Round01日本富士スピードウェイ

2020 Season Preview

2020年7月10日(金)

富士スピードウェイ 1

2020 SUPER GT シーズンプレビュー

2020年度のSUPER GTシリーズは、新型コロナウイルス蔓延に伴う緊急事態宣言を受け、3月中旬(3月14~15日)に岡山国際サーキットで行なわれた公式テスト以降、すべてのテスト走行をキャンセルするとともにシーズン開幕を延期していました。しかし、改めてシーズンのスケジュールが組み直され、ようやく7月18~19日に富士スピードウェイで今シーズンの開幕を迎えることになりました。
今シーズンはGT500クラスの車両規定が変更になり、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)と共通の『Class 1』(クラス・ワン)規定が導入されたため、2020年型のNSX-GTは従来のミッドシップレイアウトからフロントにエンジンを搭載したFRレイアウトへ大きな変身を遂げました。

新しいNSX-GTは昨年10月にシェイクダウンを行ない、その後12月と今年1月にマレーシア、3月の岡山とテスト走行を重ねて熟成されてきましたが、それ以降のテスト走行はすべてキャンセルされていました。しかし、SUPER GTシリーズが再始動され、6月27~28日に富士スピードウェイで行なわれた開幕前の公式テストを経て、7月第3週の富士スピードウェイで、ついに実戦デビューを果たします。

開幕前の公式テストは新型コロナウイルス感染を考慮し無観客で開かれ、GT500クラスには5台のNSX-GT、GT300 クラスには3台のNSX GT3が参加しました。ただし#17 KEIHIN NSX-GTに乗車予定だったベルトラン・バゲットは新型コロナウイルス蔓延に伴う入国規制のため来日できなかったため、代役として金丸ユウが起用されました。

テストが行なわれた2日間は天候が変転したためドライ路面からヘビーウエット路面までさまざまなコンディションで合計4セッションが行なわれ、各車開幕戦へ向けた準備を進めました。今シーズンは全く新しい車両となるGT500クラスでは、まだ最終的に仕様が決まっていない各部のパーツを交換しながら周回が重ねられました。ここで収集されたデータを元に、開幕戦の仕様がようやく決定することになります。

2日間、計4セッションで記録されたラップタイム(総合結果)では、#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が参加した15台のGT500車両のうち最速となる1分27秒870を記録。#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/金丸ユウ)が3番手(1分27秒973)、#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が5番手(1分28秒059)、#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京)が8番手(1分28秒405)となるタイムで続きました。上位10位までに4台のNSX-GTが入るという結果です。また、#64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)は12番手(1分28秒757)となりました。

GT300 クラスでは参加28台中、#34 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/ジェイク・パーソンズ)が2番手(1分37秒412)、#55 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹)が5番手(1分37秒726)、#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮)が18番手(1分38秒022)につけてテストを終えました。
開幕前に行なわれるテスト走行はこれで終わり、いよいよ2020年シリーズ開幕戦が7月18日~19日、富士スピードウェイで開催されます。

コメント

佐伯昌浩 | 株式会社本田技術研究所 Honda GT プロジェクトリーダー
「昨年までのNSXは、フロントフレーム、リヤフレームともミッドシップレイアウト専用の設計でしたが、今年は『Class 1』規則に準じたFR共通シャシーにフロント搭載用エンジンを組み合わせ大きく変わりました。FR共通シャシーでは、昨年までとはセットアップの方向性が変わってきます。本来ならテスト走行を十分に重ねたかったのですが、新型コロナウイルスの影響からテスト走行の中止が相次ぎ、我々にとっては厳しい状態で開幕を迎えることになってしまいました。コロナウイルスの影響で開幕が遅れたぶん、リモートでの作業などを通して開発を進めることができたものの、テスト走行ができなかったのでその成果を確認できておらず、開幕前の富士テストでもまだ決定していない部分(パーツなど)を次々に取り替えて走り込む必要がありました。ただし、これまでのテストのなかではマシンの基本的なポテンシャルは高いと認識していますので、レースを進めながらFR共通シャシーについて理解度を増やし、昨年までのミッドシップNSXで得られた知見をうまく組み合わせて、より速く強いNSXに仕上げていきます。シーズンのスタートは遅れ気味ではありますが、ファンの皆さまには今年も応援をよろしくお願い申し上げます」

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