2012年6月8日(金)、9日(土)・フリー走行/予選 会場:ミサノ・サーキット 天候:8日/晴れ、9日/晴れ、一時雨
コースコンディション:8日/ドライ、9日/ドライ、一時ウエット 気温:8日、9日とも29℃
第7戦サンマリノ大会が6月8日(金)、イタリアのミサノ・サーキットで開幕しました。1998年以降、6月開催が定着したサンマリノ大会。天候がよければ30℃を超える猛暑になります。そのため、ライダーにもマシンにも厳しいレースとなりますが、今大会の金・土曜日の両日は最高気温が29℃と、まずまずの好条件となりました。そのため、初日からレベルの高いセッションとなり、ジョナサン・レイ(Honda World Superbike Team)が好調な走りで2番手と、今季2度目のフロントロー獲得となりました。
レイは、初日のフリー走行では6番手でした。しかし、09年にサンマリノ大会でスーパーバイク初優勝を達成し、ミサノを得意とするレイは午後の予選で、暫定ポールポジションのカルロス・チェカ(ドゥカティ)から0.047秒の僅差で、2番手。1秒以内に16台という大接戦の中ですばらしい走りを見せました。2日目、午前中に行われた2回目の予選では、何度もトップタイムをマーク。セッション終盤にトム・サイクス(カワサキ)、チェカ、デイビッド・ジュリアーノ(ドゥカティ)に先行されて4番手でしたが、トップから1秒差以内に17台という今季最高の接戦の中で、順調にマシンを仕上げました。
予選4番手と、まずまずのポジションでスーパーポールに進出したレイ。セッション開始直前に通り雨が来て、路面はウエットコンディションになります。そのため今大会のスーパーポールは、「ウエット・スーパーポール」となりますが、セッション開始直後には青空が広がりドライコンディションになりました。16台が出場したSP1では、サイクスと激しく首位を争って、2番手で通過。8台が進出したSP2も、サイクスとポールポジションを争い、ファンを喜ばせました。PPを獲得できずも、決勝に向けて順調にマシンを仕上げることに成功したレイ。今季3勝目に向けて、絶好のグリッドから決勝に挑みます。
チームメートの青山博一は、今大会もセッティングに苦しんで初日19番手。2日目の予選でも思うようにタイムを伸ばせず20番手へとポジションを落とし、今大会もスーパーポール進出を果たせませんでした。今大会はリアのトラクション不足がやや改善されるも、旋回性に苦しんでいます。そのため2日目にかけてセッティングを大きく変更しましたが、タイムを更新することができませんでした。しかし、予選の後に行われたフリー走行では、14番手へとポジションをあげることに成功。決勝では、追い上げのレースに期待されます。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、サム・ロース(Bogdanka PTR Honda)がPPを獲得。ジュール・クルゼール(PTR Honda)が2番手。ブロック・パークス(Ten Kate Racing Products)が4番手と、Honda CBR600RR勢が上位に名前を連ねました。
昨年のサンマリノ大会で初PPを獲得、決勝で表彰台に立っているロースは、「ミサノは大好きなサーキット」と語り、初日、2日目と好走して、今季4度目のPPを獲得しました。前戦、ドニントンパークで開催されたヨーロッパ大会で、キャリア初優勝を達成しているロースは、今大会での2連勝に闘志を燃やしています。予選2番手のクルゼールも、今季5度目のフロントロー獲得から、今季2勝目と今季3度目の表彰台を狙います。開幕戦オーストラリア大会で3位になって以来、表彰台から遠ざかっているパークスも、今大会は上り調子で、5戦ぶり2度目の表彰台を狙います。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 2番手) 「前戦アメリカ大会の時とよく似た状況で、予選のアタックでは、コース後半セクションでチャタリングに苦しみました。レース用タイヤは、それほどひどくないのでよかったけれど、決勝に向けて、セットアップを完ぺきにしたいです。今日はフロントローに並べてよかったです。スタートして、1コーナーで前がクリアなのはうれしいですね。それにしても、今日のサイクスのラップは信じられませんでした。予選で彼の走りは並はずれています。彼はいいレーサーなので、明日は彼とのバトルを楽しみにしています。レースタイヤの感触は、全体的によかったです。昨年は、ここの11コーナーでケガをして、しばらくレースを休まなければなりませんでした。あのケガで、僕のシーズンは終わってしまうところでしたし、だからここに戻ってきて、こうしてフロントローを獲得できたことがうれしいです。初日から2日目にかけて、チームががんばってくれたおかげで、セットアップは順調に進みました。チームのみんなに感謝したいです」
