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合同テストレポート
2007 SUZUKA 8HOURS
合同テストレポート

Honda勢、鈴鹿8時間耐久ロードレースに向けてテストを実施
TEAM HRCは良好な結果でテストを終える

日程 : 7月2〜3日・公開合同テスト、7月4〜5日・メーカー合同テスト

2007年7月5日(木)

7月2日から三重県・鈴鹿サーキットにおいて、7月29日(日)に決勝レースを迎える2007 QMMF FIM 世界耐久選手権シリーズ第3戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下 鈴鹿8耐)に向けた公開合同テストが、続く4日からはメーカー合同テストが行われ、HondaワークスチームのTEAM HRCをはじめとする鈴鹿8耐参戦チームが参加した。TEAM HRCからは、7月2日にHondaワークスチームのライダーとして参戦することが発表されたMotoGPライダーのカルロス・チェカと、リザーブライダーとしてエントリーされた岡田忠之、手島雄介が7月3日からテストに臨んだ。

カルロス・チェカ

7月3日の公開合同テストは、梅雨シーズン特有のすっきりしない天候となった。しかし、午前中こそウエットコンディションだったが、TEAM HRCが走行を始めた午後になってから天候は梅雨の合間の晴れ模様となり、路面はドライコンディションとなった。非常に蒸し暑いコンディションの中、チェカはMotoGP第9戦オランダGP終了直後の来日にも関わらず、2007年8耐仕様のCBR1000RRWを初走行。翌日からの本格テストに備え、コースとマシンの感触を確かめた。この日は慣熟走行にも関わらず、彼ならではのスムーズな走りで19周を走行して2分11秒台をマーク、MotoGPライダーとしての実力を披露した。岡田はマシンとタイヤの確認を中心に32周を走行し、鈴鹿を知り尽くしたベテランらしく、2分9秒台のタイムを出した。

翌4日のメーカー合同テスト初日は、再び厚い雲が広がる梅雨空となった。テスト開始直前から小雨が降り出し、昼ごろからテスト終了まで路面コンディションはウエットとなった。そんなコンディションの中、チェカと岡田はレインタイヤを中心としたタイヤテストとロングランをこなし、チェカは合計で44周、岡田は合計で46周を走行。ベストタイムはともに路面コンディションのいい午前中に出した2分10秒台だった。また、手島は耐久レース特有の燃料タンク容量の確認走行を中心としたマシンチェックのプログラムをこなし、合わせて18周を走行した。テストプログラムは順調に進み、ウエットコンディションのもと、有益な情報を収集できた一日となった。

岡田忠之   岡田忠之

今回のテスト最終日の5日は朝から雲が多く、時折り強い風が吹くものの天候に恵まれ、ドライコンディションとなった。前日が終始ウエットコンディションだったこともあり、各チームドライタイヤによるセットアップとタイヤテストに集中した。TEAM HRCはチェカ、岡田ともにタイヤテストとロングランを実施。チェカは合計で57周を周回し、2分9秒台のタイムで安定したロングランを披露した。岡田は合わせて62周を走行し、非公式タイムながら最終日のトップタイムとなる2分8秒台半ばのベストタイムを含むベテランらしい走りを見せ、マシンの仕上がりのよさとライダーの経験と速さをアピールした。午前中のテスト終了間際に転倒による赤旗でセッションが中断する場面もあったが、テストプログラムを順調に消化、TEAM HRCをはじめとするHonda勢は、ウエット、ドライという両方のコンディションを通して、鈴鹿8耐に向け有意義なテストとなった。

