446
244リチャード・カルダスBIMOTA+47.620
2580アクセル・ポンスPONS KALEX+47.798
2671クラウディオ・コルティSUTER+47.966
2761ウラジミール・イワノフMORIWAKI+48.499
2859ニッコロ・カネパSUTER+51.993
2939ロベルティーノ・ピエトリSUTER+52.243
3095マシェル・アル・ナイミBQR-MOTO2+53.151
315ホアン・オリベPROMOHARRIS+53.478
3253バレンティン・ドゥビーズADV+1:00.080
3388ヤニック・グエラMORIWAKI+1:08.242
RT44ロベルト・ロルフォSUTER+6Laps
RT11手島雄介MOTOBI+8Laps
RT52ルーカス・ペセックMORIWAKI+11Laps
RT81パトリック・ボスタレクSUTER+18Laps
RT9ケニー・ノイズPROMOHARRIS+19Laps
RT41アルネ・トードSUTER-

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
140N.テロールアプリリア43:49.303
244P.エスパルガロデルビ+20.351
312E.ラバトアプリリア+20.555
494J.フォルガーアプリリア+29.529
584J.コーンフェールアプリリア+29.914
638B.スミスアプリリア+29.986
793M.マルケスデルビ+31.405
853J.イウェマアプリリア+32.973
971小山知良アプリリア+41.842
1039L.サロンアプリリア+46.128
ポイントスタンディング

ライダー(MotoGP)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.ロレンソヤマハ235
2ダニ・ペドロサHonda158
3C.ストーナードゥカティ119
4アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda115
5V.ロッシヤマハ101
6N.ヘイデンドゥカティ99
7B.スピーズヤマハ90
8ランディ・デ・ピュニエHonda75
9マルコ・メランドリHonda61
10C.エドワーズヤマハ57
11マルコ・シモンチェリHonda54
12H.バルベラドゥカティ48
13L.カピロッシスズキ36
14A.エスパルガロドゥカティ32
15M.カリオドゥカティ31
16A.バウティスタスズキ25
17青山博一Honda18
18アレックス・デ・アンジェリスHonda11
19ロジャー・リー・ヘイデンHonda5
20秋吉耕佑Honda4
21吉川和多留ヤマハ1

マニュファクチャラー(MotoGP)

順位 ライダー ポイント
1ヤマハ240
2Honda195
3ドゥカティ149
4スズキ48

ライダー(Moto2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1トニー・エリアスMORIWAKI161
2アンドレア・イアンノーネSPEED UP106
3トーマス・ルティMORIWAKI99
4フリアン・シモンSUTER88
5富沢祥也SUTER82
6ジュール・クルーゼルSUTER74
7シモーネ・コルシMOTOBI73
8高橋裕紀TECH 372
9ガボール・タルマクシSPEED UP62
10セルジオ・ガデアPONS KALEX49
11アレックス・デボンFTR46
12フォンシ・ニエトMORIWAKI41
13ロベルト・ロルフォSUTER37
14カレル・アブラハムFTR33
15ラタパーク・ウィライローBIMOTA25
16ステファン・ブラドルSUTER25
17スコット・レディングSUTER23
18ドミニク・エージャーターSUTER23
19ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO221
20ケニー・ノイズPROMOHARRIS18
21マイク・ディ・ミリオSUTER17
22アレックス・バルドリーニI.C.P.14
23マティア・パシーニMOTOBI12
24アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA11
25アレックス・デ・アンジェリスForce GP21011
26ダミアン・クドリンPONS KALEX9
27ザビエル・シメオンMORIWAKI9
28ヘクトル・ファウベルSUTER8
29ルーカス・ペセックMORIWAKI4
30ウラジミール・イワノフMORIWAKI2
31アルネ・トードSUTER2
32ラファエレ・デ・ロサTECH 31
33手島雄介MOTOBI1
34クラウディオ・コルティSUTER1

マニュファクチャラー(Moto2)

順位 ライダー ポイント
1MORIWAKI186
2SUTER156
3SPEED UP122
4FTR77
5MOTOBI75
6TECH 372
7PONS KALEX58
8BIMOTA25
9BQR-MOTO221
10PROMOHARRIS18
11I.C.P.14
12MZ-RE HONDA11
13FORCE GP21011
14RSV10

ライダー(125cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1M.マルケスデルビ166
2P.エスパルガロデルビ151
3N.テロールアプリリア143
4B.スミスアプリリア115
5小山知良アプリリア84
6E.ラバトアプリリア79
7S.コルテセデルビ76
8E.バスケスデルビ68
9R.クルメンナッハアプリリア63
10J.ザルコアプリリア55

マニュファクチャラー(125cc)

順位 ライダー ポイント
1デルビ215
2アプリリア186
3Honda14
4KTM6
5ランブレッタ1