ペドロサ3番手で2戦連続のフロントロー
エリアスが今季ベストグリッドの4番手につける

2009年8月15日(土)
予選
会場:ブルノ・サーキット
天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
気温:27℃

チェコGPの予選は、終日、青空が広がる絶好のコンディションとなり、最高気温も27℃まで上昇、サーキットにつめかけたファンにとっても最高の一日となった。PPを獲得したのはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。2番手にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。この2人とPP争いを繰り広げたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が3番手。PPこそ逃したが、前戦イギリスGPから2戦連続のフロントローを獲得した。4番手にはトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)で今季ベストグリッド。5番手にコーリン・エドワーズ(ヤマハ)、6番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)、7番手にアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)と、トップ10に4台のHonda勢が名を連ねた。以下、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)13番手、ガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)は17番手だった。

前半戦のケガから解放されたペドロサが、後半戦のスタートとなるチェコGPでフロントローを獲得した。フリー走行では、トップタイムをマークしたロレンソから、わずか0.131秒差の2番手。予選でも快調にラップを刻み3番手につけた。セッション終盤には、クリアラップが取れずに不完全燃焼のアタックとなったが、本来の走りに近づいていることを感じさせるハイアベレージのラップを刻んだ。昨年はタイヤのパフォーマンスの差で悔しいレースとなったが、今年は十分に優勝争いに加われる状態に仕上がった。「今回は優勝争いに加わりたい」と、第8戦アメリカGPに続く、今季2勝目に闘志を燃やす。

この数戦、上り調子をアピールしていたエリアスが4番手と、今季ベストグリッドを獲得した。前戦イギリスGPでは転倒を喫するまで一時トップを快走。今大会は初日から好調で、予選では一気に4番手に浮上した。昨年の大会では2位表彰台に立っている。「ブルノは大好きなサーキット」と語るだけに、今季初表彰台の期待が膨らむ。

前戦イギリスGPで今季初優勝を達成したドヴィツィオーゾが6番手につけた。初日のフリー走行では5番手。予選ではポジションを落とすことになったが、初日から大幅にセットアップを進めることに成功。決勝での追い上げに期待が膨らんでいる。前戦でも予選5番手から優勝を果たした。今大会もセッションを追うごとにアベレージを上げた。「優勝争いに加わるにはもう少しアベレージを上げたい」と、ウオームアップで最後の調整に挑むが、このセッションでセッティングが決まれば、2戦連続優勝が期待される。

前戦イギリスGPで今季ベストリザルトの4位になったデ・アンジェリスも7番手と好調な走りを見せた。今大会はセットアップに苦しんでいたが、予選セッション終盤にセッティングが決まり、一気にペースを上げることに成功した。第9戦ドイツGPで5位。第10戦イギリスGPで4位と確実に順位を上げているデ・アンジェリスだが、今大会は表彰台が期待される。

大会前に左足首を骨折したデ・ピュニエは、完ぺきな走りにはほど遠かったが、13番手につける熱走を見せた。決勝は厳しい戦いが予想されるが、ポイント獲得を目標に全力を尽くす意気込みだ。隣国ハンガリーからの応援団の声援を受けるタルマクシは、大接戦の中で17番手。「もう少し上のグリッドが獲得できた」と悔しさをにじませるだけに、追い上げのレースに期待される。

250ccクラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)がPPを獲得。初日2番手の青山博一(Scot Racing Team 250cc)が、この日もPP争いを繰り広げて2番手につけた。初日は車体のセットアップに課題を残したが、2日目は、車体、エンジンともに順調にセッティングが進んだ。今大会は、PPのシモンセリから1秒差以内に7台という接戦。総合首位に立つ青山博一が、「PPは取れなかったが、最高の2番手」と、大接戦の中で2連勝を狙う。以下、Honda勢は、ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)が9番手、ヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG) 11番手、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)12番手、富沢祥也(CIP Moto-GP250)は16番手から追い上げのレースに挑む。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)

「予選ではフロントローに並ぶことが最大の目標なので、今日の結果には満足している。しかし、セッション終盤は渋滞がひどく、クリアラップを取るのに2ラップを無駄にしてしまい残念だった。正直、もっとタイムを出せたと思う。明日のウオームアップでは、もう少しアベレージを上げられるようにセッティングに取り組みたい。ブルノは好きなサーキット。明日はいいスタートを切って優勝争いをしたい」

トニー・エリアス(MotoGP 4番手)

「今回はすべてのセッションでトップ6にいた。予選では4番手になれたし、これ以上の結果はない。今日は、昨日の問題を解消するために全力を尽くした。走り始めからいい感じで走れたし、トップグループの選手たちについていくこともできた。タイムも接近しているのが何よりもうれしい。過去2戦、ザクセンリンクとドニントンパークは、あまり好きなサーキットではなかったが、ブルノは大好きなコース。明日はいいレースができると信じている」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6番手)

「予選は6番手だったが、昨日から今日にかけてセットアップは進んだ。予選でも、セッション中に0.4秒アベレージを上げることができた。優勝争いに加わるには、さらにペースを上げなくてはいけない。明日のウオームアップで、さらにセットアップを見直したい。タイヤのチョイスは決まった。ハードタイヤは多少合わない部分はあるが、ハードタイヤがベストだと思う。明日のウオームアップでさらにいい状態に仕上げて決勝に挑みたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 7番手)

「7番グリッドを獲得できて、本当にうれしい。今日はアンダーステアに苦しんでいたが、セッション終盤に劇的によくなり、タイムを上げることができた。フィーリングもよかったし気持ちよく走ることができた。どのサーキットでも、トップ8、トップ10に入れればハッピーだが、今日は7番手だからね、言うことはない。明日はしっかりとポイントを獲得したい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 13番手)

