ペドロサ2位で2戦連続表彰台に立つ
デ・ピュニエは4位と今季ベストリザルトでフィニッシュ

2009年5月3日(日)
決勝
会場:へレス・サーキット
天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
気温:27℃
観客:12万3340人(3日間:26万3648人)

第3戦スペインGP決勝は、2番グリッドから好スタートを切って中盤までトップを快走したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が2位でチェッカーを受けた。優勝こそ逃したが、トップ争いを繰り広げた熱走に大観衆から大きな声援と拍手が送られた。優勝したのはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。3位にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が入った。

Honda勢は、予選5番手から好スタートを切ったランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が今季ベストリザルトとなる4位でフィニッシュ。序盤にコースアウトを喫し大きくポジションを落としたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は、すばらしい追い上げで8位。トニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)9位と、4台のHonda勢がトップ10フィニッシュを果たした。高橋裕紀(Scot Racing Team MotoGP)は12位。アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)は14位。すべてのHonda勢がポイントを獲得した。

3日間を通して快晴に恵まれたヘレス。決勝日は最高気温が27℃まで上昇。12万人を超えるファンの熱気の中で熱戦が繰り広げられた。予選2番手からホールショットを奪い、17周目までトップを快走したペドロサは、終盤にロッシにかわされ、スペインGP2連覇こそ逃したが、MotoGPクラスで4年連続の表彰台に立ち、地元の期待に応えた。前戦日本GPでは3位表彰台。ウインターテストでケガをした左ヒザは依然として完治していないが、それを感じさせないすばらしい走りだった。

予選5番手からオープニングラップで好ダッシュを見せたデ・ピュニエが、今季ベストリザルトとなる4位でフィニッシュした。デ・ピュニエは中盤、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)にかわされ5番手へポジションを落とした。しかし、終盤になってロレンソが転倒したことで4位でチェッカーを受けた。セッティングが決まったというデ・ピュニエはこの日、豪快なブレーキングと走りでサーキットに集まったファンを沸かせた。

その後方では、ドヴィツィオーゾが8位でフィニッシュした。ドヴィツィオーゾは序盤にロレンソとし烈な4位争いを繰り広げたが、コースアウトを喫し16番手までポジションを落とした。その後、猛烈な追い上げを見せて8位まで順位をばん回。その熱い走りにファンから大きな拍手が送られた。

予選13番手から好スタートを切った高橋裕紀が好走を見せた。前半はロリス・カピロッシ(スズキ)、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)、マルコ・メランドリ(カワサキ)の6位争いを追った。中盤以降は、タイヤの消耗でペースを落とし12位に終わったが、今季最高の走りに納得の表情だった。デ・アンジェリスは、体調を崩し苦しい走りを強いられ14位だったが、Honda勢の4チーム6選手すべてがポイントを獲得した。

250ccクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)とし烈な優勝争いを繰り広げた青山博一(Scot Racing Team 250cc)が今季初優勝を飾った。予選6番手から好スタートを切った青山博一は、中盤までバウティスタ、マルコ・シモンセリ(ジレラ)、ヘクトール・バルベラ(アプリリア)とトップグループを形成。終盤はバウティスタとの一騎打ちとなり、最終ラップの最終コーナーでかわした。これで総合ランキングで首位に浮上。念願のタイトル獲得に向けて大きな一歩を踏み出した。以下、ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)10位。そのデ・ロサと終盤、厳しい戦いを演じた富沢祥也(CIP Moto-GP250)が12位。予選で転倒、足を負傷しているラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)が15位でポイントを獲得した。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2位)

「今日は優勝したかった。しかし、3日間を通してバレンティーノの走りはよかったし、とても強かった。スタートはよかった。トップに立ってから走ることに集中した。声援を送ってくれる地元ファンのためにも勝ちたかった。勝てなかったが表彰台に立てて本当によかった。金曜日はいい走りができなかった。ウインターテストもほとんどできていない。それを思えば表彰台に立てたことに驚いている。チームと、一緒に働いているすべての人たちに感謝したい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 4位)

