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Honda Team 2010

公開合同テスト レポート

Jul 2, 2010
玉田誠(左)、伊藤真一(右)
  • 玉田誠(左)、伊藤真一(右)
  • 玉田誠
  • 玉田誠
  • 伊藤真一
2010年6月30日(水)、7月1日(木)

伊藤/玉田組が総合2番手タイム叩き出す
単独参加の高橋巧は3番手、亀谷/マクスウェル組は4番手

会場:三重県・鈴鹿サーキット
天候:晴れ(30日)、晴れ一時雨(1日)
気温:28℃(30日)、30℃(1日)

真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐)に向けての公開合同テストが6月30日、7月1日の2日間で行われた。30日には最新のエントリーリストも発表され、ムードも盛り上がる中でテストが始まった。

今回、ジョナサン・レイと組む秋吉耕佑(F.C.C. TSR Honda)は、ケガでMotoGPを欠場中の青山博一の代役として海外に出ているためテストには参加していない。注目は、Keihin Kohara Racing Teamの伊藤真一と玉田誠の2人だ。

玉田は、今季Honda系チームからスーパーバイク世界選手権(WSB)に参戦予定だったが、チーム体制が整わず待機。レース出場はレンタル参戦となった第2戦ポルトガルのみという状況だった。今回、鈴鹿8耐参戦に名乗りを挙げた玉田は、ミスター8耐と呼ばれる伊藤のペアライダーの座を射止めた。玉田は「このチャンスをいただけたことに感謝します」と気合満点。全日本ロードレース選手権の事前テストが6月にスポーツランドSUGOで2日間あり、そこが初乗り、鈴鹿8耐に向けての本格的なテストはここからとなった。

若手有望株の高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO.)は清成龍一と組む。今回、清成は英国スーパーバイク選手権のスケジュールにより不参加。第3ライダーの中上貴晶が参加予定だったが、SUGOの全日本テストで転倒、ろっ骨を折るケガを負って不参加。高橋だけがテストすることになった。

亀谷長純(Honda DREAM RT 桜井ホンダ)はウェイン・マクスウェルとともにテストに参加。手島雄介は岩田悟とのペアでTEAM PLUS ONEからの参戦を決めた。手島はMoto2参戦の勉強のためカタルニアGP観戦のため、30日の一日のみの走行。野田弘樹/関口太郎(テルル・ハニービーレーシング)も参加して、鈴鹿8耐に向けてのテストをこなした。

伊藤真一
  • 伊藤真一
  • 高橋巧
  • 高橋巧
  • 高橋巧

1日目は晴天に恵まれ、気温も30℃近くまで上昇し、鈴鹿8耐本番を思わせる天候となった。参加チームはA、Bとグループ分けされ、70分の走行が3回、夜間走行も45分間が用意された。主要チームは2台のマシンを準備、それぞれのライダーが走行とピットインを繰り返しながら黙々とテスト項目を消化した。

注目の玉田は真っ先にコースイン、早々に2分10秒台を難なく出して順調な滑り出し。伊藤も鈴鹿2&4で両肩甲骨を骨折、そのケガの具合が心配されていたが、そのケガも癒え、淡々と走行をこなした。最後に玉田が伊藤のマシンに乗り換え、A組トップタイムとなる2分9秒602に入れた。伊藤も玉田とそん色ないタイムを記録。B組のトップは2分9秒129を記録した酒井大作(スズキ)で、わずかに玉田のタイムを上回り、この日のトップとなった。高橋は2分9秒624の3番手タイムで「まだまだ、しっくりこないので、もっと、セッティングを詰めていきたい」とこれからを強調。亀谷は5番手、マクスウェルは6番手とコンビネーションの高さを示した。8番手には浜口俊之(クラウン警備保障RACING)、10番手に手島がつけた。

夜には夜間走行も行われ、各チーム、夕闇のコースへと飛び出した。トップタイムは酒井/青木宣篤、2番手に亀谷/マクスウェル、3番手に伊藤/玉田、4番手に高橋が続き、1日目のスケジュールを終了した。

