round 8

July 10 2011, RACE
FIM Superbike World Championship Czech Republic
第8戦 チェコ

ロウズが第1レースで15位、ポイント獲得

第8戦チェコ大会決勝は、終日青空が広がる絶好のコンディションの中で行われました。予選ではルーベン・チャウス(Castrol Honda World Superbike Team)がチャターに苦しんで17位。ケガのため欠場しているジョナサン・レイ(Castrol Honda World Superbike Team)の代役として出場したアレクサンダー・ロウズは、スーパーバイク仕様のCBR1000RRで初めて走るという厳しい条件の中で21番グリッドから決勝に挑みました。

予選17番手から追い上げのレースに挑んだチャウスは、まずまずのスタートから追い上げを狙いました。しかし、オープニングラップのシケインの立ち上がりでハイサイドを喫し、転倒してリタイア。転倒の影響で足を負傷して、残念ながら第2レースをキャンセルしました。

  • アレクサンダー・ロウズアレクサンダー・ロウズ
  • アレクサンダー・ロウズアレクサンダー・ロウズ
  • ルーベン・チャウスルーベン・チャウス
  • ジノ・レイジノ・レイ
  • ファビアン・フォーレファビアン・フォーレ
  • サム・ロースサム・ロース
  • ジェームス・エリソンジェームス・エリソン
  • フローリアン・マリーノフローリアン・マリーノ

レイの代役として出場したロウズは、両レースともに健闘しました。第1レースは、好スタートを切ってオープニングラップで16番手まで浮上。序盤は、 ホワン・ラスコルツ(カワサキ)、マーク・エイチソン(カワサキ)らとバトルを繰り広げ、5周目にはラスコルツをマークしながらエイチソンをかわし、シルバン・ギュントーリ(ドゥカティ)、マキシム・ベルガー(ドゥカティ)を抜いて13番手までポジションを上げました。中盤は、再び追い上げてきたベルガーと、ロベルト・ロルフォ(カワサキ)に抜かれ15番手へと順位を落としますが、そのままロルフォをピタリとマークして15位でフィニッシュ。見事、WSBデビュー戦でポイントを獲得しました。

その勢いで挑んだ第2レースは、スタートが決まらずオープニングラップ19番手とやや出遅れました。そして、ロルフォ、ロレンツォ・ランジー(ドゥカティ)、ベルガーらをマークすることになりますが、なかなかポジションを上げることができず、6周目に痛恨の転倒を喫し、リタイアに終わりました。両レースでポイント獲得することはできませんでしたが、20歳のルーキーにとっては、貴重な経験となりました。また、今大会に出場したハンガリーのヴィクトル・キスパタキ(Prop-tech ltd)は、第1レース19位、第2レースは15位でポイントを獲得しました。

スーパースポーツは、CBR600RR勢が好調で、今季初のフロントロー4番手から決勝に挑んだジノ・レイ(Step Racing Team)と、今季初ポールポジションのファビアン・フォーレ(Hannspree Ten Kate Honda)が序盤から激しいバトルを繰り広げ、レイがキャリア初の優勝を達成、フォーレが2位とCBR600RR勢がすばらしい走りを披露しました。

今大会は18周の決勝レースでしたが、ラスト2周で7位争いを繰り広げていたロビン・ハームス(Harms Benjan Racing Team)が転倒してレースは赤旗中断。15周を終えた時点の順位でリザルトが確定しました。予選6番手から3戦連続表彰台を狙ったサム・ロース(Parkalgar Honda)は6位、ジェームス・エリソン(Bogdanka PTR Honda)は8位、フローリアン・マリーノ(Hannspree Ten Kate Honda)が9位でフィニッシュしました。この結果、フォーレが総合5位から3位へ。ロース6位、ハームス7位は変わらず。レイが10位から8位へと総合順位を上げることに成功しました。

