2020年シーズンの幕開けを告げるスーパーバイク世界選手権(WSB)第1戦オーストラリア大会の予選と決勝レース1が、2月29日、メルボルン近郊のフィリップアイランドで行われ、Team HRCのレオン・ハスラムが5位、アルバロ・バウティスタが6位でチェッカーを受けました。
HRCは、スーパーバイク世界選手権では、18年ぶりにワークスチームを復活させました。タイトル獲得に挑むTeam HRCにとって開幕戦オーストラリア大会は、デビューシーズンを占う重要なレースとなりますが、決勝レース1では、予選5番手から好スタートを切ったハスラムが、5台から6台に膨れあがったトップグループに加わり、表彰台獲得にあと一歩の5位、スーパーポール(予選)で転倒を喫し、15番手という厳しいグリッドから決勝に挑んだバウティスタも、着実にペースとポジションを上げて、トップグループに迫る走りをみせ、6位でチェッカーを受けました。
Team HRCは、開幕戦オーストラリア大会に向けて、2月21日にHonda ウエルカムプラザ青山で今季シリーズ戦に挑む「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」のカラーリングを公開。2月24日、25日にオーストラリア大会の舞台となるフィリップアイランドの公式テストに挑みました。
フィリップアイランドは、今年30回目の大会を迎えます。2日間の事前テストは、雨が降るなど天候に恵まれませんでしたが、Team HRCは、ニューモデル「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」のセットアップを進め開幕戦の準備を進めました。
2日間のテストを5番手で終えたハスラムは、「たくさんの仕事をこなせた。現状、いまの自分のポジションを推測するのは難しいが、いいレースができそう」。バウティスタは「コンディションはあまりよくなかったが、たくさんのデータを収集できた。本番に向けてまた一歩前進できるはず」と両選手ともに手応えをアピールしていました。
28日に開幕した本番のフリー走行、そして、29日のフリー走行と予選でハスラムは、CBR1000RR-R FIREBLADE SPのパフォーマンスを着実に引き出すことに成功し、決勝でも優勝争いに加わると、トプラック・ラツカトリィオグル(ヤマハ)、サム・ローズ(カワサキ)、スコット・レディング(ドゥカティ)、マイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ)と接戦を繰り広げて5位でフィニッシュ。厳しい優勝争いに加わってHondaファンを喜ばせました。
また、予選の転倒で左腕を打撲したバウティスは、5列目からスタートするという厳しい走りを強いられましたが、すばらしい追い上げを見せ、大集団のセカンドグループを抜け出すと6位でフィニッシュ。ハスラムとともに「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」の初表彰台獲得、初優勝に向けて大きく前進しました。
また、サテライトチームの「MIE Racing Althea Honda Team」の高橋巧は、今季、初めてスーパーバイク世界選手権にフル参戦を果たします。これまで代役として出場した経験はありますがフィリップアイランドを走るのは初めて。事前テストでは不安定な天候にも苦しめられましたが、テスト、そして本番と着実にタイムを短縮、予選では1分33秒879をマークして18番手。決勝では今季初ポイント獲得を目指しましたが、トラブルのため14周目を終えてピットへ戻りリタイアとなりました。
スーパーバイク世界選手権は、昨年から1大会3レース方式となっており、日曜日には10周で行われる「スーパーポール・レース」と決勝レース2が行われます。
レオン・ハスラム(レース1/5位)
「正直、今日は勝てるペースがあると感じていましたが、1周目からリアグリップのレベルが気がかりでした。実際、残り5周くらいまではトップグループで走行することができましたが、そのあとグリップが落ちて、ついて行くことができませんでした。マシンのハンドリングにはとても満足しています。高速コーナーでもっとスムーズに走行できるようにしなければなりませんが全体的にはよかったと思います。明日に向けて、どう取り組めがいいのか、ということがわかりました。ペースに関してはとても満足しています」
アルバロ・バウティスタ(レース1/6位)
「午前中の予選で転倒したのは、グリップがかなり落ちていたためでした。そのため、かなり後方グリッドからのスタートとなり、難しいレースになりました。混戦の中で前のライダーたちをパスしていくのは簡単ではありませんでしたが、ストレートでパスをすることもできました。そのあとリズムに乗り、プラクティスのペースを維持することができました。しかし、レース後半は午前中の転倒で痛めた左腕が少し痛み始めました。重要なことはデータをさらにたくさん集めることができたことです。明日のレースに役立てることができます。全体的にはポジティブな日でした」
高橋巧(レース1/リタイア)
「今日はベストを尽くしました。レースを完走できずとても残念ですが、また一歩前進できたと感じています。フリープラクティスとスーパーポール、そしてレース1は、コースとマシンのフィーリングを学ぶためにいい経験になりました。マシンのセットアップと、いいベースを見つけられるように一生懸命がんばっています。いまは電気系のセットアップに多くの時間を割いています。すべての知識を明日と今後に役立てられるようにがんばります」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
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1 | 54 | T.ラツカトリィオグル | ヤマハ | 22 | 33'48.344 |
2 | 22 | A.ローズ | カワサキ | 22 | +0.007 |
3 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | 22 | +0.041 |
4 | 60 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 22 | +0.137 |
5 | 91 | レオン・ハスラム | Honda | 22 | +3.910 |
6 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 22 | +4.426 |
RT | 13 | 高橋巧 | Honda | 14 | +8Laps |