アマチュアライダーたちの檜舞台である鈴鹿4時間耐久ロードレース(鈴鹿4耐)が開催された。この鈴鹿4耐での勝利をステップに青木治親選手、藤原克昭選手、柳川明選手、宇川徹選手、中野真矢選手らはチャンスをつかみ、スターライダーの階段を上った。
近年、鈴鹿4耐は実力が肉薄して優勝候補を挙げるのが難しい状況となっているが、今年は、特にその傾向が強い。鈴鹿サーキットで開催されている鈴鹿・近畿選手権シリーズではTSRの鮫島大輔選手と赤い3輪車レーシングクラブの山崎善央選手の一騎打ちが続いている。今年の鈴鹿4耐でも2人がキーマンになると見られていた。
鈴鹿4耐ラインナップでは、鮫島選手(#28 TSR)のペアは横山耕二選手に決定。横山選手は昨年の鈴鹿4耐で6位入賞の実績があるが、今季はレース参戦していない。また、山崎選手(#3
赤い3輪車 桜井ホンダ レーシング クラブ)のペアは桜井ホンダの深津拓真選手だが、深津選手もレース活動を休止しており、鈴鹿4耐に向けて調整してきた。小菅岳大選手と中村豊選手(#73
CLUB HARC-PRO・プラスワン)のペアはバランスのとれたチームとして優勝候補に挙げられている。
さらに、斎木一輝選手/筒井伸選手組(#66 MotoLab-EJ
O-TEC鈴鹿Racing)の2人は速さが拮抗しており、筒井選手は昨年の4耐で2位入賞の実績があり、期待を集めている。前哨戦の鈴鹿150kmでは山崎選手がポール・トゥ・ウインを達成。2位に鮫島選手、3位に小菅選手が入り表彰台に上っている。
予選は晴天に恵まれ、白熱したアタックが繰り返された。ポールポジションを獲得したのは下馬評通り山崎/深津組。2番手に小菅/中村組がつけたが、中村選手は転倒してしまい足首を痛めてしまう。3番手に岩月繁幸選手/植村政樹選手組(#85
NISSIN KTCモトマック85)。4番手に鮫島/横山組でCBR600RR勢が上位を独占した。5番手に小松裕介選手/中山英樹選手組(#32
ヤマハ)、6番手に中西宏明選手/桐井有希選手組(#24 Project
X Racing鞍馬サンド DOGFISH)、7番手に斎木/筒井組。8番手に坂之下孝秀選手/高村一明選手組(#2
クラブS・POINT&アオイ自動車)、9番手に服部秀明選手/近藤明人選手組(#35
B&W
KATO RTとR.C.のりもの)、10番手に松本正幸選手/若狭祐二選手組(#401
カワサキ)となった。
まぶしい太陽が照りつける決勝、予選を通過した59台がグリッドに並び、ル・マン式スタートを切った。ホールショットは小菅/中村組、トップに立つと独走態勢に持ち込む。2番手に岩月/植村組、3番手中西/桐井組、4番手山崎/深津組、5番手鮫島/横山組と続く。首位に立った小菅/中村組は安定したペースで走行を重ねた。
その後方では、アクシデントが続く。29ラップ目に山崎/深津組、34ラップ目に2番手に浮上した坂之下/高村組がヘアピンで転倒してしまう。順調にトップを走る小菅/中村組は、2番手に1分21秒もの大差を築きながらもトラブルが発生、スロー走行を強いられた。優勝候補が次々と脱落して行く中、代わって首位に立ったのは岩月/植村組、2位には古田聡/石川忍組(#88
クラブM+松田塾ProjectXRacing鞍馬サンド)が浮上してきた。3番手に小松/中山組が続いた。
だが、50ラップ目にヘアピンで2台が転倒してセーフティが入ると、岩月/植村組が築いた約40秒のアドバンテージが消える。約15分後にリスタートして、トップと2番手の差が3秒8と詰まった。トップは古田/石川組となったが、石川選手が単独連続走行時間を超えてしまうペナルティで2分39秒加算され、ポジションダウン。トップは再び岩月/植村組となるが、転倒後、ピットインして素早くマシンを修復してレースに復帰した鮫島/横山組が猛然と追い上げ、その背後に迫った。
鮫島/横山組は、遂に89ラップ目にトップ浮上、2位以下を引き離す力走で勝利をつかんだ。レース終了間際にはガソリン残量ランプが点滅、ペースダウンしてのチェッカーだった。2位には岩月/植村組が入り、3位には小松/中山組が入り表彰台に上った。
また、最新モデルでの戦いとは別に、今年から'05年モデル以前のマシンでの参戦によるRevivalというクラスができた。型落ちマシンは安価に手に入ることから、参加者増加を狙ったクラス増設で、第1回目の今大会は10台がエントリー。総合21位の奥田祐太郎選手/服部浩史選手(#36
ディーファクトリー)が'01年モデルのCBR600F4iで優勝を飾った。
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