round 2

May 2 2010, RACE
MotoGP GRAN PREMIO bwin DE ESPANA
第2戦 スペインGP

ペドロサ2位で今季初表彰台。ドヴィツィオーゾは6位

連日、好天に恵まれた第2戦スペインGP。決勝日も朝から青空が広がり、12万人を超える大観衆が、ヘレスを取り囲む山々を埋め尽くした。予選ではダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)がポール・ポジションを獲得。2年ぶりとなるスペインGP制覇に向けて、地元ファンの期待も膨らんだ。ペドロサは期待に応え、好スタートからレースの大半をリード。終盤、追い上げてきたホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)に最終ラップで首位を譲り2位に終わったものの、最後まで続いた手に汗を握る戦いに、ヘレスに集まった大観衆は大満足だった。

今大会、ニューシャシーを投入したペドロサは、セッションをこなすごとにタイムを上げた。予選では、スペインGPで3年ぶりとなるPPを獲得。朝のウオームアップでも、トップタイムをマークしたロレンソと僅差の2番手と好調だった。決勝でも好スタートを切り、オープニングラップを首位で通過したペドロサは、2番手につけるバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)との差をじりじりと広げ、一時は2秒近いリードを築いた。しかし、終盤になってペースを上げたロレンソにかわされ惜しくも2位に終わった。しかし、今季初のPPを獲得し、決勝でも優勝争いをリードしたペドロサに、地元ファンから大きな拍手が送られた。

チームメートのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、3列目9番手から好スタートを切ってオープニングラップで7番手に浮上。2周目に6番手に順位を上げると、前を走る5台を追ったが届かず、そのまま6位でチェッカーを受けた。その後方では、6台によるし烈な7位争いとなり、マルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)が8位、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)9位、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)11位だった。予選12番手の青山博一(Interwetten Honda MotoGP)は、ウオームアップで8番手につけ、決勝に期待をつないだが、オープニングラップにヘクトール・バルベラ(ドゥカティ)との接触を避けるためにコースアウト。最下位までポジションを落とし、14位でチェッカーを受けた。

  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ
  • ランディ・デ・ピュニエ(#14)、マルコ・シモンチェリ(#58)ランディ・デ・ピュニエ(#14)、マルコ・シモンチェリ(#58)
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • 青山博一青山博一
  • 左から富沢祥也、トニー・エリアス、トーマス・ルティ左から富沢祥也、トニー・エリアス、トーマス・ルティ

Moto2クラスは今大会も厳しい戦いとなり、トニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)が今季初優勝。2位に富沢祥也(Technomag-CIP)、3位にトーマス・ルティ(Interwetten Moriwaki Moto2)という結果だった。予選では、PPを獲得した富沢から1秒差以内に20台という大接戦。決勝レースも大混戦が予想されたが、スタートして2周目にトップを争う富沢とシモーネ・コルシ(JIR Moto2)が接触して富沢が転倒。その影響で多重クラッシュとなり赤旗中断となった。レースは9周減算の17ラップで争われ、9台が優勝を争う厳しい戦いをエリアスが制した。富沢は2位でフィニッシュした。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2位)「今日はトップを走れたし、もう少しで優勝することができた。最終的に2位だったが、この結果に正直驚いている。しかし、こうして地元のグランプリで表彰台に立てて、本当にうれしい。今日は長い間、レースをリードすることができた。このままトップをキープできるとは思っていなかったが、バレンティーノとのリードを広げることができた。その後、ロレンソが自分より0.5秒くらい速いペースで追い上げてきた。追いつかれないように全力を尽くしたが逃げきることができなかった。優勝できなかったことは本当に残念だが、カタールGPの結果を思えば、とてもよかった。次戦フランスに向けて、明日のテストでも一生懸命がんばらなくてはいけない。今日は、すべての人たちに感謝したい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6位) 「スタートもよくて、序盤に何台かパスして6番手に上がることができた。リズムよく乗れたし、ペースも悪くなかったのだが、前を走る選手たちには届かなかった。その後、グリップが低下して厳しい走りになった。電子制御をうまく働かせる必要があったのだが、思ったように走れなかった。昨年に比べたらはるかにペースはよかったのだが、6位に終わって本当に残念だった。明日は、新しい車体のテストに取り組む。今日のダニは、すばらしい速さだった。次戦フランスGPに向けて全力を尽くしたい」

