総合3位を目標に、第13戦フランス大会に挑んだジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)は、イモラ(イタリア)大会のケガの影響で、第1レース12位、第2レースは第1レースで体力を使い果たし、棄権することになった。
これで、前戦の決勝を欠場、今大会も第2レースを欠場したことで、カルロス・チェカ(ドゥカティ)に5ポイント差で逆転されて、総合3位から4位へとダウンした。タイトル獲得を目標にシーズンを戦ってきたレイ。後半は総合3位を目標に全力を尽くしたが、ケガには勝てなかった。最終レースをキャンセルしたレイは、今週中にも、負傷した左手の手術を行う予定。来季に備えることになった。
チームメートのマックス・ノイキルヒナーは、予選17番手から第1レース13位、第2レース12位。総合18位でシーズンを終えた。ファブリッツォ・ライ(ECHO CRS Honda)は、予選20番手から決勝に挑み、第1レースはポイントを獲得できず、第2レースはリタイアだった。今大会、第1レースはカル・クロッチロー(ヤマハ)、第2レースは今季のチャンピオンを決めているマックス・ビアッジ(アプリリア)が、それぞれ優勝した。
タイトル争いが最終戦決着となったスーパースポーツは、予選でポールポジションを獲得したケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が、2位でフィニッシュ。今大会優勝したユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)に11ポイント差をつけて、2度目のワールドチャンピオンに輝いた。
シーズン8勝という最多勝利を獲得しながら総合2位に終わったラバティは、序盤、レースの主導権を握ったソフォーグルを追った。後半は、チャンピオンシップを考えてソフォーグルが2位をキープしたことで、逆転のチャンスを失った。ラバティは13戦8勝10回の表彰台、ソフォーグルは3勝13戦連続表彰台。シーズンを通してCBR600RRですばらしい戦いを繰り広げてきた両選手に、大きな拍手が送られた。
総合3位はホワン・ラスコルツ(カワサキ)だった。総合5位には、ソフォーグルのチームメートのミケーレ・ピロが入った。今年はケガの影響で力を存分に発揮できなかったが、初優勝を獲得するなど、来季につながる一年だった。
予選8番手のマッシモ・ロッコリ(Intermoto Czech)は、まずまずのスタートを切り、4位。今季ベストリザルトでシーズン最終戦を締めくくり、総合8位。今大会リタイアに終わったジノ・レイ(Intermoto Czech)は、総合9位だった。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 12位/欠場 ランキング4位) 「あまりいい週末ではなかった。総合3位を目標に全力を尽くしたが、イモラで手首のじん帯などを痛めて、手首にはプラスチックのギブスを使って走ったが、3周か4周が限界だった。今朝、ラジエーターのホースの留め金が外れるアクシデントがあり、水がリアタイヤにかかりハイサイドを起こした。それで、背中から落ちてしまったこともあり、レース1ですべての力を使いきってしまった。それで第2レースを棄権することにした。集中力も限界だった。肉体的にも疲れ果ててしまった。総合3位になれなくて残念だ」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 13位/12位 ランキング18位) 「第1レースは2周か3周でグリップがなくなってしまったが、ブレーキをうまく使うことができた。しかし、グループの中でついていくのがやっとで、そのうちじりじりと離されてしまった。あのポジションを走っているのはとても不満だった。第2レースでは、ラインを保つことができなくて、コーナリングでロスしていた。しかし、マシンをスライドさせながら走ったのは楽しかった。2レースともにポイントを獲得したけれど、望んでいたような結果ではなかった。残念だった」
ファブリッツォ・ライ(スーパーバイク 16位/リタイア ランキング28位) 「第1レースは、ソフトのフロントタイヤを選んだ。そして最初の3周で、高速コーナーでのフロントのフィーリングがよくなかった。第2レースはカムシャフトセンサーに異常があり、レースをリタイアすることにした」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 2位 2010年シリーズ・チャンピオン) 「レースが始まる前までは、優勝する自信があった。しかし、スタートしてからは、チャンピオンを取るために、ポイントを獲得することが重要だと感じた。僕の目標はいいスタートをして、だれよりも前に出ることだった。数周走ってから後ろを振り返ったらユージェーヌしか見えなかった。最後の6周はとても大変だった。初めてタイトルを獲得した2007年のブランズハッチ以来、長く感じたレースだった。再びワールドチャンピオンになれて本当にうれしい。今年は13戦で13回表彰台に立つことができた。チームにお礼を言いたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 優勝 ランキング2位) 「今日はケナンがとても速くて、ついていくのがやっとだった。どうすれば抜けるのか、いろいろ考えていた。そのうち燃料が減ってきて、タンクが軽くなってから、少し速く前に走れるようになった。ケナンをパスしたあと、彼は3位との間に差があることを確認したのだろう。少しペースを落としてチャンピオンシップを獲得した。今年の8度の優勝は、自分にとってもチームにとってもすばらしいリザルトだった」
マッシモ・ロッコリ(スーパースポーツ 4位 ランキング8位) 「今日は表彰台に立とうと全力を尽くした。しかし、思ったようにグリップせず、デイビス(トライアンフ)も速くて抜けなかった。最後まで表彰台を目標にベストを尽くした。今日の4位、そして総合8位はよくないけれど、悪くもないと思っている」
ミケーレ・ピロ(スーパースポーツ 8位 ランキング5位) 「今日は出遅れてしまい、トップグループに加われなかった。バイクのフィーリングがあまりよくなくて、あまり速さを感じなかった。でも先週のイモラで初優勝したし、総合5位でシーズンを終えられてよかった。僕が望んでいた結果ではないけれど、来季に向けて自信になった。ケナンにおめでとうと言いたい。彼はシーズン通してずっと速く、このチームで1年目の僕をすごく助けてくれた」
スーパーバイク(レース1)
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 23 | 38:15.586 |
