第7戦オランダGPからの連戦となる第8戦アメリカGPの1日目フリー走行は、終日の快晴となり、絶好のコンディションで行われた。トップタイムをマークしたのはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)で、2番手にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、3番手にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)と続き、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が4番手、トニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)5番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)6番手とHonda勢がまずまずのスタートを切った。
トップから0.656秒差の4番手につけたペドロサは、昨年の大会ではケガのため初日のフリー走行を走った後、欠場を決めた。今年の大会は、事実上、2年ぶりとなるだけに着実にペースを上げた。前戦オランダ大会はトップグループに絡むも痛恨の転倒を喫した。しかし、幸いにも第5戦イタリアGPで痛めた右足大たい骨のケガを悪化させなかったことで、この日は順調に周回をこなした。今季、し烈なトップ争いを繰り広げてきたライバルの3選手にはやや後れたが、2日目の順位ばん回に挑む。
前戦オランダGPで8位でフィニッシュするも、ペナルティのために12位に降格したエリアスが、今大会は初日から元気な走りを見せた。この数戦、マシンがだんだん好みの状態に仕上がってきたことで、随所で光る走りを見せていた。この日も、ペドロサと繰り広げたランデブー走行は、今季ベストグリッドとベストリザルトを期待させるものだった。
ドヴィツィオーゾは、続く6番手につけた。前戦オランダでは、8番グリッドから4番手まで追い上げたが痛恨の転倒。今季初のリタイアに終わった。しかし、シーズン中盤戦になって確実にトップとの差を縮めているだけに、今大会は今季初の表彰台が期待される。ラグナセカは大好きなサーキットの1つ。この日は、決勝をにらみ、じっくりとセットアップに集中した。2日目の予選では、今季初のフロントローを狙う意気込みだ。
アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)も10番手と、まずまずのスタートを切った。初めて走った昨年の大会は、初日から好調な走りを見せたが予選で転倒を喫してリズムを崩した。昨年の反省もあって、この日は堅実にタイムを短縮。2日目の予選では、一気にポジションを上げる作戦だ。
今季、安定した走りを見せているランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は、この日、車体のセットアップに苦しんで11位とやや出遅れた。しかし、問題点がクリアになったことで2日目に向けて気合満点。予選の走りに期待される。今大会が3戦目となるガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)は16番手。MotoGPにデビューしてから初めて最後尾から脱出。2日目のフリー、予選ではさらに上位を狙う意気込みだ。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 1:21.981 |
2 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.112 |
3 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | +0.189 |
4 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.656 |
5 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +0.701 |
6 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.899 |
7 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +1.159 |
8 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +1.236 |
9 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.304 |
10 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +1.425 |
11 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +1.458 |
12 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +1.656 |
13 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +1.709 |
14 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.766 |
15 | 59 | S.ジベルノー | ドゥカティ | +2.552 |
16 | 41 | ガボール・タルマクシ | Honda | +2.945 |
17 | 88 | N.カネパ | ドゥカティ | +3.530 |
コメント
ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)
「昨年は決勝に出場できなかったし、久しぶりにラグナセカをきっちり走り込めたことがとてもうれしい。今日はコースをじっくり確かめながら徐々にペースを上げた。周回数もたくさんこなせた。セッション終盤にでん部が少し痛くなったが、最後まで普通に乗ることができてよかった。ここはウイリーをするし、暴れるからね。コントロールが大変なので体力も必要だ。明日の走行では、もう少しバイクのセットアップを進めなければならないが、成果あるセッションだった。明日はいい走りができると思っている」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6番手)
「ラップタイムを思ったよりも簡単に上げられたし、アベレージもよかった。ここはタイヤの選択が難しく、今日はソフトとハードを試したが、ハードはタイヤが温まるのに少し時間がかかるような印象だった。今日はリズムもよかったが、全体的には満足できるセッションではなかった。明日は、さらに違う方向性を試してみるが、いい方向にいくと信じている。このサーキットが大好きだし、明日の走行が楽しみだ」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 11番手)
「セッション前半はフロントに若干問題を抱えていたが、それはすぐに解決できた。それからハードタイヤで走り始めたが、フルバンクのときに思うようにグリップが出せず、タイムを短縮できなかった。今日は2号車の方がブレーキにやや問題を抱えていて、セットアップも順調とはいえなかった。しかし、セッティングの方向性は見えている。明日はグリップの問題も解消して、セットアップも進むと信じている」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「ヤマハ、ドゥカティが順調にセットアップを進めているが、我々もそれに負けずにセットアップに集中した。両ライダーともに、リズムは悪くないし、今日のデータを基に明日はさらにアベレージを上げていきたい。アベレージでは、ライバルに比べて明らかに劣っている部分もあるし、明日はトータルなパッケージとして底上げを図りたい。総合的に今日は順調だった。それを明日のFP2と予選につなげたい」