3日間ともに青空が広がったアッセン。決勝日は最高気温が26℃まで上昇。選手はもちろんのこと、観客にとっても最高の一日となった。その中で今大会WSB初のPPを獲得したジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が、決勝でも完ぺきな走りを見せて初のWウインを達成。ランキングでも総合5位から3位へと浮上した。
第1レースのトップグループは5台。レイは、ジェームズ・トーズランド(ヤマハ)、レオン・キャミア(アプリリア)、カルロス・チェカ(ドゥカティ)、トロイ・コルサー(BMW)とともに、トップグループに加わった。中盤まではコルサーが集団をリード。その後方でレイは、キャミアと激しく順位を入れ替えたが、折り返し点となる11周目にキャミアを突き放し、コルサーもかわして首位に立つと、22周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。
第2レースも激しい戦いとなった。トップ集団は6台。第1レース同様、キャミア、トーズランド、コルサーに、レオン・ハスラム(スズキ)にマックス・ビアッジ(アプリリア)が新たに加わったが、オープニングラップで首位に立ったレイは、終始、安定した走りで集団をリード。中盤、コルサー、ハスラムにトップの座を譲るシーンもあったが、第1レース同様、終盤になってもペースが衰えないレイが優勝した。終盤、キャミアが転倒するハプニングもあり、独走となったレイ。スーパーバイク世界選手権に参戦して2年目のシーズン。キャリア初のPPから、2レース完全Vを達成する最高の大会となった。
チームメートのマックス・ノイキルヒナーは、予選16番手から第1レース20位、第2レース9位だった。今大会、決勝日になってライディングスタイルを変更したというノイキルヒナーは、第1レースは序盤に転倒を喫し、大きくポジションを落とし20位に終わったが、第2レースは中団グループを抜けだし、今季ベストリザルトとなる9位でフィニッシュ。開幕戦から苦戦してきたノイキルヒナーだが、やっと、本来の走りを取り戻しつつあることを感じさせるレースとなった。
スーパースポーツは、フロントローから決勝に挑んだユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)、ケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)、ホワン・ラスコルツ(カワサキ)の3台の優勝争いとなり、予選2番手から3周目にトップに立ったラバティが、21周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。中盤までは、この3台にファビアン・フォーレ(カワサキ)を交えた4台がトップグループを形成した。この中からフォーレが転倒で脱落。終盤は3台の戦いとなったが、快調にラップを刻んだラバティが、昨年に続きオランダ大会を2連覇。開幕戦オーストラリア大会以来となる今季2勝目を飾った。
今季初のPPからチームのホーム大会に闘志を燃やしたソフォーグルは、序盤にトップに立つも思うようにペースを上げられず、中盤までは、ラバティ、ラスコルツに先行を許した。終盤になってラスコルツをかわしラバティを追ったが、最終ラップにラスコルツに逆転を許し、惜しくも3位となった。この日の最高気温は26℃。気温も路面温度も上がりタイヤに厳しいコンディションとなり、得意のブレーキングで前に出ることができなかった。今季2勝目を果たせなかったソフォーグルだが、これで開幕戦から4戦連続の表彰台。総合ポイントでは首位のラスコルツに8点差で2位をキープ。今季2勝目を挙げたラバティは、総合3位は変わらずも、ソフォーグル、ラスコルツとのポイント差を縮めた。
今大会は6台のCBR600RRがトップ10フィニッシュ。予選3番手から決勝に挑んだミケーレ・ピロ(HANNspree Ten Kate Honda)は、序盤の混戦の中でコースアウトを喫し転倒。再スタートを切るもステップを破損してリタイアとなった。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 優勝/優勝)「2レースともに優勝することができて本当にうれしい。今年になってマシンは最高の状態だった。今大会はマシンのバランスがよくて、リズムよく走ることができた。PPからスタートできたことで2レースともに混雑とも無縁だった。先週の2日間のテストから2週間、オランダに滞在していたし、まるでホーム大会で優勝したような気分だ。チームにとっても、最高のレースになったことがうれしい。とにかく、Wウインだからね。言うことないよ」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 20位/9位)「決勝に向けてマシンのセッティングを大きく変えた。そして、ウオームアップで自分のライディングスタイルを変えてみたのだが、それが結果としてよかった。抱えている課題は同じで、特にフルタンクのときにコーナーの進入がうまくいかないのだが、今日は、今までよりブレーキングをハードにかけることができた。第1レースはフロントから転んでしまい順位を下げてしまったが、第2レースは、新しい乗り方が結果につながった。今日のレースは、大きなステップを刻むことができたと思う」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 優勝)「序盤にトップに立ったときに今日はいい走りができると感じていたけれど、まさか、そのまま逃げられるとは思っていなかった。本当にすばらしいレースだった。中盤までのバトルは厳しかったけれど、その後はリードを広げることができた。昨年の優勝も厳しい戦いだったけれど、それに比べれば、今年の最終ラップは楽だった。開幕戦以来の優勝。すばらしい週末になった。チームに感謝したい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 3位)「レース序盤はとてもよいフィーリングだったのだが、ラバティとホワンに抜かれてからは、彼らを抜き返すことができなかった。今日は気温が上がったことで、ブレーキングでハードに攻めることができなかった。チームのホーム大会だったし、できることなら優勝したかったが、3位になれてよかった。次のモンツァでは、今回の悔しさをぶつけたい」
