2011年シーズンの最終戦となる第13戦ポルトガル大会が、ポルトガル南部に位置するポルティマオで開幕し、10月14日(金)、15日(土)の2日間にわたって、フリー走行と予選が行われました。14日は最高気温が31℃、15日も28℃とすばらしい天候となり、ジョナサン・レイ(Castrol Honda World Superbike Team)が2戦連続でPPを獲得しました。
ポルティマオは、08年にも最終戦が行われたサーキットです。レイはこの時にスポット参戦し、スーパーバイク世界選手権デビューを果たしました。この大会で、レイはデビュー戦ながらフロントローを獲得し、決勝では4位とすばらしいリザルトを残しました。そのような思い出深いサーキットで、レイはシーズン中盤にケガで欠場という苦い経験を払拭する快走を見せ、前戦のフランス大会から2戦連続でPPを獲得しました。
今年はシーズン中盤戦まで苦戦が続いたCastrol Honda World Superbike Teamですが、終盤戦にライド・バイ・ワイヤシステムを取り入れ、第11戦イタリア大会で今季2勝目を達成。同大会の第2レース、そして、第12戦フランス大会でもトップを快走しますが、転倒などでリタイアする悔しいレースが続いていました。最終戦となる今大会は、今季初のWウインとなる3勝目、4勝目が期待されます。
前戦フランス大会のフリー走行で転倒し、首を痛めて決勝を欠場したルーベン・チャウスは今大会も欠場。代役として、カール・マガリッジ(Castrol Honda World Superbike Team)が出場することになりました。マガリッジは、04年にCastrol Honda World Superbike Teamの母体であるTen Kate Hondaでスーパースポーツのタイトルを獲得。05年、06年にはスーパーバイク世界選手権に参戦していました。ここ2年はドイツ選手権にCBR1000RRで出場し、昨年はチャンピオンに輝いています。
ポルティマオは、08年に走って以来というマガリッジは、ドイツ選手権で乗るCBR1000RRとはスペックが違うことにやや戸惑いつつも、久しぶりとなるサーキットに慣れるための2日間となりました。予選では、トップタイムをマークしたレイから1秒差以内に11台という接戦になりました。マガリッジは、着実にタイムを上げて22台中19番手までポジションを上げましたが、スーパーポール進出は果たせませんでした。しかし、周回するごとにラップタイムを更新する走りを見せていただけに、決勝ではポイント獲得が期待されます。
スーパースポーツは34台が出場し、最終戦にふさわしい激しいアタック合戦となりました。PPを獲得したのはデビッド・サロン(カワサキ)で、1秒差以内に9台という戦いになりました。CBR600RR勢は、フローリアン・マリーノ(Hannspree Ten Kate Honda)が4番手、サム・ロース(Parkalgar Honda)6番手、ファビアン・フォーレ(Hannspree Ten Kate Honda)7番手、ジノ・レイ(Step Racing Team)9番手、ジェームス・エリソン(Bogdanka PTR Honda)10番手と、トップ10に5台のCBR600RR勢が名前を連ねました。
最終戦ポルトガル大会は、スーパーバイク、スーパースポーツともに優勝が期待されます。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク ポールポジション) 「2戦連続のPP獲得はうれしいですが、これを結果につなげられたら、もっとうれしいです。今回は初日から順調にセットアップが進みました。今はマシンに乗るのがとても楽しくて、どのセッションでもコースに出るのが待ちきれないです。ここは、午前と午後で気温が大きく変わるので、それにあったタイヤのチョイスが難しかったです。明日の決勝も、天候を見て、しっかりとタイヤを決めたい。レースは10周目くらいからが本当の戦いになると思います。明日はベストを尽くしたいです。もちろん、優勝を狙っていきます」
カール・マガリッジ(スーパーバイク 19番手) 「マシンとタイヤに慣れるのにちょっと時間がかかりましたが、昨日よりも今日という感じで、確実によくなっています。でも明日の決勝に向けて、まだまだ十分ではないですし、自信はありません。しかし、昨日苦労したコーナーの進入のフィーリングはかなりよくなりました。コーナーの立ち上がりのアクセレーションも悪くなかったです。とにかく、今できることに全力で取り組み、決勝ではベストを尽くしたいです」
フローリアン・マリーノ(スーパースポーツ 4番手) 「今日のセッションは、コーナーで何度もはらんでしまい、ミスを連続してしまいました。そのせいで、フラストレーションがたまる一日でした。昨日から今日にかけて、セッションの初めに違うセッティングを試してみました。それがあまりよくなくて、結局、フリー走行の状態に戻しました。午後は気温も路面温度も上がるので滑りやすく、慣れるのに少し時間がかかりましたが、なんとかフロントローに並べました。今日がんばってくれたチームに感謝したいです。明日は彼らにお返しがしたいと思います」
サム・ロース(スーパースポーツ 6番手) 「大変な予選セッションでしたが、2列目に並べたので悪くはないです。他のマシンといい勝負ができると思っています。マシンの状態も悪くないですし、いい結果を残してチームに恩返しをしたいです。とにかく、ファンの前でいい結果を出してシーズンを終えたいと思います。今回は信じられないような声援を受けていますし、感謝したいです。このサポートが今大会のパワーになっています」
ファビアン・フォーレ(スーパースポーツ 7番手) 「セッション中に転倒を喫してしまい、スムーズにいきませんでした。マシンのダメージを直すのに時間がかかってしまいました。しかし、チームはすばらしい仕事をしてくれましたし、コースに送り出してくれました。最後に何周か走ることができ、こうして2列目から決勝に挑めることになりました。まだまだやらなくてはいけないことがありますが、明日のウオームアップで最後の調整をしたいです」
ジェームス・エリソン(スーパースポーツ 10番手) 「一生懸命がんばりました。昨日より1秒速くなりましたが、もっとグリップが欲しいと感じました。たぶん、それは他の選手も同じだと思います。もっとペースを上げられるようにがんばっています。ウオームアップではそこに集中したいです。そして、できる限りいいスタートを切って、トップグループについていきたいです」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:41.712 |
2 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:41.951 |
3 | E.ラバティ | ヤマハ | 1:42.173 |
4 | M.メランドリ | ヤマハ | 1:42.259 |
5 | S.ギュントーリ | ドゥカティ | 1:42.627 |
6 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:42.710 |
19 | カール・マガリッジ | Honda | 1:45.268 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | D.サロン | カワサキ | 1:45.095 |
2 | B.パークス | カワサキ | +0.050 |
3 | C.デイビス | ヤマハ | +0.158 |
4 | フローリアン・マリーノ | Honda | +0.495 |
5 | M.ロッコリ | カワサキ | +0.611 |
6 | サム・ロース | Honda | +0.692 |
7 | ファビアン・フォーレ | Honda | +0.782 |
9 | ジノ・レイ | Honda | +0.893 |
10 | ジェームス・エリソン | Honda | +1.072 |
13 | ミゲル・プライア | Honda | +1.551 |
16 | パウェル・スコペック | Honda | +1.801 |
17 | バラージュ・ネメス | Honda | +1.854 |
19 | アレクサンダー・ルンド | Honda | +1.886 |
20 | ロビン・ハームス | Honda | +2.107 |
23 | バスティン・シェゾー | Honda | +2.551 |
24 | オンドレイ・ジュゼク | Honda | +2.836 |
25 | イムレ・トース | Honda | +2.849 |
27 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | +3.518 |
28 | トーマス・カイアーニ | Honda | +3.633 |
32 | コンスタンティン・ピザレフ | Honda | +5.426 |