マルコ・メランドリ(MotoGP 8位) 「カタールより格段にいいレースだったが、序盤にペースを上げられなかったのは残念だった。ブレーキングの安定性がよくなくて、全体的なフィーリングもよくなかった。その後、フィーリングが戻ってペースも上がり、ミカ・カリオ(ドゥカティ)とのバトルになった。7位でチェッカーを受けたかったが、カリオの方が加速がよく、その差をブレーキングで縮めることができなかった。しかし、カタールより格段に前進することができた。次のフランスGPがすごく楽しみだ」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 9位) 「もう少し上の順位を狙っていたので、今日の結果にはがっかりしている。今日はスタートがうまくいかず、オープニングラップに12番手まで順位を落としてしまった。その後、集団の中で走ることになったが、全員が同じラップで周回するという厳しいレースになった。そのうち、フロントの安定性がなくなって、ペースを落としてしまった。予選が6番手だったので、6位でチェッカーを受けたかった」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 11位) 「今日はスタートもよくて、メランドリ、カリオ、エドワーズ(ヤマハ)、スピーズ(ヤマハ)、デ・ピュニエ、バウティスタ(スズキ)とバトルすることができた。最終的にエドワーズの前でフィニッシュしたが、前回のカタールとはまるで違うレースになった。とくにレース序盤はペースも速く、いい走りができた。タイヤが滑り始めてからポジションを落とし、11位となったが、今日のレースは次戦につながると思う」

青山博一(MotoGP 14位) 「スタート自体はそれほど悪くなかったのだが、今日は周りが速くて出遅れてしまった。その後、8コーナーでバルベラがアウトからかぶせてきてぶつかりそうになった。それを避けるためにコースアウトしなければならなかった。スピードが出ていたのでグラベルで転びそうになった。今日は、転ばずにコースに復帰できたのはラッキーだった。最後まで走ることができたけれど、ずっと単独で走っていたので、レースについてコメントすることはあまりない。今日は、ウオームアップがすごくよかっただけに、悔しいレースだった」

山路敏幸|Repsol Honda Team 監督 「今日はダニ、ドヴィツィオーゾともにがんばってくれた。ニューシャシーで決勝に挑んだダニは、現状の足らない部分を今日のレースではっきりと見せてくれた。ライバルに比べて明らかに劣っている部分があるので、明日のテストで、その部分を確認して、次に生かしたい。ドヴィツィオーゾは、レースウイークを通じて、トラクションと旋回性に苦しんだ。決勝でも同じ問題を抱えていたし、次のフランスGP以降に向けて改善していきたい。今日のレースは、全体的にひとつのステップを刻めた。開発の方向性は間違えていないことがはっきりしたので、ここから開発のスピードを上げていきたい」

トニー・エリアス(Moto2 優勝) 「ホームGPで優勝することができて本当にうれしい。自分にとっても、チームにとっても、大きな勝利だった。前回のカタールGPは、体調が万全ではなく、厳しいレースだった。バイクのセットアップも完ぺきではなかったが、今回はいくつかの問題を解決できたし、ペースもよかった。MotoGPクラスでは、06年のポルトガルでも優勝しているが、それ以来の優勝となる。次のフランスもいいレースが出来るように頑張りたい」

