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2013年11月24日(日)・決勝2日目 会場:富士スピードウェイ(4.563km) 天候:晴れ 気温:14℃(15:30時点)
路面温度:14℃(15:30時点) コースコンディション:ドライ 観客:3万9000人
11月24日(日)、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて、JAFグランプリ富士スプリントカップの決勝第2レースが行われました。
国内最高峰の四輪レースであるSUPER GTとスーパーフォーミュラが、同日開催される唯一のレースイベントである富士スプリントカップは、その名のとおりレース距離は100km/22周と短く、レース中のピットストップはありません。また、2人のドライバーでチームを組むSUPER GTでは、ドライバーが1人ずつ出走するレースを2回実施し、その総合成績によって順位を決定します。総合成績でトップに立ったチームには名誉ある「JAFグランプリ」が贈られます。
23日(土)に行われたレース1では、#17 KEIHIN HSV-010の塚越広大選手が優勝、#100 RAYBRIG HSV-010の小暮卓史選手が3位、#18 ウイダー モデューロ HSV-010の山本尚貴選手が4位と、Honda勢が上位に多く入り、JAFグランプリ獲得に期待が持てる結果となりました。
レース2の予選は昨朝に行われ、#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢拓也選手が5番グリッドを獲得。続いて#17 KEIHIN HSV-010に乗る金石年弘選手は9番グリッド、#18 ウイダー モデューロ HSV-010に乗るフレデリック・マコヴィッキィ選手は11番グリッド、#8 ARTA HSV-010に乗るラルフ・ファーマン選手は14番グリッド、#32 Epson HSV-010に乗る道上龍選手は15番グリッドからこの日の決勝を戦います。
昨日に続いて気持ちのいい秋晴れに恵まれ、レース2のフォーメーションラップが午後3時35分に開始されました。コースを1周した15台のマシンはスターティンググリッドに整列。1つずつ順に点灯したレッドランプが一気に消えたのを合図にして、100kmのスプリントレースが始まりました。
5番グリッドの伊沢選手は好スタートを決め、4番手に浮上。マコヴィッキィ選手も3つポジションを上げて8番手となりました。一方、金石選手はやや出遅れて10番手に後退したほか、ファーマン選手は12番手、道上選手は14番手となってオープニングラップを終えました。
レース序盤、マコヴィッキィ選手のペースは速く、2周目に1台、そして4周目にもう1台のライバルをオーバーテイク。続いて5番手を走るライバルに襲いかかります。マコヴィッキィ選手は6周目の最終コーナーでいったんライバルの前に出ながら、コーナーを立ち上がる走行ラインの違いからストレート上でライバルに逆転されてしまいます。ところがマコヴィッキィ選手の乗る#18 ウイダー モデューロ HSV-010はストレートが速く、一度は抜かれたライバルを1コーナーまでに再逆転。ついに5番手に浮上しました。
8周目、今度は金石選手が乗る#17 KEIHIN HSV-010がペースを上げ始めます。ダンロップコーナーで8番手のドライバーに接近した金石選手は、14コーナーでライバルのイン側に飛び込み、ライバルを攻略。8番手に駒を進めます。
10周目の段階で、Honda勢のトップは引き続き4番手を走行する伊沢選手で、マコヴィッキィ選手はこれを追う5番手につけています。さらに金石選手は8番手、道上選手は14番手、最終戦もてぎ大会における大クラッシュの影響が残る#8 ARTA HSV-010のファーマン選手は15番手に後退していました。
レースの折り返し地点を過ぎると、#18 ウイダー モデューロ HSV-010のペースが鈍り始めます。マコヴィッキィ選手は後方から迫るドライバーを何度もしのいでいましたが、ついに15周目のコカコーラコーナーで攻略され、6番手に後退します。
16周目、尻上がりに調子を上げてきた金石選手は、先ほどと同じ14コーナーでライバルをイン側からオーバーテイクし、7番手に浮上します。続く18周目にはダンロップコーナーでマコヴィッキィ選手をパス。これで6番手となりました。一方、マコヴィッキィ選手は最終コーナーで別の1台にも攻略されてしまいます。抜かれたマコヴィッキィ選手はあきらめることなく、ライバルに食らいついて横並びのまま1.5kmのストレートを走り抜けましたが、1コーナーで追い抜くことができず、ここで8番手に後退しました。
