鈴鹿8時間耐久ロードレース
リザルト・レポート
2011年7月7日公開合同テスト(1)レポート

秋吉耕佑/伊藤真一/清成龍一組が最強の布陣で始動、秋吉が両日トップタイム
高橋巧/玉田誠、初顔合わせながら好調な滑り出しで上位につける

開催日:2011年7月6日(水)、7日(木) 会場:三重県・鈴鹿サーキット 天気:6日/晴れ、7日/雨 気温:6日/28.5℃、7日/25.2℃

鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)に向けての公開合同テストが、7月6日、7日の2日間で行われました。

公開合同テスト(1)レポート

今年の鈴鹿8耐のエントリーリストも発表。昨年の優勝チーム、#634 MuSASHi RT HARC-PRO.は高橋巧が続投。同僚として、昨年は伊藤真一と組んで2位となった玉田誠を迎えました。さらにチームアドバイザーとして高橋をサポートするベテラン、岡田忠之が第3ライダーとして加わります。昨年3位の#11 F.C.C. TSR Hondaは秋吉耕佑と、昨年、全日本選手権を引退した伊藤、そして、第3ライダーに英国スーパーバイク選手権(BSB)に参戦中の清成龍一というラインナップで挑むことになりました。この2チームが強力な優勝候補として注目されています。

#25 Honda鈴鹿レーシングチームは徳留和樹、安田毅史のコンビ。徳留は2009年に優勝、安田も06年2位表彰台に上がる実力者同士で挑むことになりました。野田弘樹、関口太郎、岩田悟は#999 テルル・ハニービーレーシングから参戦、速さに定評のある3人だけに注目のチームです。話題の#27 TEAM SHINSUKEからは、中木亮輔、津田一磨、鈴木慎吾が参戦します。

ライバル勢では#12 ヨシムラSUZUKIRacingTeam(スズキ)が加賀山就臣、青木宣篤、そしてオーストラリア人の新人、ジョシュ・ウォーターズを加えての参戦を発表。カワサキは出口修/芹沢太麻樹/武石伸也組の#01 エヴァRT初号機トリックスターFRTRらが参戦。ヤマハは中須賀克行が海外の耐久チーム、#7 MONSTER YAMAHA - YARTから参戦します。

6日は梅雨明けを思わせる暑さとなりました。BSB第6戦を終えたばかりの清成は、帰国して鈴鹿入り。玉田も今年初めてとなる走行に駆けつけました。#11 F.C.C. TSR Hondaは3ライダーが全員参加。#634 MuSASHi RT HARC-PRO.は高橋、玉田の2名が参加、#12 ヨシムラも加賀山、ウォーターズのみの参加となりました。

1つのエントリー枠につき3名の登録ライダーが走行できますが、テストセッションにおいては同一チームで2台までがコースインできます。秋吉、清成、伊藤は、1台を秋吉、伊藤でシェアしてセットアップを詰めながら、それを加味したマシンに清成が乗って、時間をフルに使って走り続けました。高橋、玉田は、それぞれのマシンを確認しながら走行。ときに一緒にコースインしてランデブー走行をしながら、お互いのライディングを確認するなど、順調にテストをこなしました。

徳留、安田はマシントラブルで、走行時間の大半を修復に費やすことに。野田、関口、岩田の3人は精力的に走行を重ねました。中木、津田は、この日がマシンのシェークダウン。ポジション合わせや基本的な準備がメインとなりました。

この日の総合タイムでは秋吉がトップ、2番手に高橋、3番手加賀山、4番手に玉田、5番手に清成がつけました。徳留は限られた時間で8番手タイム。10番手に#999 テルル・ハニービーレーシングがつけました。#27 TEAM SHINSUKEは40番手で1日目を終えました。

テスト2日目は終日、雨となりました。午前は雨量が多く、各車、路面状況を見ながら慎重にコースイン。午後も午前ほどの強さではありませんが、変わらず雨。午前、午後の走行ともに、慣れない雨に転倒車も多く出て、赤旗が提示されました。その度にピットインしてコースクリアを待ちながらの走行が繰り返されることになりました。

#11 F.C.C. TSR Hondaは、秋吉セットをメインとして、3人が順調にテストをこなしました。最後の走行では秋吉が清成を引っ張り、清成も雨でのタイムアップに成功しました。伊藤は、チームとしての仕上がりを冷静に見極めるように、落ち着いた走行を繰り返して2日間のテストを終えました。