ライダー&チームのコメント

#33 カルロス・チェカ(TEAM HRC 33) カルロス・チェカ 「今日はミシュランのフロント、リアタイヤのテストを中心にこなした。タイヤの持ちとグリップに関して、いいバランスのものが見つかった。全体的にポジティブな結果だったし、有益な情報を得ることができた。昨日はウエットコンディションでテストを行うことができた。まだサイドグリップや、コーナーに入るときの寝かせこみ、向きを変える際のスピードアップが必要なところもあるが、セッティングで改善できると思う。マシンはMotoGPと比べて重量があるので減速と方向転換が少しばかり難しいが、エンジンの出力特性はスムーズだし、ライディングが楽しいマシンだ。鈴鹿は僕にとって特別なコースだが、やはり日本人で速いライダーが多い。今回のテストを通じて自分のライディングが進歩したと思うが、新しくなったシケインなど、もっと速さが必要だと思う。まだライバルが誰になるか言えるような状況ではないが、前回、今回といいテストができたし、今の時点での目標も達成できている。Hondaにとって、とても大事なレースである8耐にTEAM HRCから参戦することができて、とても光栄に思っており、優勝に向けてチャレンジしたい。明日MotoGPのドイツGPに向けて日本を発つが、頭の中のチップをMotoGPに切り替えて、がんばりたい」

#11 岡田忠之(TEAM HRC 11) 岡田忠之「今回のテストはタイヤテストとロングランが中心でしたが、今日は平均タイムもよかったですし、2分8秒台をキープでき、いい走りをアピールできたと思います。昨年のマシンもよかったですが、今年のマシンはパワーも上がっており、さらに乗りやすいマシンに仕上がっています。それが平均タイムの向上のつながっていると思います。まだやるべきことは残っていますが、マシンの仕上がりはよいので、あとはタイヤ選びを進めるためのテストが中心になると思います。今現在はリザーブライダーとしての登録になっていますが、レギュラーライダーとして指名されるよう、全力でがんばっていきます」

#33 手島雄介(TEAM HRC 33)
「今回のテストは、リザーブライダーということで、燃料タンク容量の確認など、耐久レースらしいマシンチェックのプログラムをこなしました。それほど走り込んだわけではありませんが、チームの一員として与えられた仕事をがんばってこなしています。今後もチームの優勝を目指してがんばっていきますので、応援をよろしくお願いします」

#54 鎌田 学(仮面ライダー電王 Honda Dream RT)※公開テストのみ参加
「耐久レースならではの課題である燃料消費量の課題をクリアするため、がんばって走っています。マシンに大きな問題はなく、安定したタイムで走れていますが、前後サスペンションのバランスを整え、燃費をクリアしながら、もっとセットアップを進めていかなければいけません。基本的には、来週のテストで事前テストは終了しますが、本番は鈴鹿8耐ならではのペースもありますし、レースウイーク中に梅雨が終わってコンディションが変わることも多いので、今焦っても仕方ありません。本番に向け、確実に整えていきたいと思います」

#54 徳留和樹(仮面ライダー電王 Honda Dream RT)※公開テストのみ参加
「今回はマシンのセットアップと燃費の確認を中心にテストしました。マシンパフォーマンスはまずまずですが、燃費の目標をクリアしなければいけません。タイヤはほぼ決まっているので、あとはタイヤに合わせて最適なマシンのセットアップを行っています。前回のテストでは平均して10秒台で走れましたが、今回はもう少し、というところでした。これからもっとセットアップを進めていけば、燃費も含めてタイムも目標に届くと思います。来週のテストもがんばります」

山野一彦 HRC 8耐プロジェクトリーダー
「テスト最終日の今日は、ドライコンディションでテストを行うことができました。もっと気温と路面温度が上がってくれればベストでしたが、ぜいたくは言っていられません。結果的に、今回はウエットとドライと両方の条件をバランスよくテストすることができ、どちらのコンデュションにおいてもロングランの検証をこなせ、充実したテストになりました。今回のテストに向けてTEAM HRCとして想定した平均タイムも達成できていると思いますし、テスト結果には満足しています。MotoGPの合間をぬって参加してくれたチェカ選手、そして岡田選手に手島選手、そしてスタッフも本番に向けてがんばってくれています。ここまで段取りしてきたことは、順調に消化できていますので、来週のテストも確実にこなしていきたいと思います」

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