コメント

アレクサンダー・ロウズ(スーパーバイク 15位/リタイア)「第1レースは結構いいレースができたと思います。今回は自分のライディングスタイルを変えましたし、それに合わせてセッティングもよくなりました。だから第1レースの結果と内容には満足しています。ただ、タイヤが消耗した終盤に、少しペースを落としてしまい苦戦しました。それを克服しようと第2レースに挑みましたが、スタートがあまりよくなく、以前のライディングスタイルに戻ってしまいました。そのせいで、ライン取りが悪くなり、転倒してしまいました。本当に残念です」

ルーベン・チャウス(スーパーバイク リタイア/欠場)「どうしてあんな転倒をしたのか分かりません。なにか特別違ったことをしたわけではないのですが、まるでダブルハイサイドのような転び方でした。まず、リアが跳ねてシートから身体が離れました。持ち直せそうな気がしたのですが、その間に再びハイサイドが起こり前に投げ飛ばされてしまいました。骨折はなさそうでしたが、タンクに左足が思い切り当たったので、ひどく腫れてしまいました。そのため足を曲げることができなくなり、第2レースをキャンセルすることにしました。残念な終わり方です。万全の状態に仕上げられなかったのですが、チームはベストを尽くしてくれました。それだけに残念です。足の状態がどうなっているのかはこれから検査を受けますが、シルバーストーンではいい結果を残したいです」

ジノ・レイ(スーパースポーツ 優勝)「トップを走っている感覚はとても不思議でした。今日は2周目にフロントを失い、転びそうになったのですが、それからはしっかりと集中して、ミスをしないようにしました。自分のペースで自分のラインをキープし、立ち上がりを重視してストレートで抜かれないようにしました。ファビアンが後ろにいるのは分かっていたのですが、最後までその走りをキープできました。残念ながら最終ラップまでは走れなかったのですが、もし走っていたとしても勝てる自信はありました。今日のファビアンはブレーキングがハードだったのですが、タイムを落とさないためにインをブロックするような走りをしていませんでした。いいバトルができたと思います。正直、最後は少し運がよかったのかもしれません」

ファビアン・フォーレ(スーパースポーツ 2位)「まずは、チームの仕事に感謝したいです。今日はシフターに少し問題を抱えていました。グリッドで調整しようとしましたが、電気系の調整なのでうまくいきませんでした。この状態でどんな走りができるのか、本当に心配でした。やはりタイムも落ちましたし、特に上り坂は、シフターが使えないことでタイムをロスしていました。レイがパスしていったとき、彼が限界で走っているように見えました。僕は少し苦戦していましたが、ついていくことができました。あるコーナーではとても楽だったけれど、他のコーナーでは難しかったりで、残り2周で彼にアタックしようと思っていました。しかし、そのときに赤旗が出てしまいました。優勝を逃した気分でしたが、自信は戻りましたし、チームとのコミュニケーションも、アラゴンからはとてもいいと思います。シルバーストーンが楽しみで仕方がありません」

サム・ロース(スーパースポーツ 6位)「今日はマシンの状態もよく、スタートも悪くありませんでした。自分の走りができましたし、トップグループとの差を詰めていくことができました。今日は優勝にチャレンジできると思っていましたが、まさにそのときにタイヤのグリップがなくなってしまいました。それからはなにもできませんでした。とにかく集中して、できる限りがんばりました。6位は望んだ結果ではないけれど、ベストを尽くした結果でした。ランキング6位は変わらないけれど、2位とは12ポイント差があります。次は地元大会のシルバーストーンなので、その差を詰めたいと思います」

ジェームス・エリソン(スーパースポーツ 8位)「今回はスタートも悪くなかったですし、まずまずのレースができたと思います。でもマリーノをパスするのは難しく、苦労しました。もう少し早く彼をパスできていたら、前のグループとの差を詰められたかもしれません。マリーノとはいいバトルでしたが、それだけが少し残念でした」

フローリアン・マリーノ(スーパースポーツ 9位)「スタートに失敗して、最初の数周でかなりタイムをロスしました。ようやく落ち着いたときには、前のグループから離れていました。今回は、マシンをよくできる部分がまだいくつかありましたし、次戦はその部分を改善していきたいです。今日はエリソンにパスされて少し差をつけられましたが、彼についていくことができたてよかったです。今日はトップとは16秒しか離れていませんでした。これは、今シーズンの自己ベストです。次戦はもっと縮めたいと思います」

