スーパーバイク世界選手権(SBK)第3戦ポルトガル大会が、8月7日(金)~9(日)の3日間、ポルトガル南部に位置するアルガルベ・インターナショナル・サーキットで開催されています。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、カレンダーが大幅に変わり、通常9月に開催されているポルトガル大会が8月の開催となりました。
このサーキットで初めてSBKが開催されたのはサーキットが完成した2008年。以後、2016年は開催されませんでしたが、今年で12回目を迎えます。アルガルベは、一周4.592km。起伏に富み、ブラインドコーナーの多い難コース。バリエーション豊かなコーナーが連続するテクニカルコースとして知られ、ライダーの好みがはっきりと分かれます。
先週のスペイン大会から2週連続の開催。選手たちは休む暇もなく新しい戦いに挑みました。アルガルベは連日30℃前後の暑さ。ライダーにもタイヤにも厳しい条件となりましたが、アルバロ・バウティスタ(Team HRC)が9位、レオン・ハスラム(Team HRC)が12位でそれぞれポイントを獲得しました。
バウティスタは、開幕に向けて「ウインターテストとスペイン大会のデータを元にセットアップを進めていきたい。アルガルベは難しいサーキット。加えてバンピーでアップダウンが激しい。それだけに楽しみ」と、ニューモデルCBR1000RR-R FIREBLADE SPでのチャレンジに闘志を燃やしました。
そして、フリー走行ではトップから0.672秒差の9番手。予選は12番手へとややポジションを落としましたが、着実にマシンのパフォーマンスを引き出すことに成功しました。20周で行われた決勝では序盤の混戦の中で14番手までポジションを落としましたが、3周目に11番手、その後、6周目にチームメートのハスラムをかわして10番手へ。さらに一つポジションを上げて9位でフィニッシュしました。
予選10番手のハスラムは、初日のフリー走行で順調な走りを見せましたが、その後、セッティングの方向性を間違えてやや苦戦。それでも10番グリッドを獲得しました。しかし、今大会は歯の痛みもあり、決勝は万全の状態ではありませんでした。しかし、粘り強い走りで12位でチェッカーを受けました。
MIE Racing Althea Honda Teamの高橋巧は、予選21番手から19位、チームメートのロレンツォ・ガベリーニは、予選23番手から20位でチェッカーを受けました。2人とも、CBR1000RR-R FIREBLADE SPのパフォーマンスをまだ十分に引き出せていない状態ですが、着実に前進しています。
SBKは、昨年から1大会3レース方式となっており、日曜日には10周で行われる「スーパーポール・レース」と決勝レース2が行われます。
アルバロ・バウティスタ(9位)
「結果では分からないないかもしれませんが、先週のヘレスと比べたら、パフォーマンスは一歩前進したと思います。レース序盤にポジションを落としてしまいましたが、何人かをパスしたあとは単独で周回し、ペースは表彰台争いをしているライダーたちとほぼ同じでした。そのため、結果には反映されていませんが、レース序盤を除けば、パフォーマンスには満足しています。もちろんレースは20周もあるので、序盤のペースをもっと改善しなければなりません。フロントグリップのフィーリングはヘレスのときよりよくなりました。引き続きセットアップの微調整をしていきたいと思います。明日も楽しみです」
レオン・ハスラム(12位)
「予選では、予選タイヤがある程度役に立ちましたが、小さな問題がありました。また小さなミスをしてしまいました。でも全体的なラップタイムはかなりよく、4番手とはわずか0.4秒差だったと思います。残念ながらレースは難しい戦いになりました。スタートからセットアップの小さな問題、そしてリアグリップに苦戦しました。前に進んでいるというより後ろに下がっているように感じました。ラップタイムはそれほど悪くありませんでしたが厳しいレースでした。明日に向けて少しセットアップを変えなければなりません。なにができるか考えたいです」
高橋巧(19位)
「今日はいいスタートを切ることができませんでした。特にこのサーキットでは序盤から速いペースをキープすることがとても重要です。レース前半は、路面コンディションに合わせて変更したセットアップに慣れなければなりませんでした。周回するごとにいいフィーリングとスピードをつかむことができました。明日のレースの目標は全体的にもっと速くなり、特に最初の10周はもっと速く走行したいです」
ロレンツォ・ガベリーニ(20位)
「このサーキットは厳しいレースになると思っていましたが、その通りでした。本当に難しかったです。このサーキットを50周ほど走って約4秒タイムを縮められたことはポジティブでした。マシンとセットアップに慣れ、コースを理解し、どうしたら速くなれるのかを理解しなければなりません。もちろん強くなりたいですし、いい結果を残したいです。しかし、それには時間がかかるということも分かっています。だから集中力を維持して、ベストを尽くし、できる限り経験を積みたいと思います。そうすれば結果がついてくると思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 20 | 34'24.940 |
2 | 54 | T.ラツカトリィオグル | ヤマハ | 20 | +5.142 |
3 | 60 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 20 | +7.029 |
4 | 22 | A.ローズ | カワサキ | 20 | +9.851 |
5 | 21 | M.リナルディ | ドゥカティ | 20 | +10.705 |
6 | 76 | L. バズ | ヤマハ | 20 | +12.226 |
9 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 20 | +14.233 |
12 | 91 | レオン・ハスラム | Honda | 20 | +22.581 |
19 | 13 | 高橋巧 | Honda | 20 | +55.891 |
20 | 63 | ロレンツォ・ガベリーニ | Honda | 20 | +1'16.109 |