スーパーバイク世界選手権(WSB)第6戦南アフリカ大会がキャラミで開幕、好天の中で予選が行われた。今大会は22台が出場。予選ではトップタイムをマークしたヤコブ・シュムルツ(ドゥカティ)から1秒差以内に12台という接戦となった。その中でジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)は、トップのシュムルツから、0.373秒差の4番手とまずまずのタイムをマークした。しかし、スーパーポールでは思うようにタイムを短縮できず、11番グリッド。チームメートのマックス・ノイキルヒナーも、2日間を通じてチャターに苦しんでタイムを伸ばせず、17番手から決勝に挑むことになった。
第4戦オランダ大会でキャリア初のWウインを達成したレイは、第5戦イタリアでも好調だった。しかし、イタリアでは両レースともに不運のリタイアに終わり、結果に結びつけることができなかった。今大会は、イタリア大会から2週連続の開催。前戦の雪辱に燃えるレイは、初日から気合の入った走りを見せた。
初日の予選で3番手、2日目の予選でも僅差の4番手。ベストタイムはもちろんのこと、決勝に向けたロングランでも好タイムを刻み、順調な仕上がりを見せた。しかし、予選上位20位までの選手で行われるスーパーポールでは、SP1を13番手で通過、SP2でも11番手と思うようにタイムを伸ばせず、グリッドが確定した。今大会は3列目から決勝に挑むことになるが、ロングランでのラップタイムは決して悪くないだけに、追い上げのレースが期待される。
昨年、ケガのために南アフリカ大会をキャンセルしているノイキルヒナーは、2日間を通じてチャターに苦しみ、思うようにタイムを伸ばせなかった。しかし、オランダ、イタリアと、決勝レースではよい状態を見いだしているだけに、今回も決勝レースでいい走りを見つける意気込みだ。その他、ブロック・パークス(ECHO CRS Grand Prix)が20番手。PPを獲得したのは、カル・クロッチロー(ヤマハ)だった。
スーパースポーツは、今大会もCBR600RR勢が好調で、ユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)がPPを獲得。2番手にケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)、3番手にミケーレ・ピロ(HANNspree Ten Kate Honda)と、フロントローに3台のCBR600RR勢が名前を連ねた。今季3回目のPPを獲得したラバティは、2日間を通じてすべてのセッションを制する完ぺきな走りを披露。南アフリカ大会2連覇に向けて大きく前進した。0.084秒差で2番手も、開幕戦から6戦連続フロントローに並んだソフォーグルで万全の仕上がり。今大会は、この両者の一騎打ちが予想される。3番手のピロは、3戦連続今季5回目のフロントローを獲得した。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 11番手)「マシンの状態は完全ではないが、ロングランではよいラップを刻めた。しかし、スーパーポールで11番手に終わったことにはがっかりしている。タイヤのグリップをうまく生かせず、タイムを伸ばせなかった。厳しいグリッドから決勝に挑まなければならないが、今回はアベレージが悪くないので、いいスタートを切ってトップグループに加わりたい。オランダではすごくいい状態だった。その勢いを前回のイタリアにつなげたかったが、第1レースは自分のミスで転び、第2レースは転倒の巻き添えになる運の悪さだった。イタリアのことは忘れて、今回のレースに集中したい。キャラミは昨年、シーズン最初に表彰台に立ったサーキット。今回はいい結果を残したい」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 17番手)「今回はチャターに悩まされている。路面のギャップもひどくて、コーナーに入ってから、アクセルをなかなか開けられない状態だ。昨日からいろいろやっているが、思うようにセットアップも進まない。グリッドも17番手とよくないので、今回はどういうレースになるか予想もつかない。ウオームアップで引き続きセットアップに集中し、ベストを尽くしたい。オランダとイタリアは、どちらも第2レースでいい状態を見つけることができた。今回も決勝でよいセッティングを見つけたい。この数戦、ジョニーがいい走りをしているので、自分もマシンのセットアップを早く決めたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ ポールポジション)「昨年のレースのときのセッティングでスタートした。フィーリングはよくて、昨年よりさらにいい状態に仕上げることができた。マシンの状態にはまだ100%は満足していないが、乗っている感じは悪くはない。今回のライバルはケナンになりそうで、とてもいい走りをしている。ホアン・ラスコルツ(カワサキ)は予選ではあまりよくなかったが、彼もきっと優勝争いに絡んでくるはずだ。今年は2回PPを取って、PPを取ったレースは2回とも優勝を逃している。今回はそのジンクスを破りたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 2番手)「今日は何もかもが順調だった。とにかく、フロントローに並ぶことが一番の目標で、それを果たせたことがうれしい。今日はラップタイムもよくて、決勝に向けていい状態ができ上がった。昨年の大会は5位とあまりよい結果じゃなかったので、今年はいいレースにしたい。今回、バイクのセッティングを大きく変えた。それがうまくいった。明日はユージェーヌとのレースになると思う」
ミケーレ・ピロ(スーパースポーツ 3番手)「昨日転倒しているので、今日はフロントローを獲得できて、本当によかった。昨年の大会は9位だったけれど、キャラミは大好きなサーキットの一つ。とにかく、明日はいいスタートを切って、よい結果を残したい。前回のイタリアは表彰台に立てなかったけれど、4位でフィニッシュできて自信になった。今回はマシンの状態もよく、優勝争いに加わりたい」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:37.243 |
2 | J.トーズランド | ヤマハ | 1:37.260 |
3 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:37.296 |
4 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:37.368 |
5 | L.ハスラム | スズキ | 1:37.401 |
6 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:37.561 |
11 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:37.953 |
17 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 1:38.917 |
20 | ブロック・パークス | Honda | 1:40.713 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 1:40.812 |
2 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +0.084 |
3 | ミケーレ・ピロ | Honda | +0.603 |
4 | 藤原克昭 | カワサキ | +0.603 |
5 | M.ラグリブ | トライアンフ | +0.606 |
6 | C.デイビス | トライアンフ | +0.863 |
7 | マッシモ・ロッコリ | Honda | +0.888 |
10 | ロビン・ハームス | Honda | +1.248 |
11 | ランス・アイザック | Honda | +1.523 |
12 | ジノ・レイ | Honda | +1.546 |
15 | ミゲル・プライア | Honda | +2.321 |
16 | バスティン・シェゾー | Honda | +3.073 |
17 | アンドレア・ボスコスクーロ | Honda | +3.334 |
18 | アレクサンダー・ルンド | Honda | +3.370 |
19 | ダニーロ・デロモ | Honda | +4.132 |
20 | ジャッカス・ペスケンス | Honda | +4.818 |