鈴鹿300km耐久ロードレース 予選レポート
Jun 12, 2010F.C.C. TSR Hondaの秋吉耕佑がポールポジションを獲得
Honda DREAM RT 桜井ホンダの亀谷長純/ウェイン・マクスウェル組が3番手
会場:三重県・鈴鹿サーキット
天候:快晴
気温:27.3℃(15時)
観客:1万1000人
7月25日(日)に決勝が行われる2010 QTEL FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)。その前哨戦として、6月12日(土)に“Road to 8hours”鈴鹿300km耐久ロードレース(以下、鈴鹿300km)が始まった。鈴鹿300kmは、鈴鹿8耐を見据えたライダー体制や、マシンのセットアップや仕上がりを確認する重要な場として注目度が高いレースの一つである。
今回の鈴鹿300kmには、昨年の覇者であるF.C.C. TSR Hondaから秋吉耕佑が参戦。当初、ジョナサン・レイとのペアでエントリーしていたが、レイはスーパーバイク世界選手権第7戦でのケガを考慮し、出走をキャンセル。秋吉は単独での挑戦となった。ゼッケン2番Honda DREAM RT 桜井ホンダからは今年も亀谷長純がエントリー。オーストラリアスーパーバイク選手権で活躍するウェイン・マクスウェルとペアを組み、優勝を狙う。そして、ゼッケン634番 MuSASHi RT HARC-PRO.からは全日本ロードレース選手権JSB1000クラスで現在、ポイントランキングトップに立つ高橋巧が中上貴晶とペアを組み参戦。そのほか、予選には全24台のHonda CBR1000RR勢が出走し、鈴鹿8耐に向けた重要な一戦に挑んだ。
予選が行われた12日(土)は、日差しが強く真夏を思わせる気候の中で開催された。1回目の公式予選は、12時20分にスタート。早々に快調な走りでトップに踊り出たのは、#11 F.C.C. TSR Hondaの秋吉。自身が持つコースレコードには届かなかったものの、2分8秒385という好タイムを記録し、トップにつけた。続く2番手タイムは、#2 Honda DREAM RT桜井ホンダの亀谷がマークした2分8秒899。4番手には、#3 クラウン警備保障RACINGの北口浩二/浜口俊之ペアがマークした2分9秒658。#634 MuSASHi RT HARC-PRO.は中上単独のタイムアタックで2分10秒665をマークし7番手となった。さらに、#25 Honda鈴鹿レーシングチームの森井威綱/中村知雅ペアが2分11秒955で9番手に入り、トップ10に合計5台のHonda勢がランクインした。
2回目の公式予選は14時55分にスタート。途中、最終コーナーで転倒したマシンがコース上に残ってしまい赤旗中断となったが、大きな遅れはなく進行された。予選1回目からの好調を維持する秋吉は2分8秒538をマークし、ここでもトップタイムをマーク。予選1回目2番手のHonda DREAM RT 桜井ホンダの亀谷/ウェイン・マクスウェル組は2分8秒台にあと一歩届かず、#12 ヨシムラスズキwith JOMOに続く3番手となった。また、#634 MuSASHi RT HARC-PRO.は高橋が走行し、2分9秒063をマーク、1回目の予選から1秒以上タイムを更新して4番手に入った。そして、#3 クラウン警備保障RACINGの北口/浜口ペアは予選1回目より若干タイムを落とし、2分10秒206で6番手を獲得した。
2回の公式予選を通じて、好タイムを出した#1 F.C.C. TSR Hondaが13日(日)に行われる鈴鹿300km決勝レースでポールポジションからスタートする。決勝レースは13時10分にスタート、Honda勢の優勝に期待がかかる。
順位 | No. | ライダー | チーム名 | タイム/差 |
1 | 11 | 秋吉耕佑 | F.C.C. TSR Honda | 2:08.385 |
2 | 12 | 酒井大作/青木宣篤 | ヨシムラスズキwithJOMO | 2:08.753 |
3 | 2 | 亀谷長純/ウェイン・マクスウェル | Honda DREAM RT 桜井ホンダ | 2:08.899 |
4 | 634 | 高橋巧/中上貴晶 | MuSASHi RT HARC-PRO. | 2:09.063 |
5 | 48 | 出口修 | PLOT PANTHERA | 2:09.588 |
6 | 3 | 北口浩二/浜口俊之 | クラウン警備保障RACING | 2:09.658 |
7 | 1 | イゴール・ジャーマン/グウェン・ジャバニ | YAMAHA AUSTRIA RACING TEAM | 2:10.177 |
8 | 54 | 武田雄一 | Taira Racing | 2:10.824 |
9 | 99 | 野田弘樹/関口太郎 | テルル・ハニービーレーシング | 2:11.766 |
10 | 5 | 武石伸也/今野由寛 | TRICK☆STAR RACING | 2:11.870 |
秋吉耕佑(ポールポジション)「新しいセッティングでレースウイークに入ったが、うまくまとまらなかった。以前のセッティングに戻し、なんとか走りきれるマシンに仕上がった。一発の速さというよりはアベレージタイムの速さを意識している。明日の決勝レースは天候が不安。最初は後ろから淡々と走り、状況にあったレース展開をしたい」
亀谷長純(3番手)「今年はこのタイミングでペアライダーが決まっているので、8耐に向けて準備期間がある。ウェインも金曜日に初めて乗ったにもかかわらず、いいタイムが出ている。明日の決勝は楽しいレースができると思う。まだ課題はあるので、それを詰めていきたい」
ウェイン・マクスウェル(3番手)「亀谷選手をはじめ、ほかの速いライダーから学ぶべきことがある。明日の決勝はトップライダーになんとかついていきたい。鈴鹿8耐はオーストラリアでもとても有名。そのような場で走れるということはとても名誉なことだと思っている」
高橋巧(4番手)「今日は予想していたタイムまで持っていけなかった。最後に少しタイムが上がったものの、今日の走りには満足していない。明日の決勝は雨だと思うが、正直、雨に苦手意識がある。その中でも、中上選手と協力して8耐につながるレースをしたい」
中上貴晶(4番手)「1000ccマシンがどういう特性なのか分からなかった。今まで乗ってきたマシンとスピード感は変わらないが、重さ、パワー、加速などが違って戸惑った。まだまだ扱いきれていないが、今よりタイムが下がることは無い。一つずつ課題をクリアして、決勝では上位を目指したい」