トライアル世界選手権第8戦イギリス大会が7月30日にホークストンパークで行われ、COTA 4RTに乗る藤波貴久選手(REPSOL MONTESA HRC)が今季4勝目を挙げた。
表彰台は前回のポーランド大会(7月9日)と同じ顔ぶれとなり、2位には藤波選手と1ポイント差でアダム・ラガ選手(ガスガス)が入り、3位にはさらに1ポイント差でアルベルト・カベスタ二ー選手(シェルコ)が入った。藤波選手のチームメイト、ドギー・ランプキン選手は一時12位だったが、すばらしい追い上げを見せ、地元で4位に入っている。
大会前、イギリスは異例の熱波に見舞われ、2週間にわたり35℃という猛暑が続いた。その結果、ライダーがイギリス中央部のシュルーズベリー近郊のホークストンパークに到着した時には、コースの路面は乾燥し、埃っぽくなっていた。
しかし、天気予報では大会当日は雨。プラクティスと1ラップ目に降った小雨は、路面を若干濡らしはしたが、ライダーや集まった約8000人の観客の士気を下げるものではなかった。
1ラップ目、藤波選手、ラガ選手、そしてカベスタ二ー選手の3名は、各セクションごとに接近したトップ争いを見せた。1つのセクションで1人がクリーンを出したときには、もう1人が減点5となり、次のセクションでは逆といったように変化していった。
モトクロス・コースを囲む森の中に設けられた3つのセクションでは、大半のライダーが苦戦したが、上位3名のライダーは次々と順位を入れ替えた。藤波選手は減点14点、ラガ選手は21点、カベスタ二ー選手は19点で1ラップ目を終えた。
2ラップ目にラガ選手とカベスタ二ー選手が健闘し、減点数を減らしたものの、藤波選手のトップは揺るがなかった。しかし、近年まれに見るほどの接戦は、藤波選手が観客の目の前に設けられた最終セクションでクリーンを出すまで続いた。藤波選手がクリーンを出して優勝を決めた瞬間、集まった8000人の観客から拍手喝采が送られた。
その結果、2戦を残して、現在ランキング2位の藤波選手(154ポイント)は、ランキングトップのラガ選手(166ポイント)に12ポイント差に迫っている。また、ランプキン選手(146ポイント)はランキング3位につけている。
次の大会は9月3日にアンドラで行われる。
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