スーパーバイク世界選手権(WSB)第3戦スペイン大会の予選は、初日、2日目と好天に恵まれ、絶好のコンディションの中で行われた。予選では、トップタイムから1秒差以内に18台が入る大接戦となり、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が予選10番手から上位20位までが進出できるスーパーポールに進出し、7番手へとポジションを上げた。一方、チームメートのマックス・ノイキルヒナーは、予選12番手からスーパーポールの最終ステージ進出を果たせず、16番手へとポジションを落とした。今大会は25台が参加。カル・クロッチロー(ヤマハ)がPPを獲得した。
3戦連続2列目から決勝に挑むことになったレイは、フリー走行、予選と、セッティングが決まらず苦戦した。しかし、2日目は着実にセッティングを進め、スーパーポールではSP3に進出して7番手へ浮上。走行するごとに大きなステップを刻んだ。
レイは、大混戦の中で最低でも2列目を確保するため、SP1、SP2で予選タイヤを投入した。そのため、上位8台で競うSP3では、レース用タイヤでアタックしなければならなかったが、フロントローを狙える好走を見せた。最後のアタックでタイムを更新できず7番手に終わったが、決勝に向けて大きな自信を得る予選となった。これまでバレンシア・サーキットでは、惜しくも結果を残せずにいたレイ。今大会は、バレンシア初優勝、初表彰台の期待が膨らむ。
ノイキルヒナーも大混戦の中で、初日16番手、2日目で12番手にポジションを上げてスーパーポールに進出。SP1は12番手で通過するも、SP2は1号車に問題が発生して2号車で走らなくてはならず、16番手止まり。4列目グリッドが確定した。以下、CBR1000RR勢は、シェリダン・モライスが20番手。ヴィットリオ・イアンヌッツォ24番手だった。
スーパースポーツは、20台が参加。ユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が2戦連続となるPPを獲得。また、前戦ポルトガル大会で今季初優勝を達成して上り調子のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が3番手、チームメートのミケーレ・ピロは8番手だった。
開幕から3戦連続フロントローを獲得、2戦連続PPと絶好調のラバティは、開幕戦オーストラリア大会に続く2勝目を狙う。前戦ポルトガル大会では優勝争いに加わるも転倒を喫し、再スタートを切ったが11位という結果に終わっている。これまでバレンシア・サーキットを苦手としてきたラバティだが、今大会はその雪辱に闘志がみなぎる。ラバティと開幕戦からバトルを繰り広げているソフォーグルは、第2戦ポルトガル大会に続く2連勝に意気込む。今大会もラバティとソフォーグルの戦いに注目が集まりそうだ。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 7番手)「今回もスーパーポールがうまくいかなかった。SP2のタイムをSP3に出せていたら、フロントローに並べていた。今回はSP3とSP2で予選用タイヤを使ってしまい、SP3はレース用タイヤでアタックしなければならなかった。アタックした周回、いいペースで走れていたが最終コーナーでミスをしてしまった。2列目になってしまったが、レースタイヤでいいラップを刻めているし、決勝に向けて自信はある。バレンシアは好きなサーキット。これまでいい結果を残したことがないが、今回はチームがすばらしい仕事をしてくれているので、それに応えたい」
マックス・ノイキルヒナー(スーパーバイク 16番手)「午前中の予選はそれほど悪くなかった。いくつかのポイントも改善できたと思う。午後は路面温度が上がり、タイヤに厳しいコンディションとなったが、ここでもセッティングを進めることができた。1回目のスーパーポールはうまくいったが、そのあと、少し問題が発生して、セッティングが多少異なる2号車で走らなければならなかった。それでタイムを更新できなかった。しかし、この2日間は、いろいろ収穫があった。明日のウオームアップとレースで、さらにいい状態を見つけたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ ポールポジション)「正直、今回はPPを取れると思っていなかったので、2戦連続でPPを獲得できてうれしい。35秒台に入ったときにフロントローに並べると確信したが、35秒6までタイムを更新できた。気温が上がればタイヤに厳しいレースになる。明日のウオームアップでは、リアタイヤの状態を見るために、ロングランをしたい。バレンシアは苦手なサーキットだが、今回はいいレースをする自信がある。明日のレースが楽しみだ」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 3番手)「クリアラップが取れず、完ぺきなアタックができなかったが、今回はフロントローに並ぶことが目標だったので、うれしい。昨日は、セッティングが決まらず苦労したが、今日はなにもかもが順調だった。セッティングの変更もうまくいったし、決勝に向けて準備は整った。明日はラバティとカワサキの2人との戦いになると思うが、優勝を狙っていきたい」
スーパーバイク
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:33.615 |
2 | C.チェカ | ドゥカティ | 1:33.840 |
3 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:33.860 |
4 | L.ハスラム | スズキ | 1:33.961 |
5 | T.コルサー | BMW | 1:34.059 |
6 | S.ギュントーリ | スズキ | 1:34.073 |
7 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:34.235 |
16 | マックス・ノイキルヒナー | Honda | 1:34.934 |
20 | シェリダン・モライス | Honda | 1:36.072 |
24 | ヴィットリオ・イアンヌッツォ | Honda | 1:36.524 |
スーパースポーツ
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 1:35.658 |
2 | J.ラスコルツ | カワサキ | +0.082 |
3 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +0.344 |
4 | 藤原克昭 | カワサキ | +0.357 |
5 | D.サロン | トライアンフ | +0.594 |
6 | C.デイビス | トライアンフ | +0.633 |
8 | ミケーレ・ピロ | Honda | +0.935 |
10 | ロビン・ハームス | Honda | +1.406 |
11 | マッシモ・ロッコリ | Honda | +1.798 |
12 | ジノ・レイ | Honda | +1.980 |
14 | ミゲル・プライア | Honda | +2.369 |
15 | アレクサンダー・ルンド | Honda | +2.709 |
17 | バスティン・シェゾー | Honda | +3.353 |
18 | ダニーロ・デロモ | Honda | +3.518 |
19 | パオラ・カッツォーラ | Honda | +5.620 |