2 | L.ハスラム | スズキ | 23 | +3.779 |
3 | C.チェカ | ドゥカティ | 23 | +4.261 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 23 | +4.416 |
5 | J.シュムルツ | アプリリア | 23 | +7.476 |
6 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 23 | +11.866 |
12 | ジョナサン・レイ | Honda | 23 | +35.608 |
13 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 23 | +39.929 |
16 | ファブリッツォ・ライ | Honda | 23 | +1:14.632 |
スーパーバイク(レース2)
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 23 | 38:11.343 |
2 | C.クロッチロー | ヤマハ | 23 | +0.087 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 23 | +3.715 |
4 | S.ギュントーリ | スズキ | 23 | +4.004 |
5 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 23 | +15.471 |
6 | J.シュムルツ | アプリリア | 23 | +18.378 |
12 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 23 | +44.634 |
RT | ファブリッツォ・ライ | Honda | 4 | +19Laps |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 22 | 37:46.575 |
2 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 22 | +4.769 |
3 | C.デイビス | トライアンフ | 22 | +17.658 |
4 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 22 | +20.412 |
5 | ロビン・ハームス | Honda | 22 | +20.559 |
6 | 藤原克昭 | カワサキ | 22 | +21.200 |
8 | ミケーレ・ピロ | Honda | 22 | +25.174 |
10 | ミゲル・プライア | Honda | 22 | +59.797 |
12 | フローリアン・マリーノ | Honda | 22 | +1:23.612 |
RT | ジノ・レイ | Honda | 11 | +11Laps |
RT | マーク・エイチソン | Honda | 11 | +11Laps |
RT | アレクサンダー・ルンド | Honda | 8 | +14Laps |
RT | イムレ・トース | Honda | 5 | +17Laps |
ライダー(スーパーバイク)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 451 |
2 | L.ハスラム | スズキ | 376 |
3 | C.チェカ | ドゥカティ | 297 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 292 |
5 | C.クロッチロー | ヤマハ | 284 |
6 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 258 |
18 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 54 |
24 | ジョシュア・ブルックス | Honda | 6 |
28 | ファブリッツォ・ライ | Honda | 2 |
マニュファクチャラー(スーパーバイク)
順位 | ライダー | ポイント |
---|---|---|
1 | アプリリア | 471 |
2 | ドゥカティ | 424 |
3 | スズキ | 412 |
4 | ヤマハ | 352 |
5 | Honda | 313 |
6 | BMW | 201 |
7 | カワサキ | 113 |
ライダー(スーパースポーツ)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 263 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 252 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | 168 |
4 | C.デイビス | トライアンフ | 153 |
5 | ミケーレ・ピロ | Honda | 99 |
6 | D.サロン | トライアンフ | 99 |
7 | ロビン・ハームス | Honda | 98 |
8 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 84 |
9 | ジノ・レイ | Honda | 83 |
12 | ミゲル・プライア | Honda | 66 |
16 | アレクサンダー・ルンド | Honda | 24 |
19 | ダニーロ・デロモ | Honda | 13 |
20 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 10 |
21 | マーク・エイチソン | Honda | 9 |
24 | バスティン・シェゾー | Honda | 8 |
25 | サム・ロース | Honda | 6 |
28 | ランス・アイザック | Honda | 5 |
29 | フローリアン・マリーノ | Honda | 4 |
30 | クリスチャン・イドン | Honda | 4 |
32 | ダニエル・ブコウスキ | Honda | 3 |
34 | アンドレア・ボスコスクーロ | Honda | 3 |
37 | イムレ・トース | Honda | 2 |
38 | トマス・オルベク | Honda | 1 |
マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 320 |
2 | カワサキ | 211 |
3 | トライアンフ | 168 |
4 | ヤマハ | 37 |