X-Trial Round06アンドラアンドラ

2019年4月27日(土)・決勝

アンドラ・ラ・ベリャ

第6戦 アンドラ

トニー・ボウがホームたるアンドラでタイトルに華を添える

2019年のXトライアルは、スペインとフランスの国境に位置する小国アンドラで最終戦を迎えました。Repsol Honda Teamのトニー・ボウは、すでに前回マルセイユ大会で、自身13回目のXトライアルタイトルを決定していますが、最終戦アンドラ大会でも勝利数を伸ばし、その喜びをアンドラの観衆とともに味わったのでした。

アンドラでのXトライアルは16年ぶり。ボウはバルセロナ出身ですが、ここ数年はアンドラに住まいを構えています。言わば、ボウにとってはアンドラはホーム大会。地元アンドラで初めてのXトライアル。そしてチャンピオンを決めてからの最終戦。ボウにとっては是が非でも勝利がほしい一戦でした。

とはいえ、チャンピオンを決めたマルセイユ大会から1カ月半のインターバルを置き、そして今シーズン5戦中4戦で勝利しているボウにとって、アンドラでの勝利はプレッシャーなく目標とできるものでした。

まず予選となるラウンド1では、ボウのみがオールクリーン。2番手につけたアダム・ラガ(TRRS)は減点5。ボウのアドバンテージが早くも明らかになってきした。

バルセロナ以来の出場となる藤波貴久は、ここで減点7をマーク。全体の5位となり、ラウンド2への進出を決定づけました。今シーズン3戦目にして、初のラウンド2進出です。

決勝もしくは3位決定戦に進出するライダーを決めるラウンド2では、ラガ、ホルヘ・カサレス(ヴェルティゴ)、ブノア・ビンカス(ベータ)が1組目、ボウとジェロニ・ファハルド(ガスガス)、藤波が2組目となって、それぞれトップ通過のライダーが決勝進出へ、2位となったライダーが3位決定戦へと進みます。

1組目では、ラガが4点、カサレス6点、ビンカス7点と接戦でしたが、ラガが優勝決定戦へ、カサレスが3位決戦へと進むことになりました。

2組目、ボウはここでも圧倒的ポテンシャルを発揮して減点はたったの1点。2位となったのはファハルドで5点。藤波は7点で、表彰台を狙う権利は断たれたものの、同じ減点7でラウンド2を終えたビンカスが5セクションを走るのに4分24秒を費やしたのに対し、藤波は4分15秒。この差をもって、藤波は今シーズン初めて5位のポジションを得たのでした。

この結果、優勝決定戦はボウとラガ、3位決定戦はファハルドとカサレスの戦いになりました。ファハルドとカサレスの勝負はファハルドの勝ち、そしていよいよボウとラガによる最後の勝負となりました。

第2セクションで、ラガが5点。ここをボウはクリーン。さらに第3セクションでラガが5点、ボウが1点。これでその差は9点となりました。さらに第4セクションでラガは1点を失って、その差10点。これがそのまま勝負の結果となり、ボウは減点1、ラガが減点11。10点差の大差で、ボウの今シーズン5勝目が決定しました。

ボウのこの勝利は、自身75回目の表彰台獲得で、その勝利数は62となりました。16年ぶりのXトライアル、藤波は16年前にもアンドラ大会に参加していましたが、ボウはまだXトライアルへの参戦は実現していませんでした。Repsol Honda Teamは、23年間にわたって世界のトップを走り続ける藤波と、その後13年連続で世界タイトルを獲得し続けるボウの2人によって、支えられています。今回のXトライアルで、藤波は139回目の参戦となりました。

 

コメント

トニー・ボウ(1位、2019年Xトライアルチャンピオン)
トニー・ボウ(中央) 「地元ともいえるアンドラでの大会は、多くのプレッシャーを抱えての、難しい戦いになります。しかし、私は勝利に向けて多くの楽しみも感じていました。アンドラに住んだ年に開かれたアウトドアのアンドラ大会では、私は2日間にわたって勝利を失っていました。今回のトライアルは、セクションが比較的簡単でしたので、ミスをしないよう、細心の注意を払ってライディングを続けました。Xトライアル6戦のうち、5戦で勝利を残せた実績は、私の大きな誇りです」

藤波貴久(5位、総合8位)
藤波貴久 「バルセロナでのXトライアル大会のあと、私はトレーニングをアウトドア一本に絞ってきました。それにもかかわらず、今回こういう結果が出せたことに、私はとても満足しています。身体のコンディションもベストに近いですし、今回のXトライアルは、これから始まるアウトドア世界選手権に向けて、私に大きなモチベーションを与えてくれるものになりました。これが私の最後のXトライアル参戦になるのかと、多くの人に尋ねられました。答えは、私自身が決めるべきものだと思います。そして今日の5位という結果は、私がこの場でまだうまくやれるという証だと思うのです。そうでしょう?」

ミゲール・シレラ|Repsol Honda Teamチームマネージャー
「すばらしい勝利でした。私たちは、トニー・ボウへの称賛を惜しみません。我々はすでにタイトルを獲得していたので、この日のボウはホームグラウンドとでも言うべきアンドラで、いくらかはプレッシャーのない戦いができたと思っています。最終戦を勝利して、タイトル獲得に華を添えたのは、なによりすばらしいことだと思います。1カ月後にはアウトドア世界選手権が開幕します。ここで再び、すべてがうまくいくことを祈っています。もう一つ、今回は藤波がとてもいい走りを見せました。ラウンド2への進出は今シーズン初めて。今回の結果を得て、藤波のアウトドアシリーズへのモチベーションは非常に高いものになりました。今回の結果と、未来への期待、2019年のXトライアルシーズンが無事に終わったことを、チームのみんなと喜び、祝いたいと思います」

※レースレポート、リザルトなどはレース終了時点のものです


リザルト

順位 ライダー マシン R1 R2 RF Final
1トニー・ボウHonda 0 1 1
2 A.ラガ TRRS 5 4   11
3J.ファハルド ガスガス 6 5 11 
4 J.カサレス ヴェルティゴ 10 6 12
5 藤波貴久 Honda 7 7
6 B.ビンカス ベータ 6 7
7 L.ペトリラ ベータ 15
8 J.ブスト ガスガス 17  
9 M.ゲラバート シェルコ 22    

ポイントランキング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1トニー・ボウHonda 115
2A.ラガTRRS 89
3J.ファハルドガスガス 58
4J.ブストガスガス 51
5B.ビンカスベータ 43
6M.ゲラバートシェルコ 24
7J.カサレスヴェルティゴ 15
8藤波貴久Honda 11
9L.ペトリラベータ 8
10G.マルセーリモンテッサ
6
11A.フェラーシェルコ3
12J.ダビルベータ3
13A.ゲラバートスコルパ2
14S.ハガTRRS2
15T.コレイロガスガス1
16D.ピースシェルコ1

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