レース終盤になると、タイヤかすを拾った影響でペースの鈍るマシンが出てきます。伊沢選手の乗る#100 RAYBRIG HSV-010もその1台で、17周目に入ると4番手のライバルから猛攻を受けるようになります。伊沢選手は巧みなライン取りでこれを防ぎましたが、18周目のダンロップコーナーでついにライバルの先行を許し、5番手となりました。
19周目になると伊沢選手のペースは回復し、4番手のドライバーを追撃し始めましたが、残念ながら攻略には至らず、5番手でチェッカーフラッグを受けました。金石選手はこれと1.5秒差の6位でフィニッシュ。マコヴィッキィ選手は8位、道上選手は12位、ファーマン選手は13位で完走を果たしました。
優勝は#6 ENEOS SUSTINA SC430に乗る大嶋和也選手でした。
この結果、伊沢選手は6点、金石選手は5点、マコヴィッキィ選手は3点を獲得。前日行われたレース1との総合で、#17 KEIHIN HSV-010を駆った塚越選手(優勝:20点)と金石選手は合計25点で首位になり、JAFグランプリ・ウイナーに輝きました。
一方のGT300クラスには、Hondaが開発したレーシングハイブリッドシステムを搭載する#16 MUGEN CR-Z GT(中山友貴選手)と#55 ARTA CR-Z GT(高木真一選手)が出走。2番グリッドからスタートした高木選手は、ポールシッターのドライバーが反則スタートでドライブスルーペナルティを受けると、レース序盤にしてトップに浮上しました。
ところが、レース中盤に2台に抜かれて3番手に後退。さらにレース終盤にもう1台にも抜かれ、4位でチェッカーフラッグを受けました。4番グリッドからスタートした中山選手も結果的にポジションを1つ落とし、5位でフィニッシュしました。この結果、総合成績では#55 ARTA CR-Z GTの高木/小林組が19点、#16 MUGEN CR-Z GTの武藤/中山組が11点で、JAFグランプリの獲得はなりませんでした。
松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー「今日のレースはスタートがうまくいかなかったために、表彰台に上ることはできませんでしたが、ストレートスピードなどの面ではライバルと完全に肩を並べていることが確認できたので、この点では今年の開発目標を達成できたと考えています。HSV-010 GTを投入してからの4年間、私たちはさまざまなことを経験しました。そして今、レーシングカー開発の難しさを改めて感じています。とくにHSV-010 GTは、Hondaにとって初のFRレーシングカーだったので、たくさんの勉強をさせてもらいました。来年投入するNSXはミッドシップですが、HSV-010 GTで学んだことは十分に役に立つと思います。さらに、今日はJAFグランプリというタイトルもいただくことができました。今年はチャンピオンこそ逃しましたが、このようなすばらしいタイトルを勝ち取ることができて、本当にうれしく思っています。今後もSUPER GTを戦うHondaに熱い声援をお送りいただけるよう、お願い申し上げます」
金石年弘(レース2:6位/総合優勝 #17 KEIHIN HSV-010)「スタートがうまくいかなかった上に、レース序盤はオーバーステアが強く、苦しみました。けれども、昨日の塚越選手のレースを見て、自分たちのマシンはレースを通じて安定したペースを保てることが分かっていたので、それを信じて走り続けました。実際、レース後半では何台も抜くことができましたが、表彰台を狙っていただけに、6位という結果には満足していません。JAFグランプリを勝ち取ったことについても少し複雑な心境ですが、チーム全体で勝ち取った成績なので、その点ではうれしく思っています」
塚越広大(レース1:優勝/総合優勝 #17 KEIHIN HSV-010)「シーズン中は2位や3位が何度かありましたが、なかなか勝てなかったので、どうしてもチームに優勝をプレゼントしたいと思っていました。実はシーズン中も、チャンピオン獲得以上に1回の優勝を目指し、チーム全体で集中して戦ってきましたが、富士スプリントカップで優勝することができて本当にうれしく思っています。また、今日は金石選手がすごくがんばってくれたおかげで、JAFグランプリも勝ち取ることができ、最高の気分を味わっています」
伊沢拓也(レース2:5位/総合5位 #100 RAYBRIG HSV-010)「週末を通じてマシンそのものは決して悪くありませんでしたが、タイヤが路面のゴムかすを拾ってしまった影響で、中盤以降はペースを上げられなくなりました。昨日は小暮選手が表彰台に上っているので、自分も本当はもっと上の順位を狙っていたのですが、残念な結果に終わってしまったと思います」
順位 | No. | マシン | ドライバー | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 大嶋和也 | 22 | 34:31.193 |