青山博一(スーパーバイク 20番手) 「昨日の状態からセットアップを変えたのですが、それがうまくいきませんでした。短いスイングアームを使って、リアのトラクション不足は少し解消できたのですが、今度は旋回性が悪くなってしまいました。それを解消しようとしたセッティングが、失敗に終わってしまいました。昨日までよかった部分も、ダメな方向にいってしまったので、もう一度セットアップを考えなくてはいけません。厳しいグリッドからのスタートになりましたが、全力で追い上げたいです」
サム・ロース(スーパースポーツ ポールポジション) 「一日中、安定したラップを刻めましたし、いい状態に仕上げることができました。今日の予選は、とても渋滞していました。それがなければ、もっとタイムはよかったかもしれません。明日のレースは接戦になると思います。でも、準備はできています。今日は、いくつか取り組みたいことがあり、それがうまくいって、前進することができました。僕のマシンは、とてもうまくまとまっています。昨日も今日も、いいラップを刻めました。前回のドニントンで初優勝を達成しています。明日は、優勝争いのチャンスがあると思うので、すごく楽しみにしています」
ジュール・クルゼール(スーパースポーツ 2番手) 「サムの獲得したポールポジションにとても近いので、明日の決勝に向けて自信になりました。最後のアタックは、もっとタイムを出せたと思っていますが、クリアラップを取れませんでした。しかし、これはみんな同じ条件なので、仕方がありません。明日の決勝は、なるべくたくさんポイントを獲得して、表彰台に上がることが目標です。レースはとても難しく、厳しいと思っています。とても長く暑いレースになるでしょう。タイヤ選択が非常に重要になってきます。この気温ではフロントの消耗が激しいので、最後まで集中したいと考えています。ベストを尽くしたいです」
ブロック・パークス(スーパースポーツ 4番手) 「フロントローに並べてうれしいです。もう少し、速く走れたかもしれません。レースペースも、かなりよさそうです。今日は一日を通じて、かなりがんばりました。一周のタイムよりも、レース全体のためにマシンをセットアップしてきたので、明日のレースは自信があります。タイヤもかなりよさそうです。明日はどんなに暑くても、いい形でレースを終えることができると思っています。Hondaは、どんなコンディションでもパフォーマンスが落ちませんからね。明日は表彰台に立ちたいです」
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | T.サイクス | カワサキ | 1:35.375 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:35.991 |
3 | A.バドビーニ | BMW | 1:36.083 |
4 | D.ジュリアーノ | ドゥカティ | 1:36.147 |
5 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:36.183 |
6 | L.ハスラム | BMW | 1:36.283 |
20 | 青山博一 | Honda | 1:37.250 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | サム・ロース | Honda | 1:38.987 |
2 | ジュール・クルーゼル | Honda | +0.012 |
3 | K.ソフォーグル | カワサキ | +0.123 |
4 | ブロック・パークス | Honda | +0.200 |
5 | M.ロッコリ | ヤマハ | +0.315 |
6 | F.フォーレ | カワサキ | +0.581 |
7 | ローナン・クォーンビー | Honda | +0.586 |
10 | ロバート・タンブリーニ | Honda | +0.653 |
14 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1.260 |
16 | マシュー・ショルツ | Honda | +1.427 |
17 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | +1.537 |
18 | イムレ・トース | Honda | +1.887 |
21 | ガボール・タルマクシ | Honda | +2.156 |
24 | バラージュ・ネメス | Honda | +2.553 |
26 | アレッサンドロ・トルコラッチ | Honda | +2.956 |
27 | マーティン・ジェソップ | Honda | +3.094 |
28 | マレク・ツコペック | Honda | +3.319 |
30 | ロベルト・アナスタシア | Honda | +4.330 |