「今日の結果に満足している。走っていて楽しかったし、自分の走りを見てもらえたと思っている。バイクはとてもいい状態で気持ちよく乗れた。スタートもよかった。ドヴィツィオーゾが追いついてきたときは、ポジションをキープしようと全力を尽くした。3月のウインターテストではうまく走れなかったが、4位でチェッカーを受けられてうれしい。今日のような走りができたら、いいシーズンにすることができると思う。ル・マンでも今日のようなレースをしていい結果を残したい。すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝したい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 8位)

「いいスタートが切れなかったが、すぐにポジションを取り戻すことができた。もし、コースアウトしなければロレンソと一緒に戦えたと思う。コースアウトで16番手までポジションを落としたが、8位までばん回することができた。バイクのセットアップが完全ではなく、思うようなペースで走ることはできなかった。今日は残念な結果だったが、ダニはバイクのポテンシャルを引き出していたし、すばらしい走りをしていた。彼を祝福したい」

トニー・エリアス(MotoGP 9位)

「もっといいポジションでフィニッシュできると思っていた。しかし、今日はリアのトラクション不足に苦しんで、厳しいレースになってしまった。ファンの期待にも応えられなかった。ラップタイムでは、カタールよりもてぎ、そして今回と確実に差を縮めている。次のル・マンではその差をさらに縮めたい」

高橋裕紀(MotoGP 12位)

「いいスタートが切れて中盤までいいところを走れた。エリアスを抜くのにちょっと時間がかかったけれど、その後、前を走るカピロッシ、エドワーズ、メランドリの3台のグループに追いつくことができた。しかし、フロントタイヤがだんだん厳しくなってきて、終盤はリアも滑るようになり、その滑りを抑えるために腕も上がってしまった。もてぎで転んだときに右腕を強打していることも、腕上がりの原因だった。最終的に12位だったけれど、今年になって一番いい走りができた。次のレースが楽しみだ」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 14位)

「風邪を引いて体調を崩し、100%の走りができなかった。スタートはよかったが、トーズランド(ヤマハ)を抜けず苦労した。ラップタイムでは自分の方が速いのだが、彼はブレーキングが深く、なかなか抜けなかった。それがすべてだった。今週は厳しいレースだった。次のル・マンに向けて体調を整え、気持ちを切り替えたい。ル・マンでは今季ベストリザルトを狙いたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「今日はダニががんばってくれた。そのがんばりにチームが応えられていない状況だ。まだ優勝を争えるマシンに仕上がっていないことを感じた。今年も強いライダーがひしめきあっている。まずは、マシンを完全に戦える状態に仕上げることが先決だ。今日の2位表彰台は、チームにとってとても大きなものだ。ダニに感謝したい。ドヴィツィオーゾはアンラッキーなレースだった。トップグループと変わらないペースで走れていたが、オーバーランで16番手まで落ちてしまった。そこからポジションを回復したが、前へ前へという姿勢はよかったし、完走したことで得るものは多かった。ル・マンに向けてマシンをさらにいいものにしたい。今日はこの仕事にかかわっているすべての人に感謝したい」

青山博一(250cc 優勝)

「スタートでちょっと遅れたが、落ち着いてポジションを上げていくことができた。バウティスタ、シモンセリ、バルベラとのトップグループとなり、このまま4台の争いなら勝つのは難しいと思った。そのうちバウティスタが逃げ始めたのでついていって、最後に勝負しようと思った。今日は自分の思っていた通りのレースができた。カタール、もてぎと勝てそうで勝てないレースが続いていたのですごくうれしい。次のル・マンは好きなサーキットだが、気持ちを引き締めて挑みたい」

富沢祥也(250cc 12位)