2 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋一貴 | 22 | +0.229 |
3 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | J.P.デ・オリベイラ | 22 | +11.921 |
4 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 平手晃平 | 22 | +13.093 |
5 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢拓也 | 22 | +18.078 |
6 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 金石年弘 | 22 | +19.611 |
8 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | フレデリック・マコヴィッキィ | 22 | +30.479 |
12 | 32 | Epson HSV-010 | 道上龍 | 22 | +42.993 |
13 | 8 | ARTA HSV-010 | ラルフ・ファーマン | 22 | +43.116 |
順位 | No. | マシン | ドライバー | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | エヴァRT初号機アップルMP4-12C | 加藤寛規 | 22 | 36:42.791 |
2 | 11 | GAINER DIXCEL SLS | 平中克幸 | 22 | +0.576 |
3 | 4 | GSR 初音ミク BMW | 谷口信輝 | 22 | +4.053 |
4 | 55 | ARTA CR-Z GT | 高木真一 | 22 | +4.522 |
5 | 16 | MUGEN CR-Z GT | 中山友貴 | 22 | +10.500 |
6 | 10 | GAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLS | 田中哲也 | 22 | +18.933 |
順位 | No. | マシン | レース1ドライバー/レース2ドライバー | レース1 | レース2 | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 塚越広大/金石年弘 | 20 | 5 | 25 |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川祐路/平手晃平 | 15 | 8 | 23 |
3 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | J.ロシター/中嶋一貴 | 6 | 15 | 21 |
4 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 国本雄資/大嶋和也 | 20 | 20 | |
5 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 小暮卓史/伊沢拓也 | 11 | 6 | 17 |
6 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田次生/J.P.デ・オリベイラ | 3 | 11 | 14 |
7 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ | 8 | 3 | 11 |
13 | 8 | ARTA HSV-010 | 松浦孝亮/ラルフ・ファーマン | 0 | ||
14 | 32 | Epson HSV-010 | 中嶋大祐/道上龍 | 0 |
順位 | No. | マシン | レース1ドライバー/レース2ドライバー | レース1 | レース2 | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | GAINER DIXCEL SLS | B.ビルドハイム/平中克幸 | 15 | 15 | 30 |
2 | 3 | S Road NDDP GT-R | 佐々木大樹/星野一樹 | 20 | 4 | 24 |
3 | 2 | エヴァRT初号機アップルMP4-12C | 高橋一穂/加藤寛規 | 20 | 20 | |
4 | 55 | ARTA CR-Z GT | 小林崇志/高木真一 | 11 | 8 | 19 |
5 | 4 | GSR 初音ミク BMW | 片岡龍也/谷口信輝 | 11 | 11 | |
6 | 16 | MUGEN CR-Z GT | 武藤英紀/中山友貴 | 5 | 6 | 11 |