2012年5月6日(日)・決勝 会場:モンツァ・サーキット 天候:雨のち曇り 気温:20℃
コースコンディション:ウエットのちドライ
第4戦イタリア大会は、終日、不安定な天候の中で行われました。第1レースは、2周を終えた時点で雨が降り始めて、赤旗中断。その後、再スタートに向けて全選手がグリッドにつきますが、まだ濡れている部分があるため、オーガナイザーと選手たちが協議し、安全のため第1レースをキャンセルすることになりました。
モンツァは平均時速が200km/hを超えるハイスピードコース。メインストレートでは330km/hを超えるため、ハイドロプレーニングやタイヤトラブルを懸念する声が挙がり、ライダーの安全を優先してキャンセルが決まりました。そして、第2レースは、雨も上がり、ドライ宣言が出されて全ライダーがグリッドにつきました。しかし、最終コーナーなど、まだ一部分が濡れていたため、スタート時間を遅らせる処置が取られました。
こうして、第2レースはスタート時間を遅らせたために、当初18周のレースを17周へ、さらに16周に短縮しましたが、スタートから8周を終えたところで再び雨が降り始めて、赤旗中断のあとレース終了となりました。この時点でトップを走っていたトム・サイクス(カワサキ)が優勝。2位にはレオン・ハスラム(BMW)。予選5番手から決勝に挑んだジョナサン・レイ(Honda World Superbike Team)は、ユージェーヌ・ラバティ(アプリリア)、マルコ・メランドリ(BMW)、マックス・ビアッジ(アプリリア)、カルロス・チェカ(ドゥカティ)らと、し烈な3位争いを繰り広げ、6位でチェッカーを受けました。3位にはラバティでした。今大会、惜しくも表彰台を逃しましたが、4戦を終えてレイは総合6位から5位へと1つポジションをあげました。
予選20番手から決勝に挑んだ青山博一(Honda World Superbike Team)は11位でチェッカーを受けました。今大会は、周回数が足りないため、ポイントは半分とする裁定となり、レイは5ポイント、青山博一は2.5ポイントを獲得しました。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)はウエットコンディションで決勝レースが行われ、35台が出場、完走26台。転倒再スタートする選手も多く、厳しいレースとなりました。ジュール・クルーゼル(PTR Honda)とサム・ロース(Bogdanka PTR Honda)のCBR600RR勢の優勝争いとなり、予選10番手から決勝に挑んだクルーゼルが初優勝を達成しました。序盤はロースがトップを走りましたが、シケインのブレーキングでミスをして、クルーゼルに先行を許します。それから最終ラップまで激しく首位争いを繰り広げました。
第2戦イタリア・イモラ、第3戦オランダと3戦連続でポールポジションを獲得したロースは、何度も首位に立ちますが、0.3秒差の2位。今大会も優勝を逃しました。しかし、総合ポイントでは、首位で今大会3位のケナン・ソフォーグル(カワサキ)との差を10点に縮めました。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 6位)「クレージーな週末でした。レースをスタートさせるのは、みんなが言うように大きな賭けでした。とにかく今日は、天気に左右されて大混乱でした。ウエットとドライが交互にあって、まるでアッセンのようでした。しかし、ここでの問題はストレートで時速が330km/h出ることです。ウエットコンディションで走るのはあまり安全ではないと思いますし、第1レースはキャンセルされることになりました。第2レースはドライ宣言が出されましたが、最終コーナーが完全に濡れていて、レースでも最初は十分に注意しなければなりませんでした。でも、そういう厳しいレースで6位になれてうれしいです。マシンはとてもよかったです。セットアップにはとても満足しています。アプリリアやBMWと十分に戦えなかったのは、ストレートでのスピードが足りなかったからです。とにかく、チームは一生懸命がんばってセットアップに取り組んでくれました。ドニントンへ向かうのがとても楽しみです」
青山博一(スーパーバイク 11位)「コンディションがとても変わりやすく、厳しいレースでした。第1レースは大雨で中断が決まりました。とてもいい決断だったと思います。第2レースもまた、かなり変なコンディションでした。スタートも遅れました。結局、スリックタイヤで走ることになりましたが、少しスタートでミスをしてしまいました。1コーナーでもミスをしてしまいました。でも、そこからレースに集中して、11番手まで追い上げることができましたし、内容はそんなに悪くなかったです。ポジティブなこともありました。マシンの感触をたくさん得られましたから。だから、来週末のドニントンを走るのを楽しみにしています」
ジュール・クルゼール(スーパースポーツ 優勝)「とてもうれしいです。本当にいいレースでしたが、とても長く感じました。今日はいいスタートができました。パークス(Ten Kate Racing Products)が転倒するのが見えたとき、サムの後ろにつき、レースを完走しようと思いました。そうすれば表彰台に立てると思いました。そうしたら、サムが真っ直ぐ行ってしまうのが見えました。先頭を走るのは、ミスをしやすいので、ついていくのより大変でした。それからはサインボードをチェックし、サムが少しずつ近づいてくるのがわかりました。残り2周ですぐ後ろにいることがわかり、最終コーナーのブレーキングでパスしてくるかもしれないと思いました。だから、少しブレーキングを遅くしました。彼はインに入ってきましたが、ラインをキープできないと思いました。まさか、優勝できるとは思ってもみなかったです。ドニントンは知っているサーキットなので、来週はドライになることを願っています。勝てるマシンを準備してくれたPTRに感謝したいです。本当にありがとう」
サム・ロース(スーパースポーツ 2位)「いいレースでした。楽しかったです。ミスをしましたが、それ以外は本当によかったです。Bogdanka PTR Hondaのマシンも、とてもよかったです。すばらしい気分でした。今大会は、ずっと速かったです。コンディションはとてもトリッキーでしたが、それは僕にとって全く問題ありませんでした。今日は2位でフィニッシュできましたし、ホーム大会のドニントンにいい気分で向かえます。ドニントンは大好きです。ドニントンではいいレースができると信じています。全力を尽くしたいです」