富沢祥也(Moto2 2位) 「最初のレースでコルシと接触して転んでしまい、『しまった』と思ったが、その後、オイルが出てたくさんの転倒者が出て赤旗中断になった。それで再スタートすることができたし、優勝争いにも加われた。最初の転倒でクラッチレバーが半分折れていて、ブレーキングの際のクラッチ操作が難しかった。レース中盤からは、転倒の影響なのか、コーナーの立ち上がりで振られるようになったのも苦しかった。今日は2位になれて本当にうれしい。再スタートに向けてバイクを直してくれたスタッフに心から感謝している」

高橋裕紀(Moto2 4位) 「赤旗中断になったときの多重クラッシュは運よく避けられた。再開後のレースでは、トップ集団でレースを戦えたが、1台で走っているときと違って、ほかの選手たちとライン取りやタイムの稼ぎどころが違って、自分の走りができなかった。今日のレースは、そういう意味で、たくさんのデータを収集できた。自分たちの足りない部分もクリアになった。次のルマンでは表彰台、優勝を狙える走りをしたい」

決勝

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 99 J.ロレンソ ヤマハ 45:17.538
2 26 ダニ・ペドロサ Honda +0.543
3 46 V.ロッシ ヤマハ +0.890
4 69 N.ヘイデン ドゥカティ +9.015
5 27 C.ストーナー ドゥカティ +10.034
6 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda +23.144
7 36 M.カリオ ドゥカティ +34.489
8 33 マルコ・メランドリ Honda +34.687
9 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda +36.160
10 19 A.バウティスタ スズキ +36.791
11 58 マルコ・シモンチェリ Honda +37.155
12 5 C.エドワーズ ヤマハ +38.260
13 40 H.バルベラ ドゥカティ +38.371
14 7 青山博一 Honda +1:02.052
15 41 A.エスパルガロ ドゥカティ +3Laps
RT 11 B.スピーズ ヤマハ +20Laps
RT 65 L.カピロッシ スズキ +25Laps

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 24 トニー・エリアス MORIWAKI 29:58.726
2 48 富沢祥也 SUTER +0.190
3 12 トーマス・ルティ MORIWAKI +0.261
4 72 高橋裕紀 TECH 3 +0.558
5 3 シモーネ・コルシ MOTOBI +1.449
6 40 セルジオ・ガデア PONS KALEX +1.496
7 9 ケニー・ノイズ PROMOHARRIS +2.215
8 60 フリアン・シモン RSV +2.576
9 2 ガボール・タルマクシ SPEED UP +3.825
10 68 ヨニー・ヘルナンデス BQR-MOTO2 +6.691
11 16 ジュール・クルーゼル SUTER +8.123
12 44 ロベルト・ロルフォ SUTER +11.965
13 77 ドミニク・エージャーター SUTER +12.190
14 65 ステファン・ブラドル SUTER +12.295
15 8 アンソニー・ウエスト MZ-RE HONDA +12.545
16 45 スコット・レディング SUTER +12.678
17 14 ラタパーク・ウィライロー BIMOTA +13.548
18 71 クラウディオ・コルティ SUTER +15.642
19 80 アクセル・ポンス PONS KALEX +16.740
20 35 ラファエレ・デ・ロサ TECH 3 +19.368
21 10 フォンシ・ニエト MORIWAKI +20.956
22 63 マイク・ディ・ミリオ RSV +21.129
23 61 ウラディミール・イワノフ MORIWAKI +31.224
24 39 ロベルティーノ・ピエトリ SUTER +31.275
25 6 アレックス・デボン FTR +33.283
26 52 ルーカス・ペセック MORIWAKI +34.090
27 76 ベルナト・マルチネス BIMOTA +38.705
28 17 カレル・アブラハム RSV +39.384
29 41 アルネ・トード SUTER +43.839
30 92 アマデオ・リャドス AJR +46.896
31 53 バレンティン・ドゥビーズ ADV +47.080
32 25 アレックス・バルドリーニ I.C.P. +47.216
33 88 ヤニック・グエラ MORIWAKI +47.777
34 95 マシェル・アル・ナイミ BQR-MOTO2 +56.595
RT 91 イバン・モレノ モリワキ +9Laps
RT 59 ニッコロ・カネパ FORCE GP210 +9Laps
RT 75 マティア・パシーニ MOTOBI +11Laps
RT 55 ヘクトル・ファウベル SUTER +15Laps
RT 29 アンドレア・イアンノーネ SPEED UP -
RT 5 ジョアン・オリベ PROMOHARRIS -

