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May 24/25 2014, RACE FIM Trial World Championship Europe
ヨーロッパ
2014年5月24日(土)、25日(日)・決勝 会場:リル・ルッス
FIMトライアル世界選手権は、オーストラリアと日本への遠征を終えて、ヨーロッパラウンドに帰ってきました。その初戦はコルシカ島。イタリアにほど近い、地中海に浮かぶリゾートアイランドで、40年近い世界選手権の歴史の中でも初めての開催となります。
今回はトニー・ボウ(Repsol Honda Team)の最大のライバル、アダム・ラガ(ガスガス)が優勝、ボウは2位となり、選手権ポイントでもラガがボウに2点差でトップに立ちました。藤波貴久(Repsol Honda Team)は6位となり、ランキング3位を守っています。
コルシカ島の北部にある、岩だけらの海岸がトライアルの舞台となり、12セクション3ラップの風光明媚なセクションがライダーたちを迎えました。しかし、残念なことに、ワールドプロクラスのすべての選手が、持ち時間をはるかに超えてゴール。全ライダーの結果が、リザルト表に残らないという結末となってしまいました。
16名の世界のトップライダーによる競演を見ようと、コルシカ島の住民が海岸に集まってきました。12セクションのうち、大多数のセクションはオレンジ色に輝く岬に設営され、競技はこれを3ラップします。
予報では、降雨がこの美しい世界選手権を台なしにするのではと心配されていましたが、幸いにも雨は降らないまま、競技を進めていくことができました。
ボウとラガは、競技の序盤から、大変な接戦を演じているように見えました。ボウは第3セクションで、ラガは第4セクションで5点を取ってしまいましたが、ほかに大きな減点はなく、1ラップ目はボウ7点、ラガ10点と、ボウがラガに3点のリードをとりました。2人は、3位につけたアルベルト・カベスタニー(シェルコ)にも差をつけてバトルを展開。4位以下につけたライダーは、みな20点以上の減点を取ってしまいました。
2ラップ目、ボウは第6セクションと第8セクションで、それぞれ5点を取ってしまいました。これに対して、ライバルのラガは絶好調で、ボウが5点を取ったそれぞれのセクションを1点で抜け、しかもそれ以外のすべてのセクションをクリーンするという好スコアをマーク。試合を逆転したばかりか、ボウを7点リードして最終ラップに突入しました。
藤波は1ラップ目27点と、トップ争いには加われませんでした。2ラップ目には16点と、減点を減らすことができましたが、それでも、この日の優勝争いにからむのは難しそうでした。
最終ラップでは、ボウの反撃に注目が集まりました。2ラップ目に5点となった第6セクションでは見事なクリーンを見せたものの、第8セクションでは再び5点。これでボウのこの日の挑戦に決着がついてしまいました。ラガは3ラップ目も2ラップ目と全く同じ減点で、難しい2つのセクションでも確実に足をついて走破し、2点で3ラップ目を終えました。
ラガはこの勝利で、世界選手権のポイント争いでもトップに出ています。ボウの88点に対し、ラガは90点。ボウは2点差を追うチャレンジャーとなって、次の大会を走ることになります。
藤波は6位でしたが、ポイント争いでは3位。4位のカベスタニーには2点のリードを守っています。
次のイタリア大会では、ボウの逆襲が期待されます。
トニー・ボウ(2日目/2位)
「私の目標は常に勝つことですから、2位ばかりが続くのは、困ったことです。前の大会から今回まで、ヒビの入ったろっ骨の療養をしなければならず、トレーニングを休んでいました。ろっ骨には、3カ所のヒビが入っていたのです。次の戦いまでには1週間の猶予があります。1週間、いつものようなトレーニング・スケジュールを消化してイタリア入りし、勝利とともに選手権のリーダーに返り咲きたいと思っています」
藤波貴久(2日目/6位)
「この島に来てトレーニングエリアで走り始めたときから、ここの地形にいい印象を持てませんでした。岩はとてもグリップがよくて、私のライディングスタイルには合わせづらかったのが正直なところです。1ラップ目は、勝利を目指した結果、5点をたくさん取ってしまいました。2ラップ目にはいい走りを取り戻せたと思っていますが、今日はランキング3位を守れたことに感謝したいと思っています」