34台が出場したスーパースポーツ世界選手権は、2戦連続今季4回目のフロントローとなる、2番グリッドを獲得したジュール・クルーゼル(CIA Landlord Insurance Honda)が2位になり、2戦連続今季3回目の表彰台を獲得しました。
今大会のクルーゼルは、初日4番手、土曜日に予選2番手と、順調にセットアップを進めました。予選を終えたクルーゼルは「クリアラップが取れず、最終セクションですごくタイムをロスしました。今回は2番手でしたが、ポールポジションを獲得できたと思っています。ベースもいいし、優勝争いに加わる自信はあります。ランキング上位につける選手は、みんな考えていることは同じだと思うし、自分もノーポイントになるようなリスクは冒さないようにしたいです」と、タイトル獲得に向けて、ライバルたちとの直接対決を楽しみにしていました。
そして迎えた決勝では、総合首位のルーカス・マヒアス(ヤマハ)、総合2位のケナン・ソフォーグル(カワサキ)、フェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)らが好スタートを切り、クルーゼルもこの3人を追いました。そんな中で、総合首位のマヒアスが滑りやすい路面に足をすくわれて転倒。レース中盤には前を走るカリカスロをかわして2番手に浮上。トップグループはソフォーグルとクルーゼルに絞られました。クルーゼルは、後半に入って3ラップでトップを走り、今季初優勝に期待が膨らみましたが、終盤、スパートをかけたソフォーグルに先行を許し、2位でフィニッシュしました。
ポイントリーダーであるマヒアスのリタイヤで、チャンピオンシップは一気に接近しました。ランキング1位のマヒアスと、総合4位のクルーゼルとの差は30点。今大会で優勝した総合2位のソフォーグルとは25点差。念願のタイトル獲得に燃えるクルーゼルにとっては、後半戦の逆転に向けて価値ある2位表彰台となりました。
以下、CBR600RR勢は、カイル・スミス(GEMAR Team Lorini)が5位、ハンネス・ゾーマー(WILSport Racedays)が9位、予選で転倒を喫し、33番グリッドから追い上げた大久保光(CIA Landlord Insurance Honda)が15位で、それぞれポイントを獲得。國川浩道(CIA Landlord Insurance Honda)は21位でした。
ジュール・クルーゼル(スーパースポーツ 2位)
「2位でフィニッシュできてとてもうれしいです。優勝するためには、レースの組み立てをさらに考える必要がありますが、大きなミスもなく2位でフィニッシュできたのでとてもハッピーです。今週は、フロントのフィーリングが完全ではなく、転倒者が多いレースでした。決勝では総合首位で前を走っていた(ルーカス)マヒアスが転倒。そのときに、ポイントを縮めるためにも完走しなければならないと思いました。その後、(フェデリコ)カリカスロは抜いて、トップのケナン(ソフォーグル)を追いました。1分39秒台のラップタイムで一気にケナンに追いつきましたが、終盤、彼も猛列にプッシュ。追いかけたのですが、転倒寸前の滑りを経験したので、そこからは2番手をキープすることにしました。難しいレースでしたが、2位になれてうれしいです」
大久保光(スーパースポーツ 15位)
「初日のフリー走行で11番手に終わり、SP2へダイレクトに進めなかったのが失敗でした。そのためSP1でプッシュしなければならず、このセッションで転倒してしまい、33番手という最悪のグリッドから決勝に挑むことになりました。スタートは決まったのですが、2コーナーで押し出されてしまって最後尾へ。そこからの追い上げになりましたが、転倒者が多く、なんとか15位でポイントを獲得できました。今回はフリー走行から安定したラップを刻めたし、いいレースができると思っていただけに、予選の失敗が残念です。来週は久しぶりに全日本ロードに代役出場するので、世界で経験したことを見てもらえるようにがんばりたいです」
國川浩道(スーパースポーツ 21位)
「今回はフロントのフィーリングがよくなく、金曜日のフリー走行で2回の転倒を喫しました。土曜日のフリーと予選でも、セッティングがいい方向に行かず、30番グリッドからのレースになりました。しかし、決勝はセッティングがよくなり、レースウイークではベストタイムをマーク。1分41秒台で周回できました。予選グリッドがよければ、もっと前のグループでレースができたと思います。後半戦はここまでの経験をしっかり活かしたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 19 | 31'35.425 |
2 | 16 | ジュール・クルーゼル | ![]() | 19 | +2.076 |
3 | 64 | F.カリカスロ | ヤマハ | 19 | +5.600 |
4 | 99 | P.ジェイコブセン | MVアグスタ | 19 | +6.696 |
5 | 111 | カイル・スミス | ![]() | 19 | +12.868 |
6 | 4 | G.レイ | カワサキ | 19 | +13.658 |
9 | 38 | ハンネス・ゾーマー | ![]() | 19 | +22.985 |
15 | 78 | 大久保光 | ![]() | 19 | +37.018 |
21 | 92 | 國川浩道 | ![]() | 19 | +1'04.962 |
22 | 82 | ロレンツォ・チピチアニ | ![]() | 19 | +1'20.040 |
RT | 48 | ジュゼッペ・スカーセラ | ![]() | 8 | +11Laps |
RT | 70 | ロビン・モルハウサー | ![]() | 5 | +14Laps |
RT | 11 | クリスチャン・ガマリノ | ![]() | 2 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 144 | L.マヒアス | ヤマハ | 105 |
2 | 1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 100 |
3 | 32 | S.モライス | ヤマハ | 76 |
4 | 16 | ジュール・クルーゼル | ![]() | 75 |
5 | 99 | P.ジェイコブセン | MVアグスタ | 68 |
6 | 64 | F.カリカスロ | ヤマハ | 51 |
10 | 111 | カイル・スミス | ![]() | 35 |
12 | 78 | 大久保光 | ![]() | 30 |
14 | 11 | クリスチャン・ガマリノ | ![]() | 25 |
18 | 38 | ハンネス・ゾーマー | ![]() | 20 |
19 | 41 | アイデン・ワグナー | ![]() | 17 |
30 | 70 | ロビン・モルハウサー | ![]() | 6 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ヤマハ | 146 |
2 | カワサキ | 137 |
3 | ![]() | 95 |
4 | MVアグスタ | 90 |
5 | トライアンフ | 31 |