2012年7月21日(土)・フリー走行、予選 会場:ブルノ・サーキット 天候:曇り時々雨 気温:24℃
コースコンディション:ドライ、一時ウエット
第9戦チェコ大会が、ブルノ・サーキットで開幕し、7月20〜21日の2日間、フリー走行と予選が行われました。ブルノでは、2005年に初めてスーパーバイク世界選手権(WSB)が開催され、今年で8回目の開催となります。モーターランド・アラゴンで開催された前戦スペイン大会は、厳しい暑さの中で行われ、同サーキットを初めて走るジョナサン・レイ(Honda World Superbike Team)は、予選は6番手とまずまずのグリッドを獲得しましたが、第1レースは他車と接触して転倒、再スタートを切って16位と悔しいレース。第2レースは厳しい5位争いの集団を制しますが、表彰台には立てない悔しい大会となりました。しかし、初めてのサーキットで貴重なデータを収集することに成功。同大会を終えた後、交際していたターシャさんと結婚式を挙げて、気持ちも新たに後半戦に挑むことになりました。
レイにとってブルノは、スーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦した08年に初優勝を達成した、思い出深いサーキットです。WSBにスイッチした09年には、3位/4位。10年には優勝/2位と好成績を残してきました。昨年はケガのために欠場しましたが、今年は2年ぶり、3回目のブルノ制覇に闘志を燃やします。
初日のフリー走行は、バックストレートの3コーナーでブレーキングミスをして、痛恨の転倒。その影響で午後の予選も思うようにタイムを上げられず、1回目の予選は15番手。セッション終盤に雨が降ったこともあって、不完全燃焼の一日となりました。そして2日目の予選も、思うようにペースが上げられず総合14番手でしたが、予選の後に行われたフリー走行では、やっとセッティングがいい方向に決まって、5番手タイムをマーク。スーパーポールでは、SP1で12番手。SP2ではセッション開始早々にコース上にオイルが出て、1時間の中断。その後、小雨がぱらついていたことから、ウエットスーパーポールとなり、レイは6番グリッドから決勝に挑むことになりました。
チームメートの青山博一は、1回目のフリー走行で15番手。午後の予選では不安定な天候に翻ろうされて、17番手へとポジションを落としました。そして、2日目午前中の2回目の予選では、トップタイムをマークしたトム・サイクス(カワサキ)から1秒差以内に16台の大接戦となり、青山はトップから1.250秒差の18番手で、今大会もスーパーポール進出を果たせませんでした。
しかし青山は、前戦スペイン大会の事後テストでセットアップが一歩前進して、タイムを大幅に上げることに成功しました。さらに、スペイン大会の後に参加した鈴鹿8時間耐久ロードレースのテストでも低迷脱出のきっかけをつかみました。今大会の予選は18番手でしたが、決勝では追い上げのレースが期待されます。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、現時点で総合3位につけるジュール・クルゼール(PTR Honda)が2番手。初日トップタイムをマークして今大会好調なブロック・パークス(Ten Kate Racing Products)が3番手で、2台のCBR600RRがフロントローから決勝に挑みます。以下、サム・ロース(Bogdanka PTR Honda)が5番手、ローナン・クォーンビー(PTR Honda)が7番手から決勝に挑みます。今大会は、ポールポジションからトップ10までが1秒差以内という接戦。前戦スペイン大会で転倒リタイアに終わっているクルゼールは、その雪辱に闘志を燃やします。同大会で今季2勝目を挙げたロースも、2連勝と通算3勝目を狙っています。パークス、クォーンビーも好調なだけに、今大会はCBR600RRの活躍に注目されます。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 6番手) 「昨日の転倒のことがあったので、今日は6番手になれて、とてもうれしいです。最後のスーパーポールのセッションは、Qタイヤを使ってしまっていたので、レースタイヤしか残っていませんでした。少し心配でしたけれど、いいラップをマークすることができました。昨日のことを思えば、今日の予選順位には満足していますが、マシンには完全に満足しているわけではありません。まだ、今晩に調整しなければいけないことがありますし、明日のウオームアップでそれを試したいです。しかし何とか2列目を獲得しましたし、レースペースは悪くないです。レース序盤のペースをよくしなければならない課題はあります。今回も、それに取り組みたいです」
青山博一(スーパーバイク 18番手) 「昨日からは前進することができたので、よかったです。午後のフリー走行では、新しいスイングアームを使って、午前中の予選からも前進することができました。今日は、コーナー出口のグリップがよくありませんでした。明日に向けて調整したいです。昨日は、フロントのフィーリングに苦戦しました。今日もそれは変わりませんでしたが、リアがよくなったので、ラップタイムもよくなりました。ウオームアップでは別のセッティングを試したいです。フロントのフィーリングもよくして、明日のレースではもっとプッシュしたいと考えています」
ジュール・クルゼール(スーパースポーツ 2番手) 「昨日の状態からは改善することができました。これが一番大事なことだから、うれしいですね。今年はだれもポールポジションからの優勝は果たしていませんし、ジンクスがあるわけではないですが、2番手でよかったです。自分のマシンのフィーリングはいいです。午前中はたくさん周回しましたし、決勝に向けて有意義なセッションとなりました。明日は表彰台を狙いたいです。ベストを尽くします」
ブロック・パークス(スーパースポーツ 4番手) 「ソフトタイヤでいいペースがありました。にもかかわらず4番手だったので、ややフラストレーションがたまりました。少し雨が降っていたので、コースに出て路面をチェックした後、ピットに戻り、新品のタイヤに換えてアタックしました。なにも変えなかったのですが、ひどいチャターが出て、ラップをまとめることができませんでした。でもなんとかフロントローを獲得できてよかったです。かなりいいレースペースがあります。今日はそのセットアップに取り組みました。そしてレースタイヤも見つけることができましたので、明日のレースはうまくいくでしょう」
サム・ロース(スーパースポーツ 5番手) 「セッション中に少し雨が降ったので、やや慎重になりました。それで5番手になることができたのだから、とてもうれしいですね。レースに向けて自信はあります。セッション終盤でチャターが少しありましたけれど、レースディスタンスタイヤでは問題はないでしょう。いい感じです」
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | T.サイクス | カワサキ | 1:58.010 |
2 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:58.470 |
3 | E.ラバティ | アプリリア | 1:58.741 |
4 | D.ジュリアーノ | ドゥカティ | 1:58.789 |
5 | M.メランドリ | BMW | 1:58.885 |
6 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:59.560 |
18 | 青山博一 | Honda | 2:00.693 |
23 | ヴィクトル・キスパタキ | Honda | 2:04.259 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 2:03.217 |
2 | ジュール・クルーゼル | Honda | +0.002 |
3 | F.フォーレ | カワサキ | +0.080 |
4 | ブロック・パークス | Honda | +0.162 |
5 | サム・ロース | Honda | +0.264 |
6 | V.イアンヌッツォ | トライアンフ | +0.788 |
7 | ローナン・クォーンビー | Honda | +0.797 |
11 | ガボール・タルマクシ | Honda | +1.007 |
12 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | +1.215 |
16 | ロバート・タンブリーニ | Honda | +1.448 |
19 | マシュー・ショルツ | Honda | +1.770 |
20 | パウェル・スコペック | Honda | +1.899 |
21 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1.965 |
24 | イムレ・トース | Honda | +2.184 |
27 | バラージュ・ネメス | Honda | +2.508 |
30 | マッシモ・ロッコリ | Honda | +2.882 |
31 | マーティン・ジェソップ | Honda | +3.710 |