Round01オーストラリア
2020年3月1日(日)・決勝 レース2
フィリップアイランド・サーキット
天候:晴れ
気温:SPレース(25℃)、レース2(31℃)
コースコンディション:ドライ
観客:2万7391人(3日間:5万4437人)
開幕戦オーストラリア大会は、3月1日、青空が広がる絶好のコンディションの中で、「スーパーポール(SP)レース」と「レース2」が行われ、レース1で6位のアルバロ・バウティスタ(Team HRC)が、レース2でも6位でフィニッシュ。2日連続でシングルフィニッシュを果たしました。
正午にスタートが切られたSPレースでは、14番グリッドから好スタートを切ってオープニングラップ9番手に浮上しました。2周目に入ってさらにポジションを上げようとペースを上げましたが、6コーナーで痛恨の転倒を喫しました。
SPレースは、昨年から新たに始まったレースで、10周で行われるスプリントレースです。そのため序盤のポジション争いが激しく、バウティスタはバックストレートから右、そして左と切り返す高速コーナーでフロントから転倒しました。バウティスタはマシンを起こし、再スタートを切ってピットへ。マシンの修復を終えると、再びコースに戻り、3周遅れながらも16位でチェッカーを受け、ファンから大きな拍手が送られました。
その雪辱に挑んだレース2は、午後3時にスタートが切られ、レース1同様、22ラップで行われました。このレースも、14番グリッドから好スタートを切って2周目に10番手に浮上すると、大混戦となったトップ集団に加わります。レース1以上にし烈な戦い、そして目まぐるしくポジションを入れ替える中で、5周目に7番手、9周目に6番手までポジションを上げました。その後、トップ集団はレース終盤にかけて、6台、そして4台と絞られていく厳しい戦いとなり、バウティスタは僅差でトップ集団を追うセカンドグループの中で6位でチェッカーを受けました。
チームメートのレオン・ハスラム(Team HRC)は、レース1同様、5番グリッドからSPレースに挑みました。ハスラムは好スタートを切るも、オープニングラップの1コーナーでオーバーランを喫し、14番手までポジションを落とします。その後、猛列に追い上げて8位でフィニッシュしました。SPレースは上位9位までの選手にポイントが与えられます。このレースでハスラムは2ポイントを獲得しました。
レース2は、SPレースでポイントを獲得した上位9位までの選手が3列目までに並びます。ハスラムは、レース1、SPレースの2列目5番手から、3列目8番グリッドへとグリッドが変わりましたが、好スタートを切ってトップ集団に加わりました。しかし、2周目の10コーナー、ダウンヒルからの左ヘアピンでシフトミスを犯し、ミケーレ・リナルディ(ドゥカティ)と接触して転倒。ほぼ最後尾となる15番手でコース上に復帰すると、大きな遅れを取り戻し、12位でチェッカーを受けました。前日のレース1では表彰台争いに加わり5位。その再現とはなりませんでしたが、次戦カタール大会の戦いに向けて、多くのデータ収集に成功しました。
スーパーバイク世界選手権に18年ぶりにワークスチームとして復帰を果たした「Team HRC」は、バウティスタが20ポイントを獲得して総合6位、ハスラムは17点を獲得して総合9位。ニューモデル「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」の初表彰台、初優勝は次戦カタール大会へと持ち越しましたが、両選手ともに、今年の活躍を大いに期待させるものでした。
また、サテライトチームの「MIE Racing Althea Honda Team」の高橋巧は、SPレースでは15位完走を果たしましたが、レース2では5周を終えてトラブルのためピットに戻り、リタイアとなりました。2週間後の次戦カタール大会では、ポイント獲得に挑みます。
アルバロ・バウティスタ(SPレース/16位、レース2/6位)
「昨日より難しいレースになりました。午前中のSPレースで転倒したことで、レース2のグリッドが後方になってしまったからです。SPレースではトップ5争いができると思っていたので残念です。昨日からマシンを少し調整してとてもよくなりました。しかしがんばりすぎてフロントから転倒してしまいました。レース2は路面コンディションがとてもトリッキーで、グリップがなく、コーナーでスピードをのせることができませんでした。今取り組んでいることの一つは加速をよくすることですが、レース2は正直かなり厳しい状況でした。それでも全体的には、速いライダーたちとそれほど離れていません。今週末は前進できました。多くのデータを収集することができたので、ポジティブだったと思います。僕のようにほかのマシンに慣れているライダーにとって、新しいマシンに乗り換えてすぐに勝つというのは簡単ではありません。みんなとても協力的で、僕をサポートしてくれています。僕のリクエストに応えようとがんばってくれています。それだけではありません。僕たちにはマシンの改善という点で、まだまだ多くのマージンがあります」
レオン・ハスラム(SPレース/8位、レース2/12位)
「自分のミスでギアをニュートラルに入れてしまい、レース2では転倒してしまいました。表彰台に上がれるペースがあると思っていたので少し残念です。でもこのサーキットでは、タイヤをセーブすること、エンジンをうまくコントロールするなど、すべてをうまくまとめることが勝敗のカギを握ることをみんな知っています。そういう状況の中で、ニューマシンで戦う我々にとっては、比較する過去のデータがないことが、今回のレースでは大きなハンディキャップになっていました。レース1は残り4周までいい走りができていたので、今週末はポジティブなこともありました。しかし、今日は少し難しいレースになりました。スピードにはかなり満足していますが、もう少しうまくコントロールする必要があります。まだ基本的なことや戦略をテストしているところです。こうした作業は次のカタールラウンドまで続くと思います」
高橋巧(SPレース/15位、レース2/リタイア)
「このサーキットは簡単に攻略できるレイアウトではありませんが、SPレースからレース2にかけて、マシンのフィーリングがよくなったと思います。今週末は、さまざまな問題がありましたが、まだ経験が浅く、このプロジェクトが新しいということを考えれば、決して悪くはない結果だと思います。全体的には前進することができました。引き続きチーム一丸となって経験を積んでいきたいと思います。ここまで学んだことを次のカタールラウンドに活かしたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 10 | 15'18.421 |
2 | 54 | T.ラツカトリィオグル | ヤマハ | 10 | +0.067 |
3 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | 10 | +0.072 |
4 | 22 | A.ローズ | カワサキ | 10 | +0.205 |
5 | 60 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 10 | +1.088 |
6 | 66 | T.サイクス | BMW | 10 | +1.631 |
8 | 91 | レオン・ハスラム | Honda | 10 | +7.145 |
15 | 13 | 高橋巧 | Honda | 10 | +36.341 |
16 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 7 | +3Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 22 | A.ローズ | カワサキ | 22 | 34'04.327 |
2 | 1 | J.レイ | カワサキ | 22 | +0.037 |
3 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | 22 | +0.849 |
4 | 60 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 22 | +1.784 |
5 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 22 | +4.278 |
6 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 22 | +4.322 |
12 | 91 | レオン・ハスラム | Honda | 22 | +33.779 |
RT | 13 | 高橋巧 | Honda | 5 | +17Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.ローズ | カワサキ | 51 |
2 | S.レディング | ドゥカティ | 39 |
3 | T.ラツカトリィオグル | ヤマハ | 34 |
4 | J.レイ | カワサキ | 32 |
5 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 31 |
6 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 20 |
9 | レオン・ハスラム | Honda | 17 |
順位 | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 57 |
2 | ヤマハ | 47 |
3 | ドゥカティ | 39 |
4 | Honda | 23 |
5 | BMW | 17 |