「スタートが決まって、1周目11番手まで上がることができた。カタールやもてぎで経験できなかった、いい位置で序盤から戦えてうれしかった。速いペースの選手の後ろにつくことで44秒台までペースを上げられた。そのうち抜かれて単独になったが、同じペースをキープすることができた。終盤は何台かに抜かれたが最後まで全力で走った。今回は12位以内というのが目標だったし、それを達成できてよかった」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
146V.ロッシヤマハ45:18.557
23ダニ・ペドロサHonda+2.700
327C.ストーナードゥカティ+10.507
414ランディ・デ・ピュニエHonda+31.893
533M.メランドリカワサキ+33.128
665L.カピロッシスズキ+34.128
75C.エドワーズヤマハ+34.421
84アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+34.625
924トニー・エリアスHonda+42.689
107C.バーミューレンスズキ+45.183
1159S.ジベルノードゥカティ+48.192
1272高橋裕紀Honda+51.875
1352J.トーズランドヤマハ+53.683
1415アレックス・デ・アンジェリスHonda+53.941
1569N.ヘイデンドゥカティ+1:01.237
1688N.カネパドゥカティ+1:10.896
RT 99 J.ロレンソ ヤマハ +4Laps
RT 36 M.カリオ ドゥカティ +15Laps

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
14青山博一Honda45:08.805
219A.バウティスタアプリリア+0.132
358M.シモンセリジレラ+2.706
440H.バルベラアプリリア+2.769
512T.ルティアプリリア+17.946
675 M.パシーニアプリリア+17.950
728G.タルマクシアプリリア+26.288
816J.クルーゼルアプリリア+26.472
915R.ロカテリジレラ+27.646
1035ラファエレ・デ・ロサHonda+32.369
1248富沢祥也Honda+34.241
1455ヘクトル・ファウベルHonda+37.237
1514ラタパーク・ウィライローHonda+1:16.786
178バスティン・シェゾーHonda+1Lap

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
138B.スミスアプリリア41:49.556
233S.ガデアアプリリア+13.524
393M.マルケスKTM+13.553
445S.レディングアプリリア+14.251
57E.バスケスデルビ+14.758
611S.コルテセデルビ+15.545
744P.エスパルガロデルビ+15.556
899D.ウェッブアプリリア+17.772
977D.エジャーターデルビ+18.960
1018N.テロールアプリリア+19.053

ポイントスタンディング

ライダー | MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1V.ロッシヤマハ 65
2C.ストーナードゥカティ 54
3J.ロレンソヤマハ 41
4ダニ・ペドロサHonda 41
5アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda 30
6C.エドワーズヤマハ 26
7ランディ・デ・ピュニエHonda 24
8M.メランドリカワサキ 23
9C.バーミューレンスズキ 21
10L.カピロッシスズキ 19
11M.カリオドゥカティ 16
12アレックス・デ・アンジェリスHonda 15
13トニー・エリアスHonda 15
14J.トーズランドヤマハ 10
15S.ジベルノードゥカティ 8
16高橋裕紀Honda 5
17N.ヘイデンドゥカティ 5
18N.カネパドゥカティ 2

コンストラクター | MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1ヤマハ70
2ドゥカティ54
3Honda47
4スズキ28
5カワサキ23

ライダー | 250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1青山博一Honda58
2A.バウティスタアプリリア54
3H.バルベラアプリリア43
4T.ルティアプリリア29
5J.クルーゼルアプリリア28
6G.タルマクシアプリリア28
7M.パシーニアプリリア26
8M.ディ・ミリオアプリリア21
9ラファエレ・デ・ロサHonda21
10M.シモンセリジレラ16
13富沢祥也Honda14
16ラタパーク・ウィライローHonda9
18ヘクトル・ファウベルHonda7

コンストラクター | 250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1アプリリア70
2Honda58
3ジレラ23
4ヤマハ2

ライダー | 125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1A.イアンノーネアプリリア37.5
2B.スミスアプリリア36.5
3P.エスパルガロデルビ31.5
4J.シモンアプリリア30
5S.コルテセデルビ28
6M.マルケスKTM27
7S.ガデアアプリリア22
8S.ブラドルアプリリア17
9D.ウェッブアプリリア16.5
10D.エジャーターデルビ16.5

コンストラクター | 125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1アプリリア62.5
2デルビ35
3KTM27
4ロンシン4