スーパーバイク(レース1)
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ジョナサン・レイ | Honda | 22 | 35:38.483 |
2 | J.トーズランド | ヤマハ | 22 | +1.106 |
3 | L.キャミア | アプリリア | 22 | +1.249 |
4 | C.チェカ | ドゥカティ | 22 | +1.548 |
5 | T.コルサー | BMW | 22 | +2.738 |
6 | M.ビアッジ | アプリリア | 22 | +2.813 |
20 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 22 | +1:04.295 |
RT | ブロック・パークス | Honda | 9 | +13Laps |
スーパーバイク(レース2)
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ジョナサン・レイ | Honda | 22 | 35:43.137 |
2 | L.ハスラム | スズキ | 22 | +1.942 |
3 | J.トーズランド | ヤマハ | 22 | +3.928 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 22 | +4.067 |
5 | T.コルサー | BMW | 22 | +4.176 |
6 | C.チェカ | ドゥカティ | 22 | +4.525 |
9 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 22 | +9.903 |
17 | ブロック・パークス | Honda | 22 | +58.819 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 21 | 34:45.753 |
2 | J.ラスコルツ | カワサキ | 21 | +2.796 |
3 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 21 | +2.962 |
4 | C.デイビス | トライアンフ | 21 | +23.040 |
5 | M.ラグリブ | トライアンフ | 21 | +26.338 |
6 | ロビン・ハームス | Honda | 21 | +32.544 |
7 | ジノ・レイ | Honda | 21 | +36.591 |
9 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 21 | +36.879 |
10 | ミゲル・プライア | Honda | 21 | +47.288 |
11 | アレクサンダー・ルンド | Honda | 21 | +48.168 |
13 | ダニーロ・デロモ | Honda | 21 | +1:28.408 |
14 | バスティン・シェゾー | Honda | 21 | +1:36.505 |
15 | パオラ・カッツォーラ | Honda | 20 | +1Lap |
16 | イムレ・トース | Honda | 20 | +1Lap |
RT | ミケーレ・ピロ | Honda | 3 | +18Laps |
ライダー(スーパーバイク)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | L.ハスラム | スズキ | 148 |
2 | M.ビアッジ | アプリリア | 128 |
3 | ジョナサン・レイ | Honda | 110 |
4 | C.チェカ | ドゥカティ | 103 |
5 | J.トーズランド | ヤマハ | 86 |
6 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 85 |
17 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 15 |
21 | ジョシュア・ブルックス | Honda | 2 |
マニュファクチャラー(スーパーバイク)
順位 | ライダー | ポイント |
---|---|---|
1 | スズキ | 148 |
2 | アプリリア | 134 |
3 | ドゥカティ | 130 |
4 | Honda | 111 |
5 | ヤマハ | 93 |
6 | BMW | 69 |
7 | カワサキ | 19 |
ライダー(スーパースポーツ)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ラスコルツ | カワサキ | 85 |
2 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 77 |
3 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 66 |
4 | C.デイビス | トライアンフ | 46 |
5 | ロビン・ハームス | Honda | 35 |
6 | ジノ・レイ | Honda | 33 |
9 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 24 |
11 | ミケーレ・ピロ | Honda | 21 |
13 | ミゲル・プライア | Honda | 17 |
14 | アレクサンダー・ルンド | Honda | 16 |
16 | ダニーロ・デロモ | Honda | 5 |
17 | バスティン・シェゾー | Honda | 4 |
19 | パオラ・カッツォーラ | Honda | 3 |
マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 95 |
2 | カワサキ | 85 |
3 | トライアンフ | 55 |