スーパーバイク世界選手権第13戦フランス大会が、10月1日から3日まで、マニクールで開催される。前戦イモラ大会(イタリア)で、マックス・ビアッジ(アプリリア)のチャンピオンが決まった。連戦となる最終戦フランス大会の見どころは、チャンピオンシップでし烈な3位争いを繰り広げるジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)の走り。前戦イタリアGPのプラクティスで転倒し、左肩を脱きゅう、左手の舟状骨などを負傷、さらにじん帯も痛めたレイは、連戦となるフランス大会の出場が危ぶまれた。しかし、初日のフリー、予選を終えた段階で、なんとか決勝レースを走りきれるという判断で、2日目の予選に挑み、6番手というすばらしいグリッドを獲得した。
前戦イモラ大会を欠場したことで、総合4位のカルロス・チェカ(ドゥカティ)と14点差、総合5位のカル・クロッチロー(ヤマハ)と49点差。この2人と総合3位を争うことになる。決勝は痛み止めの処置をして戦うことになるが、痛みをこらえての熱い走りに大きな注目が集まっている。
チームメートのマックス・ノイキルヒナーは、リアのグリップを改善するため、今大会は仕様の違うリアのスイングアームにトライしている。この変更でグリップは向上したものの、対照的に安定性に欠けるため、いいバランスを見つけるためのセットアップに集中した。予選ではSP2進出を果たせず、17番グリッドから決勝に挑むが、今季最終戦に闘志をかき立てている。また、今大会で3戦目を迎えるファブリッツォ・ライ(ECHO CRS Honda)は20番手。2戦連続ポイント獲得に向けて気合を入れている。
スーパースポーツは、12戦を終えて243点を上げて総合首位のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)と、227点で2位のユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)の一騎打ち。CBR600RR勢による最終戦決着となり、Hondaファンにとっては、ハラハラドキドキの戦いとなりそうだ。
予選では、チャンピオン王手のソフォーグルが、2戦連続今季5回目のPPを獲得。2位のラバティに16点差をつけているため、今大会は、ラバティが優勝しても、6位以内に入れば自力チャンピオンが決まる。2007年以来、3年ぶり2回目のタイトル獲得にあと一歩のソフォーグル。今季7勝を上げて総合2位、最終戦で逆転チャンピオンにかけるラバティ。前戦イモラでもサイド・バイ・サイドの戦いを繰り広げているだけに、今大会の戦いに大きな注目が集まっている。前戦優勝のミケーレ・ピロ(HANNspree Ten Kate Honda)は7番手。2列目から追い上げのレースに挑む。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 6番手) 「この体調でSP3に進出することができたことに驚いたが、6番手で終われて、本当にハッピーだった。先週のイモラをケガのために欠場し、今週も出場するかどうか悩んでいた。走ってみたら、依然として左腕に力が入らないので、ライディングに支障はあったけれど、レースに出ても大丈夫という判断で今日の走行に挑んだ。あまりの痛みに声も出てしまうけれど、決勝では2列目6番手から全力を尽くしたい」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 17番手) 「今回は新しいスイングアームを試し、これまで抱えていたグリップの問題は解決できたが、今度はブレーキをリリースしてからの安定性に欠けて、ラインをキープするのが難しかった。ヘアピンでは、その問題ですごくタイムをロスしていたし、この問題の解決に向けて、ウオームアップでセッティングにトライしたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ ポールポジション) 「初日はリアのセッティングにやや問題を抱えていたが、今日は順調にセットアップも進み、PPを獲得することができた。明日の決勝も、チャンピオンシップを気にしないで走れるなら、十分に勝てるチャンスはある。しかし、今回はチャンピオンシップを考えて、勝つ必要もなく、着実に走りきってフィニッシュしたい。とは言っても、簡単なレースではないし、最後まで集中力を切らさずにがんばりたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2番手) 「いいレースにするために、この2日間、セットアップに集中した。しかし、ケナンの仕上がりはよくて、彼に追いつくためには、もう少し自分もペースを上げなくてはいけない。ウオームアップで最後の調整に挑むが、自分たちの目標は今季8勝目を挙げることだ。Parkalgar Hondaは、これまで所属したチームの中で最高のチームだった。これがこのチームで最後のレースになるが、ベストを尽くし、みんなが喜んでくれるリザルトを残したい」
ミケーレ・ピロ(スーパースポーツ 7番手) 「バイクのセットアップは進んだが、フロントローを逃して悔しい。リアのグリップは改善された。タイムを出す自信もあったが、クリアラップが取れなかった。このサーキットは、ハードブレーキングのポイントがいくつかあり、まだ完全な調子ではない右手首には厳しかった。加えて、リアグリップに課題を抱えているが、今年最後のレースなので、ベストを尽くしたい」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:37.699 |
2 | S.ギュントーリ | スズキ | 1:37.768 |
3 | J.シュムルツ | アプリリア | 1:37.784 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:38.039 |
5 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:38.082 |
6 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:38.155 |
17 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 1:39.341 |
20 | ファブリッツォ・ライ | Honda | 1:41.471 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 1:41.372 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.441 |
3 | 藤原克昭 | カワサキ | +0.500 |
4 | F.フォーレ | カワサキ | +0.634 |
5 | B.パークス | カワサキ | +0.714 |
6 | D.サロン | トライアンフ | +0.719 |
7 | ミケーレ・ピロ | Honda | +0.791 |
8 | マッシモ・ロッコリ | Honda | +0.795 |
9 | ジノ・レイ | Honda | +0.868 |
10 | マーク・エイチソン | Honda | +1.059 |
11 | ロビン・ハームス | Honda | +1.148 |
13 | フローリアン・マリーノ | Honda | +1.410 |
17 | ミゲル・プライア | Honda | +2.076 |
19 | アレクサンダー・ルンド | Honda | +2.899 |
20 | イムレ・トース | Honda | +4.517 |