開幕戦カタールGPの予選は、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がPPを獲得。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3番手にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、そしてアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が4番手だった。以下、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)7番手、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)が9番手。トニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)12番手。左ヒザの状態が完全ではないダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は14番手。高橋裕紀(Scot Racing Team MotoGP)17番手という結果だった。
Honda勢トップの4番手につけたドヴィツィオーゾは、セッションをこなすごとに確実にポジションを上げた。初日のフリー走行は8番手、2日目には6番手、予選では4番手とポジションを上げ、2列目グリッドを獲得した。惜しくもフロントローを逃したが、セッション終盤まで、ロッシ、ロレンソと激しくポジションが入れ替わる好走だった。昨年のカタール大会では、MotoGPデビュー戦ながら4位。Repsol Honda Teamでのデビュー戦となる今大会では、表彰台、優勝への期待が膨らむ。
初日10番手のデ・ピュニエも、2日目は順調にセットアップを進めた。2日目のフリー走行では9番手。そして予選では7番手までグリッドを上げた。アグレッシブな走りでは、Honda勢で一番。タイヤライフとグリップに定評があるブリヂストンタイヤの特性に慣れてきているだけに、開幕戦からのブレイクが期待される。
以下、接戦の中でデ・アンジェリス9番手、エリアス12番手。初日18番手のペドロサは、フリー走行、予選と確実にタイムを上げて14番手まで浮上。負傷している左ヒザは完全な状態ではないが、追い上げのレースに注目したい。MotoGPデビュー戦となる高橋はセッティングをまとめきれず、さらに、アタック中に前車が転倒したことで、アタックを中止。不完全燃焼に終わった。しかし、セッションをこなすごとに確実にペースを上げている。決勝では追い上げに期待したい。
250ccクラスは、予選開始直後に雨が降り赤旗中断。約20分間の中断の後に再開し、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)がPPを獲得した。セッション終盤まで、バウティスタを抑えトップに立っていた青山博一(Scot Racing Team 250cc)が2番手。PPは逃したが、4年ぶりとなるHonda RS250RWで好調なスタートを切った。以下、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)12番手、ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)14番手。ルーキーの富沢祥也(CIP Moto-GP250)はデビュー戦の予選を16番手で終えた。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | 1:55.286 |
2 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.473 |
3 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.497 |
4 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.691 |
5 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +0.863 |
6 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +0.908 |
7 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +1.072 |
8 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +1.207 |
9 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +1.504 |
10 | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +1.566 |
11 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +1.676 |
12 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +1.939 |
13 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +2.224 |
14 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +2.443 |
15 | 59 | S.ジベルノー | ドゥカティ | +2.613 |
16 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +2.929 |
17 | 72 | 高橋裕紀 | Honda | +3.498 |
18 | 88 | N.カネパ | ドゥカティ | +3.713 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | 2:00.677 |
2 | 4 | 青山博一 | Honda | +0.100 |
3 | 63 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | +0.436 |
4 | 40 | H.バルベラ | アプリリア | +0.497 |
5 | 55 | ヘクトル・ファウベル | Honda | +0.959 |
6 | 28 | G.タルマクシ | アプリリア | +1.016 |
7 | 75 | M.パシーニ | アプリリア | +1.022 |
