モータースポーツ > 鈴鹿8耐 > 合同テストレポート
 
合同テストレポート
2007 SUZUKA 8HOURS
合同テストレポート

Honda勢、鈴鹿8時間耐久ロードレースに向けて合同テストに参加
TEAM HRCのジェームス・トーズランドが決勝に向けて順調な仕上がりを見せる

日程:7月11〜12日・メーカー合同テスト

2007年7月12日(木)

7月11日から2日間にわたり、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにおいて、7月29日(日)に決勝レースを迎える2007 QMMF FIM 世界耐久選手権シリーズ第3戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下 鈴鹿8耐)に向けたメーカー合同テストが行われ、先週の4日から行われたテストに引き続き、Hondaワークスチームの「TEAM HRC」をはじめとする、Honda勢の鈴鹿8耐参戦チームが参加した。「TEAM HRC」からは、5月30、31日以来となる自身2回目の鈴鹿サーキットでのテストとなった、今シーズンWSB(スーパーバイク世界選手権)ポイントランキングトップ(7月12日現在 暫定)の活躍を見せているジェームス・トーズランド(イギリス 26歳)と、「TEAM HRC」より全日本ロードレース選手権に参戦している手島雄介(埼玉県 24歳)の両選手が、2日間にわたるテストに臨んだ。

7月11日のメーカー合同テストは、前日から降り続く雨の中、水しぶきが飛び散るフルウエットコンディションのコースで午前のテストが開始された。8日まで行われたWSBブルノテスト直後の来日となったトーズランドは、WSBとは異なるパッケージングとなる、JSB仕様のCBR1000RRWとミシュランタイヤの感触を確かめるべく、レインタイヤを装着したマシンによるタイヤテストと、マシンセットアップを兼ねたロングランテストを精力的にこなし、計37周を走行した。手島は、先週のテストに引き続き、耐久レースに必要不可欠な燃費確認走行やタイヤテストのメニューをこなし、計35周を走行した。雨の勢いが弱まってきた午後のテストは、両選手ともに約1時間のロングランでスタート。トーズランドは、来日に際して雨の影響で飛行機の出発が遅れたことなどによる疲れを感じさせない、実戦を意識したラップタイムで計30周の走行を重ねて、自身がセールスポイントであると公言する安定した走りを披露。一方で手島も計47周を走行し、限られた時間内でチームにとって有益なデータを蓄積した。また、雨が止み、ハーフウエットコンディションとなった19時過ぎには、ヘッドライトを点灯させての夜間走行テストも行われた。耐久レース初参戦となるトーズランドにとって、レース人生で初めての経験となり、決勝での走行も考えられる耐久レース特有の走行状況でマシンとコースの感触を確かめた。

テスト2日目の12日は、早朝に降った一時的な大雨や断続的に降り続く雨の影響で、前日同様コースはウエットコンディションとなり、レインタイヤを装着したマシンによるテストが行われた。天候の影響により、午後に予定されていた「TEAM HRC」のテスト走行プログラムは中止となり、午前中のみ行われたテストでは、トーズランド、手島の両選手が前日に続いて計15周を走行するテストプログラムを消化し、8耐仕様のマシンセッティングを改めて確認して2日間のテストを終えた。また、ピット内では決勝を想定した燃料補給のテストや確認作業が行われるなど、チーム一丸となった準備作業が行われた。

なお、2日間のテストを通じてコースがドライコンディションとなることは無く、「TEAM HRC」をはじめとするHonda勢は、終始フルウエット、ハーフウエットコンディションでのテストとなった。

ライダー&チームのコメント

#11 ジェームス・トーズランド(TEAM HRC 11)
ジェームス・トーズランド「今回で2回目のテストだったが、雨に見舞われたため、ドライコンディションでのテスト不足は否めないが、CBR1000RRWの特性やミシュランタイヤのハイグリップにも満足しているし、チームスタッフが非常にがんばってくれているのでとてもうれしく思っている。レースの合間をぬってでもテストに参加してよかった。8耐はWSBとは違ってワークス体制でレースに臨めるうえに、このレースがHondaにとって重要なレースであるということは承知しているので、結果を残せるようにがんばりたい。自分にとって耐久レースは初めての経験なので、2週間後のレースがとても楽しみだ。日本のファンにも覚えてもらえるよう、すばらしい走りを披露したい」

#33 手島雄介(TEAM HRC 33)
「この2日間はあいにくの雨でしたが、8耐本番で使うことになるであろうレインタイヤのテストを十分にこなすことができたと思います。こういったテストにおいても、少しずつ自分の課題を克服するべく、ドライコンディションにも共通する点でのスキルアップを意識して走行しています。次回、19日のテストでは、今日得られたよかった点を生かしてテストに尽力したいと思います。決勝までのテストは残り1日となりましたが、いいテスト結果を残すことで、リザーブライダーにしておくにはもったいないと思ってもらえるようがんばります。当然ですが、チームの勝利のためにレース本番で乗ることになれば、100%の力を発揮できるための準備はできていますし、全力を尽くしたいと思います」

山野一彦 HRC 8耐プロジェクトリーダー
「今回参加したトーズランド選手は、雨の中でのテストに限られたものの、走り始めからポテンシャルの高さを証明してくれました。限りある時間の中で、最大限に集中して自分の実力を証明しようとしてくれた彼の姿勢は、チーム員にとってもいい刺激となったように思います。どちらのチームに関しても、これまですべての項目を順調に推進しており、ここからは、最終調整に入っていきます。それぞれ各人が勝つために何をやればよいのか理解を深めているので、決勝日は万全の体制で臨めるはずです。本番に向けて全員がおごることなく、今までの努力を無駄にしないようにがんばります」

松原輝明 「TEAM HRC 11」監督
「トーズランド選手とは2回目のテストとなりましたが、ウエットコンディションでも高いポテンシャルを発揮してくれているので、ドライコンディションではほとんどテストできていませんが、大きな心配は無いと考えています。本人もマシンの仕上がりとセットアップには満足してくれているので、本番がどんなコンディションであっても問題無いでしょう。レースも近づき、チームの士気も高まってきています。動きもスムーズになってきましたが、慣れからくるミスが出ないよう、気を引き締めていきたいと思います。来週のテストでマシンの最終確認をして、完ぺきな状態に仕上げられるよう、チーム全体でがんばります。また、これまでも全力でがんばってくれているチームスタッフ全員に感謝したいと思います」

山路敏幸 「TEAM HRC 33」監督
「本番前に行う3回のテストのうち2回を終えて、本番でも想定されるウエットコンディションでのマシンセットアップとタイヤテストは、かなり高いレベルで行うことができました。最終テストとなる来週(19日)は、ピットワークの最終確認、マシン機能の最終確認を行います。どのようなコンディションであっても、チームにとって、大きな心配要素がないよう確実に消化したいと考えています。手島選手をはじめ、チームのメカニックやスタッフ全員が全力でがんばってくれているので、最高の結果が得られるよう最後まで一致団結してがんばります」

※このサイトをご覧になるには最新の Flash Player が必要です。