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 44 P.エスパルガロ デルビ 41:36.146
2 40 N.テロール アプリリア +1.886
3 12 E.ラバト アプリリア +15.180
4 38 B.スミス アプリリア +17.110
5 71 小山知良 アプリリア +25.069
6 23 A.モンカヨ アプリリア +26.860
7 14 J.ザルコ アプリリア +27.102
8 35 R.クルメンナッハ アプリリア +28.465
9 5 A.マスボー アプリリア +28.963
10 53 J.イウェマ アプリリア +58.830
ポイントスタンディング

ライダー(MotoGP)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 J.ロレンソ ヤマハ 45
2 V.ロッシ ヤマハ 41
3 ダニ・ペドロサ Honda 29
4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 26
5 N.ヘイデン ドゥカティ 26
6 ランディ・デ・ピュニエ Honda 17
7 C.エドワーズ ヤマハ 12
8 C.ストーナー ドゥカティ 11
9 B.スピーズ ヤマハ 11
10 マルコ・メランドリ Honda 11
11 マルコ・シモンチェリ Honda 10
12 M.カリオ ドゥカティ 9
13 青山博一 Honda 8
14 L.カピロッシ スズキ 7
15 H.バルベラ ドゥカティ 7
16 A.バウティスタ スズキ 6
17 A.エスパルガロ ドゥカティ 1

マニュファクチャラー(MotoGP)

順位 ライダー ポイント
1 ヤマハ 50
2 Honda 36
3 ドゥカティ 26
4 スズキ 13

ライダー(Moto2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 富沢祥也 SUTER 45
2 トニー・エリアス MORIWAKI 38
3 トーマス・ルティ MORIWAKI 25
4 ジュール・クルーゼル SUTER 21
5 アレックス・デボン FTR 20
6 シモーネ・コルシ MOTOBI 19
7 セルジオ・ガデア PONS KALEX 16
8 ロベルト・ロルフォ SUTER 15
9 ガボール・タルマクシ SPEED UP 14
10 高橋裕紀 TECH 3 13
11 マティア・パシーニ MOTOBI 10
12 ケニー・ノイズ PROMOHARRIS 9
13 フリアン・シモン RSV 8
14 ドミニク・エージャーター SUTER 8
15 ヨニー・ヘルナンデス BQR-MOTO2 6
16 アレックス・バルドリーニ I.C.P. 4
17 フォンシ・ニエト MORIWAKI 3
18 ステファン・ブラドル SUTER 2
19 カレル・アブラハム RSV 2
20 アンソニー・ウエスト MZ-RE HONDA 1
21 ルーカス・ペセック MORIWAKI 1

マニュファクチャラー(Moto2)

順位 ライダー ポイント
1 SUTER 45
2 MORIWAKI 38
3 MOTOBI 21
4 FTR 20
5 PONS KALEX 16
6 SPEED UP 14
7 TECH 3 13
8 RSV 10
9 PROMOHARRIS 9
10 BQR-MOTO2 6
11 I.C.P. 4
12 MZ-RE HONDA 1

ライダー(125cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 N.テロール アプリリア 45
2 P.エスパルガロ デルビ 38
3 E.ラバト アプリリア 25
4 B.スミス アプリリア 21
5 E.バスケス デルビ 20
6 小山知良 アプリリア 18
7 R.クルメンナッハ アプリリア 18
8 M.マルケス デルビ 16
9 S.コルテセ デルビ 16
10 A.モンカヨ アプリリア 13

マニュファクチャラー(125cc)

順位 ライダー ポイント
1 デルビ 45
2 アプリリア 45
3 Honda 4
4 ランブレッタ 1