「足をケガしているので厳しい状態だが、今日の自分のパフォーマンスには満足している。歩くときは松葉杖が必要だが、明日のレースはベストを尽くすだけだ。チームは、ケガをしている自分のために、本当に全力を尽くしてくれている。今日は、バイクに乗るための足の動きは昨日よりよくなっているが、すごく痛かった。今日の自分のペースには満足しているし、日を追うごとに着実にステップを刻めている。22ラップの決勝レースで、今日のペースをキープするのはとても厳しいが、とにかくポイントを獲得できるようにがんばりたい」

ガボール・タルマクシ(MotoGP 17番手)

「もう少しいいグリッドを期待していたが、リアのグリップに苦しんで思うようにタイムを上げられなかった。アクセルを開けるとラインがワイドになってしまい、タイムをロスしていた。しかし、自分のタイムから1秒差に8人のライダーがいる大接戦だった。この問題を解決できれば、もっと速く走ることができると思うし、明日のウオームアップで違うセッティングにトライしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニが1列目、ドヴィツィオーゾが2列目を確保したことで、明日の決勝レースが楽しみになった。両選手ともに、明日のウオームアップに向けて、試したいことがあるし、それがうまくいけば十分に優勝争いに加われると思っている。金曜日、土曜日と天候に恵まれたこともあり、予定通りにメニューを消化することができた。前にいるヤマハ勢とのギャップはまだまだあるが、明日のウオームアップで最後の調整をして、決勝では優勝を目指したい」

青山博一(250cc 2番手)

「セッション終盤にトップに立てたときに、今日こそPPを取れると思った。しかし、シモンセリが最後にベストを出して2番手に終わってしまった。でも、今日は内容もよかったし、いい2番手だと思う。バイクの状態は決して完ぺきではないが、できることはすべてやったし、納得のいく2日間だった。明日は、アプリリア勢を相手に厳しい戦いになると思うが、タイヤのチョイスも決まったし、あとはやれることをやるだけ。今日はロングランができなかったことが唯一の不安要素だが、いいレースをしたい」

ラファエレ・デ・ロサ(250cc 9番手)

「昨日はタイヤに問題を抱えていて、思ったようなペースで走れなかった。しかし、今日は問題も解決して気持ちよく走ることができた。コーナーの進入もスムーズになり、セットアップも進んだ。明日はいいスタートを切って、ひとつでも上のポジションでフィニッシュしたい」

ヘクトル・ファウベル(250cc 11番手)

「昨日から今日にかけてバイクの状態はすごくよくなったし、気持ちよく乗ることができた。明日のウオームアップは、決勝に向けて細かな調整をするだけ。今日はセッション終盤に、もっとタイムを出せたと思うが、クリアラップが取れずタイムを短縮できなかったのは残念だった。それがなければトップ8を狙えたと思う。明日はいいスタートを切って、前のグループでレースをしたい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 12番手)

「セッション序盤に、アクセレーションに問題を抱えて時間をロスしたが、その後は順調にセットアップをすることができた。下りのストレートではトップスピードを伸ばすことができたし、ラップタイムの短縮に役立った。セッション終盤にポジションを落としたのが残念だが、決勝では、いい走りができると思う。とにかく、いい結果を残したい」

富沢祥也(250cc 16番手)

「予選では、フリー走行でマークした2分3秒7を目標にしたが、3秒9しか出せなかった。フリー走行では速い選手にうまくついて出せたタイムだったが、それを単独で出せるようにしたかった。ここはコース幅が広く、どのラインでも走れるが、ライン取りが悪いとタイヤの消耗が激しかった。この2日間ではベストなラインを見つけることができなかった。決勝では速いグループについていって、コースを攻略したい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
146V.ロッシヤマハ1:56.145
299J.ロレンソヤマハ+0.050
33ダニ・ペドロサHonda+0.383
424トニー・エリアスHonda+0.672
55C.エドワーズヤマハ+0.809
64アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+0.963
715アレックス・デ・アンジェリスHonda+1.630
869N.ヘイデンドゥカティ+1.658
965L.カピロッシスズキ+1.666
1036M.カリオドゥカティ+1.849
117C.バーミューレンスズキ+1.942
1288N.カネパドゥカティ+2.063
1314ランディ・デ・ピュニエHonda+2.153
1452J.トーズランドヤマハ+2.186
1533M.メランドリカワサキ+2.332
1684M.ファブリッツォドゥカティ+2.535
1741ガボール・タルマクシHonda+2.604

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
158M.シモンセリジレラ2:01.611
24青山博一Honda+0.350
340H.バルベラアプリリア+0.453
46A.デボンアプリリア+0.775
563M.ディ・ミリオアプリリア+0.815
615R.ロカテリジレラ+0.932
775M.パシーニアプリリア+0.950
819A.バウティスタアプリリア+1.137
935ラファエレ・デ・ロサHonda+1.157
1017K.アブラハムアプリリア+1.200
1155ヘクトル・ファウベルHonda+1.288
1214ラタパーク・ウィライローHonda+1.310
1648富沢祥也Honda+2.340
2053V.ドゥビーズHonda+4.960
218バスティン・シェゾーHonda+5.477

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
129A.イアンノーネアプリリア2:08.171
218N.テロールアプリリア+0.313
311S.コルテセデルビ+0.336
460J.シモンアプリリア+0.371
538B.スミスアプリリア+0.786
617S.ブラドルアプリリア+1.013
733S.ガデアアプリリア+1.069
844P.エスパルガロデルビ+1.247
97E.バスケスデルビ+1.263
1014J.ザルコアプリリア+1.291