2012年4月22日(日)・決勝 会場:アッセン・サーキット 天候:曇り/雨 気温:9℃(第1レース)、14℃(第2レース)
コースコンディション:ウエット/ドライ
第3戦オランダ・アッセン大会決勝は、断続的に雨が降る不安定な天候の中で行われ、第2レースでジョナサン・レイ(Honda World Superbike Team)が優勝、オランダ大会3年連続優勝を達成しました。第1レースは、ドライコンディションでスタートするも雨のために赤旗中断。第2ヒートは9周で行われることになり、トップグループで積極的な走りを見せたレイは、惜しくも転倒リタイアに終わりました。
その雪辱に闘志を燃やした第2レースは、ハーフウエットからドライへと変化する難しいコンディションとなり、オープニングラップ5番手につけたレイは、慎重な走りでペースを上げ、中盤、ユージェーヌ・ラバティ(アプリリア)、マルコ・メランドリ、レオン・ハスラムのBWM勢による4台による3位争いを抜け出すと、ラスト4周でヤコブ・シュムルツ(ドゥカティ)、ラスト3周でシルバン・ギュントーリ(ドゥカティ)をかわしトップに浮上、今季初優勝を達成しました。第1レースで転倒した際に右手薬指を負傷したレイですが、痛み止めの注射を打っての熱走でした。
今大会は、3日間を通じて雨の多い不安定な天候となりましたが、ドライでもウエットでも果敢な走りを見せたレイに、アッセンに集まったファンも大喜び。チームの本拠地での優勝にピットでは大歓声が上がりました。これでレイは3年連続でオランダ大会で優勝を果たし、総合ポイントでも、今大会総合首位に立ったマックス・ビアッジ(アプリリア)から27点差の6位に浮上。念願のタイトル獲得に向けて、これからのばん回に期待されます。
チームメートの青山博一は、予選21番手から決勝に挑み、第1レース12位、第2レース13位と、両レースでポイントを獲得しました。不安定な天候のため、最後までセットアップに苦しみました。ドライコンディションでスタートした第1レースは思うようにペースを上げられませんでしたが、赤旗中断後に再開されたウエットコンディションでは、転倒者が続出する中で完走を果たしました。路面状態が変わった第2レースも、着実にペースを上げて13位でフィニッシュしました。両レースともに、納得するにはほど遠い内容でしたが、次戦につながる走りとなりました。
今年はスペアマシンの使用が禁止になり、WSBのルーキーには厳しいシーズンになっています。加えて、初めてのサーキットや悪天候のために、3戦目を迎えても、まだベースのセッティングが決まっていない状態です。しかし、厳しいコンディションとなった今大会、両レースでポイントを獲得。次戦からの巻き返しに気合を入れていました。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、ウエットコンディションの中で行われ、30台が出場、完走16台という厳しいレースとなりました。その中で、今季初レースとなったロレンソ・ランツィ(PRORACE)が予選21番手からすばらしい追い上げを見せてスーパースポーツクラス初優勝を達成。以下、予選2番手のブロック・パークス(Ten Kate Racing Products)が4位、予選3番手から決勝に挑んだジュール・クルーゼル(PTR Honda)が6位、アンドレア・アントネッリ(Team Lorini)が7位、ロバート・タンブリーニ(Team Lorini)が9位と、トップ10に5台のCBR600RR勢が名前を連ねました。2戦連続PPから初優勝が期待されたサム・ロース(Bogdanka PTR Honda)は、トップを快走するも7周目に転倒、再スタートするもリタイアとなりました。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク リタイア/優勝)「第1レースは、自分たちの戦略にかなり自信がありました。雨が降ってきてレースが中断されるまで気持ちよく走ることができました。再スタートした時はフルウエットで、何人もの選手が転び、僕も転倒してしまいました。ちょっとプッシュし過ぎてしまいました。それだけに、第2レースの結果はとてもうれしいです。がんばってくれたチームのスタッフにお礼を言いたいです。パッケージは完ぺきではありませんでしたが、100%プッシュできるようにがんばってくれました。本当に感謝しています。誰もあきらめず走るごとによくしていこうと、がんばってくれました。今週末はいつもより少し勢いがあった気がします。フロントのフィーリングにちょっと苦労したけれど、今はうまく機能しています。今年は1台しかマシンを使えないのでセットアップがなかなか進みません。だから、先週ここで2つのマシンを試せたのは、とても役に立っています。おかげで今のセットアップに確信が持てるようになってきました。今、新たなセットアップに取り組んでいます。エッジグリップをもう少し得るためにいろいろやっています。今日は、リアにハードを入れてうまくいきました。第1レースもドライのままだったら、最後に勝負できたと思います。今日はチームに少しだけ恩返しができてうれしいです。これからもがんばりたいです」
