Suzuka 8hours Honda Racing
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2006.07.30 Suzuka 8hours
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鈴鹿8耐・主な見どころ
2006年 FIMロードレース世界耐久選手権 第5戦
“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース「主な見どころ」

【鈴鹿8耐の変遷】
 鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下鈴鹿8耐)は1978年に第1回大会を開催し、今年で29回目を迎える国内最大の二輪ロードレースである。1980年の第3回大会からはFIMの世界耐久選手権シリーズに組み込まれている。第1回大会では、メーカー直系の強豪チームがひしめく中、プライベートチームであるヨシムラが優勝し、第2回大会ではHondaが前年の雪辱を果たしている。鈴鹿8耐でのメーカー直系チーム対プライベートチームの闘いは現在に至るまで続いており、また有名無名問わず多くのプライベートチームが参戦することも鈴鹿8耐の大きな魅力のひとつとなっている。

 1980年代中盤から1990年代序盤にかけてのTT-F1レギュレーション時代には、国内4メーカーが威信をかけて、世界最高峰クラスであるロードレース世界選手権(以下 WGP)に参戦しているトップライダーを招致し、最新型の4ストロークマシンで鈴鹿8耐に挑んできた。華やかで、勝利を掴むのが難しく、スプリントに近い耐久レースとして世界的に有名となり、ここでの勝利はライダーにとって輝かしい勲章として称えられるようになった。
 また、フレディ・スペンサー、ワイン・ガードナー、ミック・ドゥーハンらが鈴鹿8耐での活躍でロードレース世界選手権の切符をつかんだように、世界を目指す若手ライダーの登竜門的な存在でもあった。
 このようなレース上での熾烈な闘いに呼応して、著名人もチームを率いて参戦するなど人気は頂点に達し、1990年の決勝日には15万人を超える動員数を記録した。この頃、映画や人気作家の小説の舞台に取り上げられるほど、日本の夏の風物詩として広く浸透していた。

 1994年からは、参戦するマシンのレギュレーションがTT-F1レギュレーションからスーパーバイクレギュレーションへと変更された。その後、幾多のレギュレーション変更を経て、現在はスーパーバイク、スーパープロダクション、スーパーストック、JSB1000、XXFormula(Division1/2)が混走となっている*1
 近年では、WGPとの日程重複などから、メーカーが自らマシンを開発(ワークスマシン)し、チーム運営を行う(ワークスチーム)体制での参戦はHondaのみとなっていた。
 しかし、今年は国内メーカーがワークスチームとして参戦する場合、全日本選手権のトップカテゴリであるJSB1000仕様のマシンに統一することが、Honda、カワサキ、スズキ、ヤマハの4メーカーの合意により決定した。これにより、今年はHondaの他に、ヤマハがワークス体制を組み、同じカテゴリで熱い戦いを繰り広げることとなったのである。
 また、今年は従来の総合優勝や各クラス優勝に加えて、新たにFIM公認の国別対抗戦『FIMカップ エンデュランス・オブ・ネーションズ』が世界初の試みとして誕生する。各国代表チームとしては、すでにフランス、スイス、スウェーデン、オーストリア、イギリス、イタリア、ベルギー、日本の8カ国が登録しており、日本代表は今年の「Road to 8hours鈴鹿300km耐久ロードレース」(以下 鈴鹿300km耐久ロードレース)での優勝ペア、「#7セブンスター ホンダ」の清成龍一選手&高橋裕紀選手組が決定していたが、体制変更により日本代表は「#7セブンスター ホンダ」の清成龍一選手&玉田誠選手組に変更された。

*1 スーパーバイク(SBK)はメーカーが市販している二輪車がベースとなったレース用改造車。世界格式のレギュレーションで改造範囲も広く、排気量の上限が4気筒の場合750cc〜1000cc、2気筒の場合800cc〜1000ccまでとされている。スーパープロダクション(SPP)はスーパーバイクより改造範囲が狭く、コスト重視のクラス。スーパーストック(SST)はさらに改造範囲が狭く、決定的な差としては、ガソリンタンクがノーマルから変更ができないことで、ピットインの回数が増えること。以上3つのクラスは世界選手権シリーズでポイントが与えられる。JSB1000は全日本のトップカテゴリのクラスで、ベースマシンのポテンシャルはスーパーバイクと同様だが、改造範囲は大きく制限されている。XXFormula(Division1/2)は世界選手権のポイント争いとは無関係ではあるが、鈴鹿8耐独自の特別クラスで幅広い改造が許されている。

【Hondaの参戦体制】
 Hondaは、第1回大会に欧州の耐久レースで無敵を誇っていたRCB1000を投入したものの、無念のリタイア。翌1979年にCB900を擁して初優勝を果たした。その後も他メーカーやプライベートチームと激しい攻防戦を繰り返しながら鈴鹿8耐と共に歴史を重ねる中で、Hondaは数々の名マシンと名勝負を生み出してきた。
 Hondaはお客様と喜びを共有するため、メーカーとして最高のライダーとマシンで競う最高のレースを目指し、初参戦から一貫してワークス体制で参戦を続けている。

 Hondaは、これまで28戦中20勝を挙げており、1997年から現在9連勝中である。
 今年の鈴鹿8耐では、Hondaのワークスチームを含め、出場台数84台中37台がHonda車である。出場クラス別のエントリー状況は、スーパーバイククラスに1チーム、JSB1000クラスに23チーム、XXFormula(Division1/2)クラスに12チーム、スーパーストッククラスに1チームとなっている。