2日目は60分の走行が3回組まれた。雨の予報は外れて、朝から快晴。前日と変わらず気温も上昇して、午前中の時点で気温は30℃となった。A組からスタートが切られ、玉田、伊藤とも2分9秒台へ難なく入れて好調を印象づけた。高橋はセットアップに悩みながらも2分9秒台。B組の酒井が2分8秒台、亀谷は2分10秒台に入れた。

この日、3度目の走行ではA組の走行途中から雨が落ち、各車ピットイン。激しく降る雨で、成り行きを見ながらライダーたちは待機。雨の中に飛び出したのは玉田で、「どんなコンディションでも経験しておきたい」と積極的に走った。B組の始まる前には雨が上がり、急速に路面が回復、亀谷が2分9秒台にタイムを入れた。

最終的には酒井/青木が2分8秒972でトップタイム、2番手に伊藤/玉田(2分09秒214)。3番手高橋、4番手亀谷/マクスウェル、ここまでの順位は2日間総合でも変わらず。以下、9番手に浜口、10番手に岩田/手島、11番手に野田/関口となった。

2日間の路面温度は最高60℃を記録、鈴鹿8耐に向けての充実したテスト走行を終えた。

コメント

伊藤真一(総合2番手)|Keihin Kohara Racing Team「玉田選手は、昨年までWSBで一日2レースというハードなレースをこなしていたライダー。今季はレースをあまりこなしてはいないとはいえ、ブランクはないのと一緒。まったく心配していない。今回は初の顔合わせで、2人で2台のマシンを乗り換えながら、どれくらいの状況なのかを確認した。思ったよりもいい感じで乗れているので満足。やらなければならないことは、たくさんあって、これからがスタート。8耐までには仕上げていけるんじゃないかと思う。まったく無理せずお互いに9秒台、ちょっと上げれば8秒台も普通に出せるはず。次のテストからしっかりマシンを作っていきたい。自身のケガの痛みもなくなってきたのが好材料としてあるので、もっともっとポテンシャルを上げていきたい」

玉田誠(総合2番手)|Keihin Kohara Racing Team「伊藤さんと8耐を走れることになって最高にうれしいです。バイクに乗りたくて、乗りたくてレースがしたくてしたくて、このチャンスを待っていました。期待してもらっていると思うし、思いたいので、それにきっちりと応えたい。8耐は4年ぶりなので、いろいろなコンディションを試せたらうれしいと思っていました。今回はドライもウエットも経験したかったし、ロングランもこなしたかった。予想とは違って雨の路面が微妙だったし、途中で雨だったことでロングランができなかったのが心残りですが、マシンには違和感なく乗れていますし、無理もしていない。楽に乗ってタイムが出ているので、これからが楽しみです。残りのテストもしっかり走って8耐本番に備えたい」

高橋巧(総合3番手)|MuSASHi RT HARC-PRO.「清成さんとは2回、一緒にトレーニングをしたことがあります。一緒に走ることが決まってからは、電話でよく話をしています。今回もアベレージを上げることを頼むと言われ、そうできるようにがんばっていたのですが、ここはと思うところを変えると、こっちが乗りにくいというようにバランスを取るのが難しい。まだ、満足というところまで詰められていませんが、次のテストでは清成さんが来てくれるので、しっかりとマシンを仕上げていきたい。8耐に向けてトレーニングをしっかりとこなして準備したい。最後の走行は雨が途中で降って来てロングランができなかったので、次回、しっかりこなしたいと思います」

亀谷長純(総合4番手)|Honda DREAM RT 桜井ホンダ「ペアライダーのマクスウェルはパッと乗って10秒台を出してくれているので問題なく進んでいます。コンビネーションとしても悪くない。でもマシン的には、もっと、ロングランをしたいし、タイヤ選びもこれからなので、次のテストでしっかりと仕上げたい。ただ、鈴鹿300qから一緒に走り、テストもきちんとこなして8耐に挑めるのは、最近ではなかったので、ライバルチームよりは準備が進んでいると思う。それをアドバンテージにできるようにしっかりテストを重ねていきたい」

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