青山博一(スーパーバイク 12位/13位)「とても大変な週末でした。3日間を通じて、ドライでもウエットでも、リアグリップに苦戦しました。セットアップがよい方向に進んだかなと思うと、コンディションが変わって振り出しに戻ってしまいました。第1レースは初めてピレリのレインタイヤだったので、少し慎重に走りました。たくさんのライダーが転倒したし、21番グリッドからスタートして12位でフィニッシュできてよかったです。第2レースは、中途半端なコンディションでスタートしました。タイヤの選択がとても重要でした。カルロス・チェカが賭けをして、レインタイヤを装着していました。僕たちも少し賭けをしてカットスリックを選びました。でも、雨は降らず、いいペースを見つけることができませんでした。少し残念でしたが、チームとジョニーは本当にいい仕事をしてくれました。彼にはおめでとうと言いたいです。次回は一緒に表彰台に立てるようにがんばりたいです」
ロレンソ・ランツィ(スーパースポーツ 優勝)「とても長い間レースをしていなかったし、今年はサーキットも走っていなかったので今回の勝利は信じられません。アッセンで優勝できてすばらしい気分です。本当にうれしいです。今シーズンの残りのレースに出られるかは分からないけれど、このような機会を与えてくれたチームに感謝したいです」
ブロック・パークス(スーパースポーツ 4位)「いいスタートが切れたのですが、サムがとても速くて、僕をパスしていきました。でも彼が限界で走っているように見えたし、彼が転んだときには、やっぱりそうだろうなあと思いました。そのあと、僕は再びトップになりました。ソフォーグルとは、数周いいバトルができました。雨がやんだらソフォーグル(カワサキ)やレオノフ(ヤマハ)ほどのペースがないことが分かったので、今日は4位でもいいと思いました。しかし、いいポイントを獲得することができました。何度か危ない瞬間もありましたが、こうしてチェッカーを受けられてうれしいです。今日の4位で総合4位になれました。再びチャンピオンシップ争いに戻ることができてよかったです」
ジュール・クルーゼル(スーパースポーツ 6位)「マシンの感触があまりよくなかったので完走できてうれしいです。スライドもひどくて、スロットルを開けるのが大変でした。本当に長いレースでした。走り続けるのが大変でした。転ばないように、でも、あまり遅れないようにがんばりました。ウエットのセットアップを試すセッションは1度しかありませんでした。今日は、ウエットコンディションのデータを集めるのにとても役立ちました。6位だけど悪くないです。完走できてよかったです」
サム・ロース(スーパースポーツ リタイア)「難しいレースでした。スタートのあと、雨がかなり降ってきました。だから落ち着いて走りました。でも、少し雨が止み、フィーリングもよくてペースもよかったです。そのあと、一部でまた雨が降り始めましたが、僕は先頭にいたので、コンディションの変化が分からなかったです。いくつかのコーナーで水たまりができていたので、その前の周より速度を落としたのですが、水たまりに乗ってどうしようもありませんでした。再スタートしましたが、ハンドルバーが動いてしまって、それ以上続けることはできなかったです。チームとスポンサーに大変申し訳ないと思っています。そして、モンツァで今日の埋め合わせをしたいです」
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | S.ギュントーリ | ドゥカティ | 9 | 18:38.395 |
2 | D.ジュリアーノ | ドゥカティ | 9 | +2.633 |
3 | C.チェカ | ドゥカティ | 9 | +3.031 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 9 | +3.927 |
5 | E.ラバティ | アプリリア | 9 | +4.374 |
6 | M.ファブリッツォ | BMW | 9 | +11.359 |
12 | 青山博一 | Honda | 9 | +1:13.988 |