秋吉と伊藤は、09年にペアを組んだ経験もあり、全日本参戦時も一緒に行動していたことで、気心も知れています。秋吉は伊藤を兄のように慕っていることもあり、チームワークに問題はありません。清成は、2人と組むのは初めて。伊藤とは前オフシーズンにグアムでのトレーニングに参加しましたが、一緒に走るのは初めてとあって、大先輩とのチームに緊張を見せましたが、しっかりと走行をこなしました。秋吉に対しても速さを認めており、胸を借りるような気持ちで、今回のテストに挑みました。

また、玉田と高橋も6月上旬から一緒にトレーニングを開始するなど、すでに息はぴったり。2人は、ウエット路面でもきっちりロングランをこなし、じっくりとマシンを仕上げていました。

総合タイムでは、トップに秋吉、2番手に清成と、雨での速さを印象づける結果となりました。3番手に加賀山、4番手に玉田と優勝候補たちが続きました。#999 テルル・ハニービーレーシングは9番手、マシンのトラブルが解消した#25 Honda鈴鹿レーシングチームは14番手につけました。#27 TEAM SHINSUKEは27番手と1日目より大きくジャンプアップしてテストを終えました。鈴鹿8耐の合同テストは7月12日、13日にも行われ、最終調整をして7月26日(木)開幕の本番を迎えます。

  • F.C.C. TSR Hond
  • F.C.C. TSR Honda
  • MuSASHi RT HARC-PRO.
  • MuSASHi RT HARC-PRO.
  • 玉田誠
  • 高橋巧
  • TEAM SHINSUKE
コメント

秋吉耕佑(#11 F.C.C. TSR Honda) 「雨の路面は転倒車も出るくらい厳しかったです。でも、その状況の中でもマシンのいいところも悪いところも探したので収穫は多かったと思います。チームに関しては、伊藤さんとは組んだことがあるし、尊敬するライダーですから文句はありません。また組むことができてうれしいです。清成君は8耐でも勝っているし、いいライダーなのは分かっていたので、一度、一緒に走りたいと思っていました。みんなが8耐優勝を経験しています。勝って当然でしょうし、勝たなければならないと思っています。目的は一緒ですから、そこに向かっていくだけです。今回のテストは順調にこなせたと思います」

伊藤真一(#11 F.C.C. TSR Honda) 「全日本フル参戦は卒業したけれど、8耐は参戦し続けたいと思っていました。それは、もっと気楽な形で楽しんで乗る8耐のつもりでした。勝ちを狙える体制で走れるというのは、望んでもできることではないですから。でも、また、こうやってチャンスをもらって、ありがたく思っています。今回のテストは“秋吉セットアップ”で、それに僕と清成が合わせていくという方向で進めていきました。僕が足を引っ張らないように、8耐に向けて調子を上げていこうと思っています。今のところ、何も問題なく進んでいます。次のテストでは、自分もトップタイムを狙っていきます」

清成龍一(#11 F.C.C. TSR Honda) 「今年の計画では、8耐の時期にスーパーバイク世界選手権にスポット参戦する予定でしたが、それがチームの事情でキャンセルになり、8耐に参戦できることになりました。BSBのタイヤはピレリなので、昨年は8耐でブリヂストンに変わることで戸惑いましたが、今年は、戸惑いと感じることがあまりなくスタートできたように思います。伊藤さんも秋吉さんも初めて組みますが、大先輩ですし、どちらもMotoGP経験者。勉強になることがたくさんあるので楽しみにしています。最後の雨の走行では秋吉さんに引っ張ってもらい、タイムを出すことができました。第3ライダーの仕事をしっかりこなせるようにがんばります」

高橋巧(#634 MuSASHi RT HARC-Pro.) 「玉田さんがもてぎで開催されたMotoGPで勝つのを、観客として見ていました。ものすごくかっこよくて、よく覚えています。そんな大先輩と組むことができてうれしいです。ペアが決まってすぐに玉田さんから連絡をもらって、一緒にトレーニングをしました。玉田さんは、とても明るくて、一緒にいて楽しいです。リラックスさせてくれるので、緊張することなく走ることに集中できています。玉田さんから、いろいろと教えてもらって、自分のレベルを上げていきたいと思っています」

玉田誠(#634 MuSASHi RT HARC-Pro.) 「昨年の優勝チームで走れることは、ライダーとしてとても光栄です。一緒にコースインして、後ろから巧の走りを初めてじっくり見ることができました。以前から、いいライダーだとは思っていましたが、器用だしポテンシャルの高さを感じることができました。きっと、いいレースができると思います。チームにも、すぐに溶け込むことができました。ライダーのことを第一に考えてくれるので、レースに集中できます。8耐最高位は昨年の2位なので、今年こそ、優勝したいです」

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