Round 05日本鈴鹿サーキット

鈴鹿8時間耐久ロードレース
第1回公式合同テスト 3日目

2019年7月11日(木)


鈴鹿8耐・第1回公式合同テスト

合同テスト3日目を#33 Red Bull Hondaがトップタイムで終える

真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」に向けての公開合同テスト最終日(3日目)を迎えました。雨が降り続き、時に強くなるという天候、今年の全日本ロードレース選手権はドライのレースが続き、鈴鹿8耐に向けてのテストでも雨がなく、各チームはレインコンディションのデータを取るための貴重な走行となりました。

すべてウエットコンディションで行われたこの日は、A・Bそれぞれのグループに分かれて、セッション7は午前9時から40分間、セッション8は午前10時50分から同様に40分間の走行、セッション9は午後2時から90分の走行がおこなわれました。

#33 Red Bull Hondaのステファン・ブラドルは、プライベートな事情で、早朝に母国ドイツへと帰国することになり、この日の走行はキャンセル。高橋巧のみが参加しました。高橋巧はセッション7で最速となる2分17秒363を記録し、この時の2番手が2分20秒581(スズキ)ですから、その速さが際立っていることがわかります。セッション8では、デグナーカーブの一つ目で転倒してしまいますが、身体的なダメージはなく、セッション9にセカンドカーでコースインし、7周の確認ラップを終えて終了。ここでもセッショントップタイムを記録し、セカンドカーで出したタイムもこの日の総合6番手に付け、最終的にセッション7で記録したタイムが総合トップタイムとなりました。Red Bull Hondaはドライコンディション、ウエットコンディションどちらも、トップライムを記録、高橋巧の速さと強さが印象に残るテストとなりました。

総合4番手には#19 KYB MORIWAKI RACING、高橋裕紀、小山知良、トロイ・ハーフォスが躍進。テスト時間をフルに使い雨のデータを蓄積、テストを重ね、上位に付けました。#090 au・テルル SAG RT(秋吉耕佑、長島哲太、羽田太河)も総合7番手に付け、速さを示します。#1 F.C.C. TSR Honda Francは、FIM世界耐久選手権(EWC)のレギュラーライダー、フレディ・フォレイ、ジョシュ・フック、マイク・ディ・メリオが、雨の走行を意欲的にこなし総合11番手で終えました。総合12番手にはHondaの社内チーム#25 Honda Suzuka Racing Team(亀井雄大、日浦大治朗、田所隼)が付けます。

21番手には#22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWAのザクワン・ザイディ、アンディ・イズディハールが付けました。第3ライダーはまだ発表されていませんが、玉田監督は「2人が核となって戦う。第3ライダーはあくまでもサポート、2人の成長に期待したい」と意気込みを語りました。

#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは、水野涼、ドミニク・エガーター、チャビ・フォレスが走行。セッション7、8に参加し、午後の走行には参加せず、終了しました。総合タイムは24番手ですが、本田光太郎マネージャーは「攻めてタイムアップを狙うテストではなく3人が雨を経験することを優先。特にチャビは、初めての雨の鈴鹿で、初めて履くレインタイヤという状況だったため、慣れてもらうことを優先した。晴れ、雨を走れて、貴重なテストになった」と語りました。

#72 Honda DREAM RT 桜井ホンダの濱原颯道、伊藤真一、作本輝介は総合28番手、セッション9はキャンセルしてテストを終了しました。伊藤は「濱原の体重(90kg)と作本の体重(60kg)は30キロも違う、2人が求めるマシンは、全く別物になる。それでも、2人のよさを活かせるようにマシンを仕上げている最中」と苦悩しながら、3日間のテストを終えました。

#33 Red Bull Hondaは最速、最強のライダーへと成長した高橋巧を中心に、本戦前に予定されている2日間の合同テストで最終確認を行い、8耐に挑みます。各チームも、この3日間で得たデータを元に、準備を重ね、レースウイークに突入します。

コメント

宇川徹宇川徹 | #33 Red Bull Honda 監督
「今日はウエット路面でしたが、そこでの確認事項はすべて終わりました。今回のテストではロングランもできましたし、走りたかったウエットもありましたので、ドライでもウエットでも(高橋)巧が最速という結果も含め満足しています。レースウイークに向けて準備ができました。いろいろなことに対応できるようにして、レースに臨みたいです」

フレディ・フォレイフレディ・フォレイ | #1 F.C.C. TSR Honda France
「今シーズン、前半苦しみながらも、なんとか上向きに修正してここまで来ました。すばらしいマニュファクチャラー、すばらしいライダーがそろう8耐ですが、その中で勝つことを考えています。マシンはいいフィーリングなので、ベストを尽くせば結果につながると思います」

ジョシュ・フックジョシュ・フック | #1 F.C.C. TSR Honda France
「マシンはサスペンション、タイヤも含めてメイド・イン・ジャパン。ホームの日本でデータもあることが強みです。とにかくとてもすばらしいマシンなので、これから微調整を重ねて、次に乗るときはさらに改善できると思います。目標は優勝、悪くても2位。EWCの逆転チャンピオンをまだあきらめていません」

マイク・ディ・メリオマイク・ディ・メリオ | #1 F.C.C. TSR Honda France
「8耐に出られることを感謝したいです。ドライだった2日間でペースを上げることができました。まだ前進できるはずです。しかし、決勝に向けて僕らが重要視しているのはアベレージタイムです。チームの狙いは表彰台獲得ですから、目標に向けてどんどんプッシュしていきたいと思います」

藤井正和藤井正和 | #1 F.C.C. TSR Honda France チーム総監督
「さらに上にいこうとするなら、まだ足りない。ライダーも、マシンも、チームもいい所にいるとは思います。まだ満足はしていません。正直、思うところに届かなかった印象です。レースはなにがあるか分からないですから、重要なのはその“なにか”があったときに勝てる位置にいることです。人事を尽くして、気持ちを入れ替え本番に挑みます」

水野涼水野涼 | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
「一発のタイムは出ていますが、3人のライダーのアベレージをもう少し上げたいです。決勝を考えると、そこを進歩させないと。6月の(プライベート)テストは問題なかったので、それが今回分かったことが有意義でした。実績があり、勝ちにこだわるチームですし、マシンもすごくいいですから、チャンスはあると思います」

本田重樹本田重樹 | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda 総監督
「3日間で、ドライ、ウエット、高温、低温とあり、非常に内容の濃いテストでした。まだ課題はありますが、80~85%の仕上がりではと思っています。テストでやらなければならない項目はだいたいできましたし、各ライダーの走りからも、そんなに悪い戦いにはならないでしょう。いい本番にしたいですね」

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