ブロック・パークス(スーパースポーツ リタイア)「本当にいろいろあった週末でした。レースでは転倒しましたし、あまりいい終わり方にはなりませんでした。ドライコンディションでは結構いいペースがありました。でも、完全にウエットではない中途半端な路面となり、とても滑りやすかったです。コーナーに入って気が付いたらすでに転倒していました。ここでポイントを獲得しなければならなかったので、チャンピオンシップを考えると悔しいです。ドニントンではポイントを取り戻したいです」
荒天のためレース1は中止となりました。レース2は8周のみの開催で、ポイントは通常の半分が加算されます
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | T.サイクス | カワサキ | 8 | 14:08.800 |
2 | L.ハスラム | BMW | 8 | +9.709 |
3 | E.ラバティ | アプリリア | 8 | +10.119 |
4 | M.メランドリ | BMW | 8 | +10.294 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 8 | +10.527 |
6 | ジョナサン・レイ | Honda | 8 | +10.638 |
11 | 青山博一 | Honda | 8 | +24.551 |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ジュール・クルーゼル | Honda | 16 | 33:08.897 |
2 | サム・ロース | Honda | 16 | +0.312 |
3 | K.ソフォーグル | カワサキ | 16 | +17.369 |
4 | イムレ・トース | Honda | 16 | +21.528 |
5 | S.クルチアーニ | カワサキ | 16 | +29.469 |
6 | A.バルドリーニ | トライアンフ | 16 | +32.214 |
8 | アンドレア・アントネッリ | Honda | 16 | +43.949 |
10 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | 16 | +47.826 |
14 | キーラン・クラーク | Honda | 16 | +1:05.160 |
15 | マーティン・ジェソップ | Honda | 16 | +1:05.208 |
16 | ロバート・タンブリーニ | Honda | 16 | +1:10.453 |
19 | ジョバンニ・アルトモンテ | Honda | 16 | +1:28.024 |
20 | ロベルト・アナスタシア | Honda | 16 | +1:28.403 |
23 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | 16 | +2:00.983 |
24 | トーマス・カイアーニ | Honda | 15 | +1Lap |
RT | ブロック・パークス | Honda | 13 | +3Laps |
RT | イラリオ・ディオニジ | Honda | 6 | +10Laps |
RT | マシュー・ショルツ | Honda | 5 | +11Laps |
RT | バラージュ・ネメス | Honda | 5 | +11Laps |
RT | ローナン・クォーンビー | Honda | 1 | +15Laps |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 97.5 |
2 | C.チェカ | ドゥカティ | 95.5 |
3 | T.サイクス | カワサキ | 91.5 |
4 | M.メランドリ | BMW | 72.5 |
5 | ジョナサン・レイ | Honda | 70 |
6 | L.ハスラム | BMW | 68 |
13 | 青山博一 | Honda | 24.5 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | ドゥカティ | 140.5 |
2 | アプリリア | 108 |
3 | カワサキ | 97.5 |
4 | BMW | 96 |
5 | Honda | 74 |
6 | スズキ | 20.5 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 61 |
2 | サム・ロース | Honda | 51 |
3 | F.フォーレ | カワサキ | 49 |
4 | ジュール・クルーゼル | Honda | 48 |
5 | A.バルドリーニ | トライアンフ | 34 |
6 | ブロック・パークス | Honda | 29 |
8 | ロレンソ・ランツィ | Honda | 25 |
9 | ローナン・クォーンビー | Honda | 25 |
11 | アンドレア・アントネッリ | Honda | 25 |
12 | ロバート・タンブリーニ | Honda | 20 |
15 | イムレ・トース | Honda | 13 |
19 | バラージュ・ネメス | Honda | 9 |
23 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | 6 |
25 | ルーカス・ペセック | Honda | 6 |
26 | トーマス・カイアーニ | Honda | 4 |
27 | パトリック・ジェイコブセン | Honda | 3 |
28 | キーラン・クラーク | Honda | 2 |
29 | マシュー・ショルツ | Honda | 2 |
30 | マーティン・ジェソップ | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 86 |
2 | Honda | 86 |
3 | ヤマハ | 40 |
4 | トライアンフ | 40 |
5 | スズキ | 6 |