CEVレプソルインターナショナル選手権第2戦が、スペイン・バレンシアで開催されました。Moto3クラスでは、予選でAsia Talent Teamの國井勇輝がポールポジションを獲得。山中琉聖(Junior Team Estrella Galicia)が5番手となりました。ケガで開幕戦を欠場した埜口遥希が復帰して15番手、マリオ・アジ(Astra Honda Racing Team)は22番手、ビリー・バン・エールデ(Asia Talent Team)は26番手となりました。
レース1
ホールショットは、デニス・オンジュ(KTM)。國井は2番手につけます。アルコバ、國井、山中の順でオープニングラップを通過し、それぞれが単独走行に。4番手争いが大きな集団となって上位陣を追います。
國井はオンジュに迫り、一騎打ちに持ち込みます。山中は4番手争いのグループに飲み込まれ、集団内での戦いを繰り広げます。國井は首位に出てレースをリードしますが、オンジュを振り切れずに僅差の戦いとなります。
3番手争いは5台となり、ジェレミー・アルコバ(ハスクバーナ)が引っ張りますが、激しいポジション争いを繰り広げながら周回。3番手にネパ・ステファノ(KTM)が出て、アルコバ、ダニエル・オルガド(Junior Team Estrella Galicia)ハビエル・アルティガス・ロペス、山中が追います。その後方にダビデ・ピッツォーリ(Junior Team Estrella Galicia)が追いつき、6台の争いとなります。
中盤戦に入り、國井は首位をキープしますが、相変わらず2番手のオンジュは僅差で続きます。3番手争いも変わらずにデッドヒート。すると、トップの國井を追いかけていたオンジュが残り5ラップでスローダウンしてそのままリタイアとなり、國井は独走状態に。そのままチェッカーを受け、今季初優勝を飾りました。その後方では2番手争いが激しい攻防を見せますが、アルコバが制して2位フィニッシュ。3位にピッツォーリ、山中は6位となりました。アジは16位、バン・エールデは25位でゴールしました。なお、埜口は5ラップ目に転倒リタイアを喫しています。
レース2
ホールショットを奪ったのはオンジュで、序盤から飛ばします。オープニングラップで3台の多重クラッシュが起きますが、レースは続行。國井が2番手に浮上してオンジュを追います。首位をいくオンジュが、ハイサイドを起こして転倒。同じコーナーでバン・エールデも転倒してしまいます。
これで首位に立ったのは國井。後方に山中が浮上し、トップ争いは7台の集団となります。この中で、オルガドがファステストラップを記録し、上位に進出してきます。5ラップ目、山中が國井を捉えてトップへ浮上すると、オルガドも國井をパスして2番手へ。
しかし、國井は7ラップ目に再び首位を奪い、オルガド、山中が続きます。山中はすぐに2番手を奪い、國井のテールに食らいつきます。國井、山中が集団から抜け出し、マッチレースを繰り広げ、その後方に単独でオルガド、4番手争いが6台の集団となりましたが、オルガドも集団に追いつかれます。
最終ラップで、ついに山中が動き、最終コーナーで首位を奪います。國井も粘りますが、山中が逃げきりCEV初優勝を飾りました。國井は悔しい2位、激しい3位争いを制したのはオルガドで、4位にロペスが入りました。埜口は11位でチェッカーを受け、アジは18位となりました。
國井勇輝(優勝/2位)
「バレンシアのコースは昨年コースレコードを取ったサーキットで、いいフィーリングはありました。金曜日の練習でセッティングに少し悩まされましたが、いい方向に行き、タイムを大幅に更新できました。予選からコンスタントにタイムを記録し、最後のアタックでポールポジションを獲得できました。しかし、昨年のタイムを更新できなかったことは反省しています。レース1は、自分がペースリーダーになり、最終的には単独で圧勝するという最高のレースすることができて、とてもうれしかったです。レース2は、少しコンディションが悪くなり、タイムはあまりよくなかったのですが、トップで引っ張りました。でも、自分の経験の浅さで最終ラップの最終コーナーで抜かれて2位に終わってしまいました。これもいい経験として生かせるように、次のル・マンに向けてトレーニングをしていきます」
山中琉聖(6位/優勝)
「フリー走行では風が強く転倒もあり、少しリズムを崩してしまいましたが、予選ではタイムアップできました。レース1では、フィーリングが向上して、いいレースができそうだったのですが、最初の3ラップまではよかったものの、思うようなライディングができなくなり、バトルが難しくなって、走りきるのが大事というレースになってしまいました。レース2に向けてマシンを見直し、エンジンもサスペンションも大きく変えて臨みました。トップ争いをすることができて、國井選手の後ろで観察しながら、最終ラップに仕掛けようと思いました。作戦は2つあり、1つ目は抜けなかったのですが、最後の作戦がうまくいって勝つことができました。CEV初優勝でとてもうれしいです。この調子を維持して、また、優勝できるようにがんばり、ランキングも上げていきたいです」
埜口遥希(リタイア/11位)