決勝

スーパーバイク(レース1)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1M.メランドリヤマハ2040:23.699
2M.ビアッジアプリリア20+0.241
3C.チェカドゥカティ20+0.436
4M.ファブリッツォスズキ20+8.448
5E.ラバティヤマハ20+11.863
6A.バドビーニBMW20+16.374
     
15アレクサンダー・ロウズHonda20+31.998
19ヴィクトル・キスパタキHonda20+1:28.907
RTルーベン・チャウスHonda0 -

スーパーバイク(レース2)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1M.ビアッジアプリリア2040:21.646
2M.メランドリヤマハ20+0.222
3C.チェカドゥカティ20+3.558
4M.ファブリッツォスズキ20+7.863
5E.ラバティヤマハ20+8.534
6A.バドビーニBMW20+18.085
     
15ヴィクトル・キスパタキHonda20+1:38.074
RTアレクサンダー・ロウズHonda5+15Laps

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1ジノ・レイHonda1531:21.642
2ファビアン・フォーレHonda15+0.448
3C.デイビスヤマハ15+0.857
4D.サロンカワサキ15+2.375
5R.タンブリーニヤマハ15+5.505
6サム・ロースHonda15+6.890
     
8ジェームス・エリソンHonda15+15.495
9フローリアン・マリーノHonda15+16.665
12アレクサンダー・ルンドHonda15+31.735
13イムレ・トースHonda15+33.352
17ローマン・スタムHonda15+49.656
18ミケーレ・コンティHonda15+1:02.815
19コンスタンティン・ピザレフHonda15+1:12.672
20ミッチェル・ピロッタHonda15+1:19.529
21カタリーン・カツァークHonda15+1:19.912
22ヤーノシュ・クロヴァークHonda15+1:27.070
RTロビン・ハームスHonda15+7.986
RTオンドレイ・ジュゼクHonda15+25.363
RTミゲル・プライアHonda14+1Lap
RTパウェル・スコペックHonda4+11Laps
RTパトリック・ボスタレクHonda2+13Laps
RTウラジミール・イワノフHonda0 -
ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)

順位 ライダー マシン ポイント
1C.チェカドゥカティ293
2M.ビアッジアプリリア263
3M.メランドリヤマハ240
4E.ラバティヤマハ168
5L.ハスラムBMW137
6L.キャミアアプリリア134
 
10ジョナサン・レイHonda94
16ルーベン・チャウスHonda44
27ヴィクトル・キスパタキHonda1
28アレクサンダー・ロウズHonda1
29ファブリッツォ・ライHonda1

マニュファクチャラー(スーパーバイク)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1ドゥカティ305
2アプリリア302
3ヤマハ280
4BMW173
5スズキ138
6カワサキ126
7Honda113

ライダー(スーパースポーツ)

順位 ライダー マシン ポイント
1 C.デイビスヤマハ121
2 B.パークスカワサキ85
3 ファビアン・フォーレHonda85
4 D.サロンカワサキ84
5 L.スカッサヤマハ79
6 サム・ロースHonda73
 
7 ロビン・ハームスHonda59
8 ジノ・レイHonda57
9 フローリアン・マリーノHonda44
12 ジェームス・エリソンHonda36
13 ミゲル・プライアHonda24
16 アレクサンダー・ルンドHonda18
17 バラージュ・ネメスHonda16
18 ウラジミール・イワノフHonda12
19 イラリオ・ディオニジHonda11
20 イムレ・トースHonda10
21 パウェル・スコペックHonda7
22 オンドレイ・ジュゼクHonda7
23 バスティン・シェゾーHonda6
27 アレッシオ・ベリーニHonda3
29 ローマン・スタムHonda2
30 ロベルト・ムレシャンHonda1

マニュファクチャラー(スーパースポーツ)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1ヤマハ151
2Honda133
3カワサキ114
4トライアンフ21