8 | 6 | A.デボン | アプリリア | +1.036 |
9 | 12 | T.ルティ | アプリリア | +1.061 |
10 | 15 | R.ロカテリ | ジレラ | +1.162 |
12 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | +1.385 |
14 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1.731 |
16 | 48 | 富沢祥也 | Honda | +2.913 |
21 | 8 | バスティン・シェゾー | Honda | +6.419 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 60 | J.シモン | アプリリア | 2:06.974 |
2 | 38 | B.スミス | アプリリア | +0.133 |
3 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | +0.614 |
4 | 18 | N.テロール | アプリリア | +0.807 |
5 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +0.861 |
6 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +1.173 |
7 | 17 | S.ブラドル | アプリリア | +1.174 |
8 | 44 | P.エスパルガロ | デルビ | +1.406 |
9 | 93 | M.マルケス | KTM | +1.443 |
10 | 94 | J.フォルガー | アプリリア | +1.450 |
コメント
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4番手)
「4番グリッドを獲得できて、とてもうれしい。今日は2台のバイクを違うセッティングにして試したが、いい方向性が見つかり、状態はかなりよくなった。レースに向けて、ハードタイヤでもいいリズムで走ることができた。ソフトでアタックしたときは、ちょっとミスをしてしまったが、4番手になれたので、今日のタイムには満足している。いつも自分は、予選より決勝の方がいいし、明日のレースがすごく楽しみだ」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 7番手)
「確実にセットアップを進めることができた。走るごとにバイクの状態はよくなり、攻める走りができるようになった。今年のウインターテストはあまり順調ではなかったが、ここにきて遅れを取り戻せたような感じだ。冬のテストから走り込んできたが、やっとブリヂストンタイヤにも慣れてきた。明日は3列目から好スタートを切って、6位以内を狙いたい」
アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 9番手)
「表彰台を狙えるような状態ではないが、バイクの状態はいいと思う。明日はきっと、いいレースができるはずだ。目標はトップ10以内。今日はソフトでタイムを出したが、ハードを使えるようになればもっとよくなると思う。ウオームアップでもう一度、タイヤとのマッチングにトライしてみたい。明日のレースが楽しみだ」
トニー・エリアス(MotoGP 12番手)
「3月のテストのときに課題だったハードコンパウンドのタイヤを使えるようになったのは大きな進歩だが、電子制御がうまく決まらずに苦戦している。12番手というのは残念だが、ここから追い上げるしかない。初日と比べると、タイムを大幅に上げることはできたが、まだまだやらなければならないことがたくさんある。決勝は、いいスタートを切って、いいバトルをしたい」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 14番手)
「昨日の状態を考えれば、今日ここまで走れるようになるとは思ってもいなかった。今日はどんどんタイムを上げられたし、リズムも戻ってきた。足の状態も少しずつだが、よくなっているような感じだ。昨日に比べてプッシュすることができた。今の自分のコンディションを考えれば、今日のタイムはそれほど悪くはないと思う。カタールにはレースをするために来たし、とりあえず、その目的を果たせることに満足している。決勝では、もう少しいいタイムを出したい」
高橋裕紀(MotoGP 17番手)
「昨日に引き続き、今日はいくつか違うセッティングにトライしたが、結局、まとめきれないまま予選を迎えてしまった。時間がないので、現状のまま集中して走ってペースを上げていった。いい感じで走れていたのだが、最後のアタックをしているときに目の前でニッキー(ヘイデン)が転んで、アタックを止めた。もし最後まで走っていたら、あと、2つか3つはグリッドを上げられたかも知れない。グリッドが後ろなので、決勝も集中して最後まで走りたい」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「ダニ(ペドロサ)の足の状態は、今日も変わらないが、有言実行で確実にタイムもポジションも上げてくれた。左足の状態が悪いことで、まだ自分の走りができていないが、決勝に向けてベストを尽くせるように我々もバックアップしていく。ドヴィツィオーゾは、まだ納得できるバイクに仕上がっていないが、今日はライダーのがんばりで4番手につけてくれた。もちろん、チームとしては、PP、フロントローを狙っているわけだが、現状の仕上がりからいえば、2列目というのは上出来。ドヴィツィオーゾに感謝したい。決勝は、いいレースができるようにチーム一丸となってベストを尽くしていく」
青山博一(250cc 2番手)
「Scot Racing Teamに移籍して初めてのレース、初めての予選で2番手になれてうれしい。その半面、もう少しでPPを取れた、という悔しい気持ちもある。ウインターテストは決して十分ではなかったが、それでこのポジションなのだから、少しずつよくしていけば、十分に戦える。今日は風が強くて、予選の前には雨も降った。とにかく、セッションごとにセッティングが変わるような状態なので、決勝に向けて油断はできない。明日はなんとかトップグループで戦いたい」
富沢祥也(250cc 16番手)
「もう少し上のポジションを狙っていたが、思ったように攻略できず、タイムも上げられなかった。コンディションが悪かったこともあって、テストのときのベストタイムに届かなかったのが残念。決勝は、とにかく完走。最後まで走ってチェッカーを受けたい」