トライアル世界選手権第5戦が6月25日にフランスのラ・シャトレで行われ、Montesa COTA4RTを駆るドギー・ランプキン選手(REPSOL MONTESA HRC)とチームメイトの藤波貴久選手が1-2フィニッシュを飾り、3位にはアントニオ・ボウ選手(ベータ)が入った。
土曜日のプラクティスの時には気温が35℃にまで上がった。しかし、夜間降った豪雨のため、それ以前からすでに難しかった各セクションは、さらに難易度を増していた。オーガナイザー側も競技開始前にセクションをほとんど変更しなかったため、ライダー達は非常に難易度の高いコースに直面することになった。
パドック・エリアに設けられた最終セクションを除いて、残りの14個のセクションはすべて使用廃止になった鉄道線路の上に設けられていた。傾斜のきつい斜面には大小の岩がいたるところに置かれていた。
ランプキン選手の出足はとても悪かった。最初の4つのセクションで減点5を4つ受けてしまったからである。藤波選手の方も3−5−3−5という減点数で決して良いスタートを切ったわけではなかったが、トップ3につけるアダム・ラガ選手(ガスガス)やボウ選手、アルベルト・カベスタ二ー選手(シェルコ)の3人も最初の4つのセクションで15ポイントの減点を科されていたため、トップ3と大差のないところにつけていた。
1ラップ目の後半で藤波選手とランプキン選手は調子を上げたが、それでも1ラップ目を終えた段階で、藤波選手は3位、ランプキン選手は6位だった。
どんよりとした曇り空は、再び雨を降らせそうな気配だったが、次第に雲も消え、空気も乾燥していった。このため、2ラップ目は1ラップ目よりも走行しやすいコンディションとなったのである。
2ラップ目のランプキン選手の走りは今シーズン中の自己ベストともいえるほど素晴らしく、第11セクションまでの減点はわずか7点だった。これは1ラップ目にランプキン選手自身が第11セクションまででマークした減点数より、29点も良かったのだ。
ランプキン選手の快挙についていけるのは藤波選手とボウ選手だけだった。ランプキン選手は終盤の3つのセクションで減点を4点増やしてしまったため、最終的な減点数では藤波選手と並んだが、クリーンの数が藤波選手より2つ多かったため今季初優勝を達成した。
5戦を終えて、現在ランキングトップはラガ選手で121ポイントを獲得している。2位はランプキン選手(110ポイント)で3位はボウ選手(102ポイント)。藤波選手は4位で94ポイントだ。
次戦は7月2日にイタリアのダルフォ・ボアリオ・テルメで行われる。
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