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トライアル世界選手権

round 05

SCHEDULE

July 13 2014, RACE FIM Trial World Championship Belgium

ベルギーベルギー

ベルギーでトニー・ボウが優勝、藤波貴久は4位

2014年7月13日(日)・決勝  会場:コンブレン・オー・ポン  天候:霧

トライアル世界選手権の第5戦が開催され、前戦ヨーロッパ大会で最大のライバル、アダム・ラガ(ガスガス)にランキングトップの座を奪われていたトニー・ボウ(Repsol Honda Team)は、見事な勝ちっぷりを復活させ、ランキングトップをキープしました。

  • トニー・ボウ(中央)トニー・ボウ(中央)
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

世界選手権第5戦ベルギー大会は、濡れた泥で大変難しいコンディションとなりました。しかし、ボウはこの悪コンディションを克服して勝利。ランキングトップを奪い返しました。そして、チームのもう一人の雄、藤波貴久もまた4位に入りました。その戦いっぷりは、力強く頼もしいものでした。

コンブレン・オー・ポンは、リエージュの南に位置し、7年ぶりに世界選手権が開催されました。ベルギーは、3度の世界チャンピオン、エディ・ルジャーン選手の母国です。ルジャーン選手は1982年から1984年まで、Honda RTL360を愛車として、3年連続で世界チャンピオンとなったベルギーのスターです。ルジャーン選手がチャンピオンだった時代には、世界選手権がベルギーで開催されるのが常でした。

今大会がスタートしたとき、雨は降っていませんでしたが、霧が出ていました。そして、この霧が雨を呼ぶことになります。しかし、ベルギーのこんな天候はいつものこと。久しぶりのトライアル世界大会に詰めかけた6000人の観衆は、この悪天候をものともせず、トップライダーに声援を送ります。

選手権をリードするボウとラガは、この戦いに際し、いつにも増して期するものがありました。2人のポイント差はわずか3点。ここでどちらが勝つかが、このあとのシリーズの行方も占うことになります。雨が予想されていることもあり、2人は非常に速いペースでセクションにトライしていきました。

ボウは、第3セクションで減点3、第4セクションはクリーン。しかし、第5〜6における2連続の5点減点に加え、タイヤがダメージを受けてしまい、先行きが危ぶまれる展開に。1ラップ目は、ラガが22点でトップ。ボウは25点で続きますが、アルベルト・カベスタニー(シェルコ)が26点と僅差で迫ってきていました。

雨が降り、レインウエアをまとったボウは、2ラップ目に驚異のライディングを披露しました。第1セクションから第8セクションまでを次々にクリーン。ドライコンディションの1ラップ目に25点だった減点を、降雨の中で13点にまで減らしたのです。

このラップが、この日の試合を決定づけました。3ラップ目、ラガは19点と好スコアをマークして、ボウとの点差を縮めてきましたが、2ラップ目に築いた8点のリードは安泰。最終的には6点差で2連勝を飾ることができました。

1ラップ目に8番手と、厳しい滑り出しとなった藤波は、2ラップ目、3ラップ目に自身の走りを取り戻してきました。4番手と7点差があった1ラップ目から、5番手のジェロニ・ファハルド(ベータ)に3点差の4位までポジションを戻しました。

カベスタニーに奪われたランキング3位の座を、今回は取り戻すことができませんでしたが、ここ2戦ほど不調が続いていた藤波でしたから、今回の4位は復調の兆しが見えるうれしいリザルトとなりました。

次回の世界選手権大会は、海を越えてイギリスへ渡ります。イギリス大会は2日制で、翌週の7月19日(土)と20日(日)に行われます。

コメント

トニー・ボウ(優勝)
「とても重要な局面で勝利を収めることができました。3週間のインターバルを置いての戦いでしたが、1ラップ目を終えたときに降り始めた雨の影響で、それまでのコンディションが激変しました。結果、チャンピオンシップでのリードを広げることができましたが、まだまだ安心するわけにはいきません。すべての大会でよりよいスコアを求めて走り続けなければいけません。チームも次の勝利に向けていい仕事をしてくれています。今は、次のイギリス大会での勝負が楽しみです」

藤波貴久(4位)
「今日の1ラップ目は最悪でした。しかし、濡れた泥のセクションには、うまく調子を合わせられたと思います。2ラップ目と3ラップ目はスコアも上げることができましたし、それがほかのトップライダーとほぼ同じであることが、新たな自信となりました。今、私の闘志は世界選手権ランキング3位を目指すことに注がれていて、そのパワーは一つも衰えていません」

決勝リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 25 13 21 59 19
2 2 A.ラガ ガスガス 22 24 19 65 18
3 4 A.カベスタニー シェルコ 26 21 19 66 14
4 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 36 23 25 84 12
5 3 J.ファハルド ベータ 30 33 24 87 13
6 6 J.ダビル ベータ 34 21 33 88 13

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1トニー・ボウモンテッサ(Honda) 128
2A.ラガガスガス 124
3A.カベスタニーシェルコ 96
4藤波貴久モンテッサ(Honda) 91
5J.ファハルドベータ 83
6J.ダビルベータ 68
 
15 小川友幸 Honda 13