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トライアル世界選手権
JAPAN
[2002.09.08] |
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第9戦/最終戦 日本(ツインリンクもてぎ) |
2002年 9月7〜8日開催 |
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天候:雨/曇り一時晴れ一時雨
観客:8,300人/13,700人
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藤波貴久の優勝!
そしてランプキン6度目の世界チャンピオン獲得!
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激しい雨で悪化したハードなセクションの中、1日目の競技で藤波貴久はドギー・ランプキンと2点差で日本大会で優勝を遂げた。同時にランプキンは6度目の世界タイトルを確定した。さらに、ダビッド・コボスが土曜日に3位入賞、montesa
HRCが表彰台を独占。コボスはランキングでも5位に浮上してシーズンを終了した。 |
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第1日目
3回目の世界選手権日本大会。大会は、ダビッド・コボス(montesa HRC)の快進撃で始まった。コボスはランキング5位の座をかけ、4セクションまでをたったの1点でまとめて鼻息が荒い。コボスに続いてドギー・ランプキン(montesa
HRC)、黒山健一(Beta)、藤波貴久(montesa HRC)、そしてカベスタニー。セクションが進むに従って、難易度は格段に増していた。
こうなると、ランプキンと藤波の能力の高さが際だってくる。岩場の序盤戦でリードをとったコボスは大会中盤のマッドセクションで減点を増やし、トップ争いはランプキンと藤波に絞られたかっこうだ。ランプキンは、パドック前のメイン会場に到着するまで、藤波に1点のリードをとっていた。最終ひとつ手前の14セクションは両者ともに3点、そして1ラップ目の最終セクションは、見上げるような岩盤が立ちはだかる難所だった。ここを藤波は3点。ランプキンは5点となり、形勢は逆転。藤波がトップで1ラップ目を終了した。
2ラップ目、いつものように非常に早いペースでトップライダーはセクションを消化していく。こんな中、第1セクションでの藤波のトライに5点の採点が下されたが、しかしオブザーバーは藤波のカードに3点をパンチした。これが、ゴール後に結果が二転三転する伏線となった。
試合は藤波がランプキンの点数を常にマークして、2点差を最後までキープして優勝。最終セクションを出て、藤波を祝福するランプキンの姿があった。
ところがその数分後、第1セクションで下った5点の採点が本部に修正文書として届けられ、この修正が加えられた結果、藤波とランプキンは同点、クリーン差でランプキンの優勝とのジャッジが出た。藤波を祝福したランプキンは、一転勝利者となり、表彰台の中央に登って勝利の美酒に酔った。
しかしこの5点の採点に対して、藤波からは抗議が出され、その結果、暫定表彰式終了後に、その抗議が受理された。オブザーバーの判定には誤りがあり、藤波の2ラップ目第1セクションの減点は3点であったというのが最終的な決定だ。これで結果は再び藤波の勝利となり、藤波貴久、念願の日本大会での優勝となった。
しかし藤波勝利の報は暫定表彰式終了後だったため、藤波の勝利による君が代を聞けることはなかったのが残念な結末となった。
ランプキンは2位となり、藤波に29点差をつけ、この時点で6度目の世界タイトルを獲得した。
第2日目
セクションは、前日のハードな競技内容を受けて、10個のセクションに修正が加えられた(セクション修正の数に制限はない)。この修正で、競技は簡単な方向に向くはずだった。しかし、それでも今シーズン最も難しい大会の一つであることに変わりはなかった。
天候の回復は、ライダーたちを助けもしたが、泥にまみれた岩は、一部ではさらにグリップを悪化させ、あいかわらずとても難しい。ランキング下位のライダーや多くの日本人ライダーにとってはとても苦しい大会となったはずだ。
しかしランプキンと藤波もまた、苦しいスタートを切った。第1セクションで共に5点。もちろん、そこから追い上げるのがトップライダーのトップライダーたる由縁だ。
この日、montesa HRCの3人のライダーには、それぞれ目的があった。藤波は、日本のファンの前で再び勝利し、今度こそ表彰台の一番まん中に立って見せること。コボスは、グラハム・ジャービス(Sherco)とフレイシャ(Sherco)のふたりとのランキング争いに勝利して、ランキング5位を獲得すること。そしてランプキンはコボスのランキング争いをサポートしながらの、藤波との優勝争いが仕事となった。
降ったりやんだりの雨の中、ランプキン、藤波、コボス、ジャービスらは、相手の出方を探りながらセクションを回っていくことになった。第7セクションでは1時間も相手の腹の探り合いで競技を止めたりしながら、1ラップ目はランプキン21点、藤波26点、コボス27点と、またも上位を独占したチームメンバーたち。4位につけたのは、コボスにさらに7点差の黒山健一だった。
2ラップ目、時間がタイトになったトップライダーたちに対して、時間に比較的余裕があったのが黒山だった。2ラップ目の黒山は、この日のベストスコアである18点をマークして、コボスから表彰台の座を奪うことに成功した。コボスは時間に追われた2ラップ目に調子を崩して、今度は逆に黒山に8点の差をつけられてしまったのだった。しかしコボスは、ジャービスとフレイシャとのランキング争いには勝利し、世界選手権ランキング6位までに出場権のあるインドア世界選手権への出場権を確保した。
藤波は黒山には遅れたものの2ラップ目を23点でまとめ、2ラップ目に26点の減点を喫したランプキンに肉薄したものの、ランプキンには2点差で届かず。今シーズン最後の勝利は、王者ランプキンのものとなった。
DAY 1
D.ランプキン (2位)
今日の競技についてはノーコメントとしたい。今日のセクションはたいへんハードだったと思う。セクションの手直しは必要だと思うが、手直しをしすぎで、まったく別のセクションになってしまうような修正はしないでほしいと願っている。今は、今年度の世界チャンピオンが決定したことだけを、素直に喜びたい。
藤波 貴久 (1位)
第1セクションでは、3点とカウントして競技を進め、勝利を確信していました。抗議を受け入れてくれたのは、とてもいい結果でうれしく思います。2位で表彰式が進んだのは残念でしたが、日本のファンの前で勝利をしたのですから、この結果はとても大きな意味を持ちます。セクションはハードでしたが、ぼくはこういうハードなセクションが大好きです。
DAY 2
D.ランプキン (1位)
世界タイトルをとって、今日はリラックスして競技に臨めた。コボスの助けをしながらではあったが、結果的に、勝利への正しいプロセスを踏めたと思う。
藤波 貴久 (2位)
今日はうれしい結果とはいえません。第1セクションをはじめ、いくつかのミスもあったし、第4セクションではほとんどクリーンをしておきながら、最後の数メートルで3点をとってしまうということもありました。今日は勝ちたいという気持ちが前面に出すぎて、リラックスがたりない走りになってしまいました。
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