RT | ジョナサン・レイ | Honda | 0 | - |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ジョナサン・レイ | Honda | 22 | 36:45.936 |
2 | S.ギュントーリ | ドゥカティ | 22 | +2.819 |
3 | E.ラバティ | アプリリア | 22 | +12.638 |
4 | M.メランドリ | BMW | 22 | +12.762 |
5 | L.ハスラム | BMW | 22 | +12.764 |
6 | T.サイクス | カワサキ | 22 | +20.393 |
13 | 青山博一 | Honda | 22 | +1:33.576 |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ロレンソ・ランツィ | Honda | 21 | 42:56.376 |
2 | K.ソフォーグル | カワサキ | 21 | +12.054 |
3 | V.レオノフ | ヤマハ | 21 | +14.460 |
4 | ブロック・パークス | Honda | 21 | +23.884 |
5 | A.バルドリーニ | トライアンフ | 21 | +47.063 |
6 | ジュール・クルーゼル | Honda | 21 | +49.755 |
7 | アンドレア・アントネッリ | Honda | 21 | +53.850 |
9 | ロバート・タンブリーニ | Honda | 21 | +1:53.053 |
12 | トーマス・カイアーニ | Honda | 21 | +2:03.555 |
13 | パトリック・ジェイコブセン | Honda | 20 | +1Lap |
16 | イムレ・トース | Honda | 20 | +1Lap |
RT | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | 13 | +8Laps |
RT | マーティン・ジェソップ | Honda | 9 | +12Laps |
RT | サム・ロース | Honda | 8 | +13Laps |
RT | ローナン・クォーンビー | Honda | 8 | +13Laps |
RT | バラージュ・ネメス | Honda | 7 | +14Laps |
RT | マシュー・ショルツ | Honda | 6 | +15Laps |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 92 |
2 | C.チェカ | ドゥカティ | 91 |
3 | T.サイクス | カワサキ | 79 |
4 | S.ギュントーリ | ドゥカティ | 66 |
5 | M.メランドリ | BMW | 66 |
6 | ジョナサン・レイ | Honda | 65 |
13 | 青山博一 | Honda | 22 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | ドゥカティ | 136 |
2 | アプリリア | 100 |
3 | BMW | 86 |
4 | カワサキ | 85 |
5 | Honda | 69 |
6 | スズキ | 20 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 45 |
2 | F.フォーレ | カワサキ | 45 |
3 | サム・ロース | Honda | 31 |
4 | ブロック・パークス | Honda | 29 |
5 | V.レオノフ | ヤマハ | 26 |
6 | ロレンソ・ランツィ | Honda | 25 |
7 | ローナン・クォーンビー | Honda | 25 |
9 | ジュール・クルーゼル | Honda | 23 |
10 | ロバート・タンブリーニ | Honda | 20 |
13 | アンドレア・アントネッリ | Honda | 17 |
14 | バラージュ・ネメス | Honda | 9 |
21 | ルーカス・ペセック | Honda | 6 |
23 | トーマス・カイアーニ | Honda | 4 |
24 | パトリック・ジェイコブセン | Honda | 3 |
25 | マシュー・ショルツ | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 70 |
2 | Honda | 61 |
3 | ヤマハ | 31 |
4 | トライアンフ | 30 |
5 | スズキ | 6 |