モータースポーツ > 鈴鹿8耐 > TEAM HRC、雪辱にかける意気込み 山野一彦 8耐プロジェクトリーダー インタビュー
 
TEAM HRC、雪辱にかける意気込み 山野一彦 8耐プロジェクトリーダー インタビュー
2007 SUZUKA 8HOURS
山野一彦 8耐プロジェクトリーダー

鈴鹿8耐30回記念大会にHonda 11連覇をかけて挑むTEAM HRC。今年はゼッケン11にイギリススーパーバイク選手権(BSB)チャンピオンの清成龍一、スーパーバイク世界選手権(WSB)で現在ランキングトップにつけるジェームス・トーズランド。ゼッケン33にMotoGPに参戦中のカルロス・チェカとBSBで3連勝中のジョナサン・レイが組み参戦。この2つのチームを統括する山野一彦8耐プロジェクトリーダーが8耐への意気込みを語った。

マイナスからのスタートを決意。

マイナスからのスタートを決意。昨年の8耐はHonda勢としては10連覇を達成したのですが、HRCとしては負けてしまったわけで、それを謙虚に受け止めることから始めました。今年、MFJから全日本ロードレース選手権へのワークス参戦自粛が解禁されたことを受けて、5年ぶりにHRCとして全日本活動を再開しました。8耐のみのワークス参戦では、8耐への準備を整えることが難しいとの思いもありました。もちろん、それだけではなく、全日本復帰にはさまざまな理由があるのですが、8耐に向けてデータを収集できることは大きなメリットです。

昨年の8耐で勝つことができなかった悔しさは大きなものでした。ですから、8耐に関わるスタッフがみんな集まり、8耐に向けてのミーティングを重ねました。何がいけなかったのか、何が足りなかったのか、それを補うためには何が必要なのかと話し合いました。私たちはゼロからのスタート、いや、マイナスからのスタートを決意して準備を始めたのです。

世界中から8耐候補ライダーを募る。

8耐候補ライダーも世界中のHondaライダーに打診することから始めました。MotoGPのニッキー・ヘイデン選手やマルコ・メランドリ選手も参戦の意思を表明してくれたのですが、テスト日程や、レーススケジュールを照らし合わせると調整するのが難しかったことから断念しました。MotoGP勢では、チェカ選手が、スケジュールが噛み合ってオーディションに参加してくれることになったのです。そのほか、BSBの清成選手、レイ選手、トーズランド選手、ラッセル・ホーランド選手、岡田忠之選手、手島雄介選手が参加しました。その結果、清成/トーズランドがゼッケン11、チェカ/レイがゼッケン33となりました。そして、リザーブライダーに岡田選手、手島選手としました。

才能豊かなライダーたち。

ライダーの選出、組み合わせはとても難しく、悩みます。このラインナップは、6月中に行われたオーディションの結果とテスト走行のアベレージタイムのいいライダーから順番に組み合わせたものです。清成選手は、昨年BSBチャンピオンになり、人間的にもライダーとしても大きな成長を感じています。Hondaの8耐チームのエースライダーとしての自覚が出てきたとうれしく思っています。トーズランド選手は、8耐の実績はないのですが、スーパーバイク世界選手権での速さ、実力に加え、オーディション時に見せたクレバーさや順応性の高さが光っていました。初めての鈴鹿サーキット、初めての8耐マシンで、すぐに好タイムを記録しました。さらに与えられたものだけでなく、自らアイデアを出し、オーダーした以外にもトライしようとする積極的な姿勢を評価しました。

8耐前哨戦の鈴鹿300kmで清成選手とレイ選手が組んで優勝し、レイ選手も初めての鈴鹿サーキットながら、示した能力は高いものがあります。チェカ選手もポテンシャルがありますので、33番も優勝を狙ってくれます。さらに岡田選手もテストで調子を上げており、アベレージを引き上げています。また手島選手も力をつけています。2人はリザーブライダーから、正ライダーになることをあきらめてはいないと、直接、訴えてきてくれます。それは、とてもうれしいことで、正ライダーとして発表されているライダーたちも発奮材料になりますし、緊張感も集中力も増しています。

才能豊かなライダーたち。

チームにみなぎる緊迫感。

ライダーたちの意気込みに負けず、スタッフたちのやる気も、今年はレベルアップを感じています。ライダーたちの働きに応えよう、応えなければならないと、メカニックの一人ひとりが自覚しています。その緊迫感がチーム全体にいきわたっており、ピットの中は息苦しさを感じるほどです。真剣にレースに取り組む姿勢が、チームの士気を上げており、いいレースができるのではないかと思っています。ですが、おごることなく、謙虚な姿勢で挑みたい。今年はテストも順調にこなせています。天気も味方してくれ、フォローの風が吹いていると感じています。もちろん、レースは何か起きるのかわからないものですから、油断大敵。しっかりと、アクシデントに備えられるようなテスト項目も塗りつぶすように消化しています。

レースにかける情熱を感じてもらいたい。

身内であるHondaユーザーチームも強敵ぞろいです。昨年優勝したTSRさんも、表彰台に上がったハルク・プロさん、仮面ライダーチームと、どのチームも力を持っていることを知っています。他メーカーさんの意気込みもすばらしいものがあると思います。8耐に参加するチームは、どのチームも懸命に取り組んでいます。そのレースへの情熱を感じて応援して頂けたらと思います。中でも今年のTEAM HRCを見ていただきたい。みなさんの心に届くレースができるようにしたい。最後は目標である表彰台の真ん中に立てるようにチーム一丸となってがんばります。応援をよろしくお願いします。

チームにみなぎる緊迫感。

※このサイトをご覧になるには最新の Flash Player が必要です。