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ワークスチーム参戦体制紹介

 10連覇を目指すHondaの布陣のうち、最も注目を集めているのは、(株)ホンダ・レーシング(以下HRC)が運営するワークスチームの「セブンスター ホンダ」である。これまでスーパーバイククラスでの参戦を続けてきたが、今年は初めて改造範囲が厳しく制限されるJSB1000クラスにHonda CBR1000RRWで参戦し、優勝を目指す。
 当初、「#7セブンスター ホンダ」は清成龍一選手&高橋裕紀選手組、「#11セブンスター ホンダ」は玉田誠選手&岡田忠之選手組の出場が決定していたが、高橋選手の鈴鹿8耐事前テスト時の負傷により、チーム編成と選手変更を行い、7月26日に発表した。

 「#7セブンスター ホンダ」は清成龍一選手(埼玉県 23歳)と玉田誠選手(愛媛県 29歳)がペアを組む。
 清成選手は、2004年よりイギリススーパーバイク選手権(BSB)に参戦し、2005年はランキング2位、今年は現在ランキング1位につけている。また、昨年宇川徹選手とのペアで初の鈴鹿8耐制覇を果たした。玉田選手は、2003年よりWGPのMotoGPクラスに参戦、これまでに2勝をあげた。今年は現在ランキング11位。

 「#11セブンスター ホンダ」は岡田忠之選手(茨城県 39歳)と出口修選手(愛知県 32歳)がペアを組む。
 岡田選手は、1993年よりWGPに参戦し、1997年には500ccクラスで日本人最高位となるランキング2位を獲得した。その後、2002年に現役を引退し、鈴鹿8耐参戦以外は監督業に専念していたが、今年はHRCのMotoGPマシンのテストライダーを務める。鈴鹿8耐では1995年にアーロン・スライト選手、1999年にはアレックス・バロス選手と組み2度の優勝を果たしている。Hondaワークスチームからの参戦は2002年以来4年ぶりのこととなる。出口選手は、昨年の全日本ロードレース選手権JSB1000クラスでランキング7位を獲得、今年は現在ランキング4位。鈴鹿8耐では昨年は総合4位。

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主なプライベートチーム参戦体制紹介

 昨年、「オートレースTEAM HARC-PRO.」で3位表彰台を獲得したハルクプロは、ディズニーアニメの“トイ・ストーリー”をチームキャラクターとした「#101 TOY STORY RT RUN’A& HARC-PRO.」として、小西良輝選手と安田猛史選手のペアで参戦する。ゼッケン番号の101はトイ・ストーリー≠フトイから付けられた番号である。「鈴鹿300km耐久ロードレース」では2位表彰台を獲得した。

 昨年4位の「F.C.C. TSR ZIP-FM Racing Team」は、3年連続のポールポジションを獲得した#778辻村猛選手&伊藤真一選手組に加え、#48手島雄介選手&鎌田学選手組が、幅広い改造が許されているXX-Formula(Division1)クラスから今年も参戦する。「鈴鹿300km耐久ロードレース」では辻村猛選手&伊藤真一選手組がラスト2周までトップを走行(結果リタイア)するなど、鈴鹿8耐初制覇への期待がかかる。

 今年で4年目となる『仮面ライダー』チームは、昨年「仮面ライダー響鬼 Honda RT」として5位を獲得した。今年は「#4 仮面ライダーカブト Honda DREAM RT」として山口辰也&徳留和樹選手組で参戦する。山口選手が“仮面ライダーカブト”として、徳留選手が“仮面ライダーザビー”として、ヘルメットからブーツまで仮面ライダーのイメージでレースに挑む。

 昨年15位に終わった名門モリワキは、「#19 モリワキ MOTUL レーシング」として、森脇尚護選手&レオン・キャミア選手組で参戦する。監督はオートバイ部品メーカーである潟c潟純Lエンジニアリングの社長森脇護氏。当時無名のワイン・ガードナーを鈴鹿8耐に抜擢したことでも有名な森脇氏は、昨年に引き続き、日本でほぼ無名ながらイギリススーパーバイク選手権ST600クラスチャンピオンの19歳のキャミア選手を起用する。

 一昨年3位と大健闘したものの、昨年は46位と苦戦した「#044 ウイダーホンダ学園 DD BOYS」は、浜口俊之選手と菊池寛幸選手がペアを組む。このチームは故本田宗一郎が創設した「学校法人Hondaテクニカルカレッジ関西」の現役生徒がメカニックを務める。創立20周年行事の一環として初参戦した2001年以降、確実に上位入賞を果たしてきた。その参戦形態は、教育の一環として、マシン作りから参戦の準備、そしてレース中のメカニックを生徒が行うというもの。総監督は校長や教頭が務めるものの、作業や戦術はあくまで生徒の自主性に任せるやり方は同校の教育方針がそのまま反映されている。

 2003年に優勝を果たし、今年16年目となる「Team 桜井ホンダ」からは、今年も2チームが出場する。#9亀谷長純選手&武田雄一選手組と#71 生見友希雄選手&津田一磨選手組が参戦。このチームは都内にあるHonda二輪の大手販売店「桜井ホンダ」の社長である桜井哲夫氏が監督を務める。

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