前戦アメリカ大会から3週間のインターバルを経て、舞台は再びヨーロッパへ。アドリア海に面したミサノで、第8戦サンマリノ大会が開幕した。ミサノは連日好天に恵まれ、金曜日、土曜日と2日間ともに最高気温は28℃を記録する初夏の陽気となった。路面温度も50℃近くまで上昇。そのためサスペンションのセッティングが難しく、タイヤに厳しいコンディションとなった。その中でHonda勢は苦戦。HANNspree Ten Kate Hondaのジョナサン・レイが16番手、マックス・ノイキルヒナー17番手と両選手ともに大きく遅れ、後方から追い上げのレースに挑むことになった。ブロック・パークス(ECHO CRS Grand Prix)は19番手だった。
CBR1000RRに乗ってこれまでの経験の中で最悪のグリッドとなったレイ。今大会は初日からチャターに苦しんだが、その症状は2日目も改善されず、フラストレーションのたまる走行が続いた。初日の予選は、トップのカル・クロッチロー(ヤマハ)から1.481秒遅れの16番手。2日目の予選では、トップから1.540秒差の18番手までダウン。上位20人で競われるSP1に辛うじて進出し、SP1は9番手で通過したものの、SP2では16番手に終わり、グリッドが確定した。レイは昨年の大会で、予選2番手からシーズン初優勝を達成している。今年はセッティングが決まらず厳しいグリッドとなったが、2年連続表彰台が期待される。
チームメートのノイキルヒナーもチャターに苦しみ予選18番手。SP1に進出したものの17番手でグリッドが確定した。パークスは予選20番手でSP進出を果たしSP1で19番手。CBR1000RR勢は、3選手とも追い上げのレースに挑むことになった。
スーパースポーツは、初日2番手だったミケーレ・ピロ(HANNspree Ten Kate Honda)が地元ファンの声援を背に2日目の予選で逆転、ポールポジションを獲得。ピロにとってサンマリノ大会では、2年連続2回目のPPとなり、初優勝に向けて気合を入れている。初日トップタイムをマークしたユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)は2番手。トップ10には6台のCBR600RR勢が名前を連ねている。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 16番手) 「今日は、自分のキャリアで最も悪い予選となった。走り終えたときは何をどう言っていいのか言葉もなかった。昨日からチャターに悩んでいる。何をやってもよくならず、今日は昨年の状態に戻して走ってみた。それで多少はよくなったけれど、壁にぶつかってしまったように、何をどうやっても改善されなかった。しかし、明日の決勝では、とにかくがむしゃらになって走るしかない。できるだけ追い上げて上位でフィニッシュしたい」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 17番手) 「チャターがひどくて、ちゃんとしたグリップを出せないまま2日間が終わってしまった。正直、かなりがっかりする2日間だった。もう、やれることはやりつくした感じだが、明日のウオームアップで再度セットアップにトライしたい。何も改善されなければ、5列目グリッドなので厳しいレースになる。何とかいいセッティングを見つけたい」
ミケーレ・ピロ(スーパースポーツ ポールポジション) 「ポールポジションを獲得できてとてもうれしい。昨年に続いて2回目のPPだが、どうしてこんなに得意としているのか自分でもよく分からない。しかも今日はクリアラップが取れなくて、100%のアタックではなかった。路面コンディションは滑りやすく、あまりよくなかった。明日の決勝は厳しいレースになると思うが、トップグループで戦い、いい結果を残したい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2番手) 「今日はたった一周しか、ちゃんとタイムが出せなかった。コース上はいつも混雑していて、スロー走行を行っているライダーがいて走りにくかった。ミサノはいつも天気がよくて暑いけれど、今年も気温が高くて厳しい条件がそろっている。明日も厳しいレースになると思うが、ベストを尽くしたい」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | T.コルサー | BMW | 1:35.001 |
2 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:35.502 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:35.680 |
4 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:35.683 |
5 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:35.851 |
6 | S.ギュントーリ | スズキ | 1:36.096 |
16 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:36.561 |
17 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 1:36.889 |
19 | ブロック・パークス | Honda | 1:37.574 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ミケーレ・ピロ | Honda | 1:38.444 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.167 |
3 | R.タンブリーニ | ヤマハ | +0.467 |
4 | J.ラスコルツ | カワサキ | +0.575 |
5 | ジノ・レイ | Honda | +0.780 |
6 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +0.833 |
8 | マッシモ・ロッコリ | Honda | +0.939 |
9 | ロビン・ハームス | Honda | +1.048 |
12 | ミゲル・プライア | Honda | +2.109 |
15 | ダニーロ・デロモ | Honda | +2.895 |
16 | アレクサンダー・ルンド | Honda | +2.967 |
18 | バスティン・シェゾー | Honda | +3.481 |
23 | イムレ・トース | Honda | +6.994 |
NQ | ニコレット・コバック | Honda | +8.677 |