「ケガはだいぶ回復して復帰することができました。コースは、コーナーに傾斜があり、グリップを作るのが難しかったです。まだ完調ではないので、予選では速いライダーについていってタイムアップしようとしましたが15番手。レース1では転倒してしまい、レース2では完走を意識して走りきり11位。予選でのグリッドを上げ、決勝の組み立ても改善していかなければと思っています。次戦ではテストなしでレースウイークに入ります。確実に焦らずに進め、今回より上位で終われるようにがんばります」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | 國井勇輝 | ![]() | 18 | 30'10.913 |
2 | 52 | J.アルコバ | ハスクバーナ | 18 | +8.342 |
3 | 23 | ダビデ・ピッツォーリ | ![]() | 18 | +8.369 |
4 | 96 | ダニエル・オルガド | ![]() | 18 | +8.436 |
5 | 24 | ハビエル・アルティガス・ロペス | ![]() | 18 | +8.606 |
6 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 18 | +8.690 |
12 | 76 | フリアン・ジラル | ![]() | 18 | +16.425 |
14 | 28 | マッテオ・ベルテッレ | ![]() | 18 | +23.825 |
15 | 30 | マックス・クック | ![]() | 18 | +26.892 |
16 | 34 | マリオ・アジ | ![]() | 18 | +27.273 |
19 | 88 | マッテオ・パタッカ | ![]() | 18 | +32.740 |
22 | 78 | イディル・マハディ | ![]() | 18 | +50.593 |
23 | 27 | アレックス・ディエス | ![]() | 18 | +51.382 |
25 | 31 | ビリー・バン・エールデ | ![]() | 18 | +22.422 |
26 | 65 | 有田光 | ![]() | 17 | +1 Lap |
RT | 36 | イザム・イクマル | ![]() | 6 | +12 Laps |
RT | 32 | 埜口遥希 | ![]() | 4 | +14 Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 18 | 30'20.294 |
2 | 33 | 國井勇輝 | ![]() | 18 | +0.252 |
3 | 96 | ダニエル・オルガド | ![]() | 18 | +3.868 |
4 | 24 | ハビエル・アルティガス・ロペス | ![]() | 18 | +3.910 |
5 | 81 | A.ヴィウ | KTM | 18 | +4.207 |
6 | 52 | J.アルコバ | ハスクバーナ | 18 | +4.624 |
8 | 23 | ダビデ・ピッツォーリ | ![]() | 18 | +5.172 |
11 | 32 | 埜口遥希 | ![]() | 18 | +24.690 |
13 | 28 | マッテオ・ベルテッレ | ![]() | 18 | +25.206 |
16 | 65 | 有田光 | ![]() | 18 | +34.261 |
18 | 34 | マリオ・アジ | ![]() | 18 | +34.457 |
21 | 88 | マッテオ・パタッカ | ![]() | 18 | +44.816 |
22 | 36 | イザム・イクマル | ![]() | 18 | +44.908 |
24 | 27 | アレックス・ディエス | ![]() | 18 | +48.109 |
RT | 76 | フリアン・ジラル | ![]() | 17 | +1 Lap |
RT | 78 | イディル・マハディ | ![]() | 7 | +11 Laps |
RT | 31 | ビリー・バン・エールデ | ![]() | 4 | +14 Laps |
RT | 30 | マックス・クック | ![]() |
- | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | 國井勇輝 | ![]() |
45 | |
2 | 24 | ハビエル・アルティガス・ロペス | ![]() |
44 | |
3 | 7 | B.バルトゥス | KTM | 41 | |
4 | 52 | J.アルコバ | ハスクバーナ | 41 | |
5 | 6 | 山中琉聖 | ![]() |
37 | |
6 | 96 | ダニエル・オルガド | ![]() |
29 | |
7 | 23 | ダビデ・ピッツォーリ | ![]() |
24 | |
11 | 34 | マリオ・アジ | ![]() |
13 | |
12 | 28 | マッテオ・ベルテッレ | ![]() |
13 | |
18 | 32 | 埜口遥希 | ![]() |
5 | |
21 | 76 | フリアン・ジラル | ![]() |
4 | |
23 | 30 | マックス・クック | ![]() |
4 |