City Trial Japan 2020 in OSAKA日本大阪府吹田市 万博記念公園 お祭り広場

2020年11月28日(土)

天候:曇りときどき晴れ一時小雨
気温:15℃
観客:5,000人
セクション:大木・ケーブルコア・パレット

2020 City Trial Japan

3回目のシティトライアルは
小川友幸が勝利を奪還


City Trial Japan 2020 in OSAKA

レポート

通天閣商店街で初開催されてから今年で3度目のシティトライアルジャパン。会場は去年と同じ万博記念公園ですが、今年は太陽の塔直下のお祭り広場での開催となりました。大逆転で10回目の全日本チャンピオンを獲得したばかりの小川友幸(Honda)は、ライバルが好走する中、見事なトライを重ね、2年ぶりにこの大会の勝利を奪還しました。

予選から決勝へ至るシステムは、シティトライアルではおなじみのもの。最初に行われるセクション1はスピードレーン。二人ずつが同時スタートし、減点数とタイムによってトライ順を決定します。

ゼッケン1の小川は、ゼッケン2の野崎史高(ヤマハ)と組んでのスタート。コンクリートウォールをリヤタイヤのみで越えていき見事クリーンでしたが、タイム差コンマ6秒でトップタイムは野崎となりました。小川は最後から2番目のトライで、予選を走ることになります。

予選はセクション2、セクション3、セクション4の3つのセクションを走ります。参加したのは全日本IASクラスのゼッケン1からゼッケン12までの12名。予選では、この中から6名が勝ち残ることになっています。今回は、スタジアム型式のトライアルということで、いつものMFJルールを踏襲しつつ、バックがOKとなっていて、ライダーのリカバリー能力が楽しめるルールとなっていました。

セクション1で5点を獲得して、第1スタートとなっていた柴田暁(ヴェルティゴ)が3つのセクションをすべてクリーンしたことで、予選セクションはオールクリーンが可能と確認できました。こうなると、より速くセクションを走破したライダーが、上位で予選を通過することになります。セクションの走破時間はすべて計測されていて、合計の走破タイムを加算して集計タイムとします。最初に3つのセクションをクリーンした柴田のタイムは1分55秒00。次にクリーン3をマークした黒山健一は、1分33秒75の好タイムをマークして、予選トップ通過をにおわせました。

この後にトライした小川毅士(ベータ)は1分48秒96、氏川政哉(ガスガス)は1分49秒09と、黒山のタイムを上回れません。そして小川友幸のトライとなります。小川はメリハリのきいた走りで流れるようにセクションをクリーン。1分30秒を切って、1分29秒90をマーク。黒山を抜いてトップに立ちました。最後にトライした野崎は1分33秒13。小川のタイムを上回ることはありませんでした。これで、小川の予選トップ通過が決まりました。予選を通過した6名は、いずれも3つのセクションをクリーンしていました。

この後、予選落ちの6名の中から、決勝に進出する2名を選ぶ敗者復活戦が行なわれ、久岡孝二(ヤマハ)と斎藤晶夫(Honda)の二人が決勝進出の仲間入りをし、計8名が午後からの決勝を待つことになりました。

決勝は、予選に使われた3つのセクションを手直しし、難易度がぐっと高くなっています。さらにこの3つのセクションを走り終えたあと、次には逆走で3つのセクションを走ります。逆走は、順方向に走るよりさらに難易度が高まっていて、ライダーには厳しいトライが強いられることになります。しかもこの6つのセクションを、合計6分以内で走ることとされていて、これを越えると1分につき1点のタイムオーバー減点が課せられることになります。

難度の上がった決勝では、さすがにクリーンがなかなか出ません。氏川はセクション1からセクション3までをクリーンしますが、セクション4、セクション6で5点となり、計10点。この10点が、後から走るライダーの目標減点となりました。

小川毅士はセクション6まで5点なしで走り進みますが、セクション7で5点となり計11点。氏川を越えることができません。残るは黒山、野崎、そして小川友幸の3人となります。

黒山はセクション1、セクション2と1点を失い、さらにセクション5で5点となりますが、誰も走破できていなかったセクション7をクリーンして、減点は7。しかし黒山は6つのセクションを走るのに7分23秒かかっていて、タイムオーバー減点を2点加え、合計9点。1点差で、氏川を逆転して暫定トップに立ちました。

次にトライした野崎は、セクション1で5点となると、セクション3、セクション7と3つで5点となって優勝争いから大きく後退しました。そして最後に小川のトライとなります。

小川はセクション2で1点、セクション3で5点と、序盤の2セクションで6点を失い、かなり幸先の悪い展開。しかし逆境からチャンピオンを獲得した2020年の全日本選手権と同じく、ここからが小川の本領発揮となりました。

続くセクション4、そして折り返してセクション6まで、3セクション連続でクリーン。減点は6点のままですから、最後のセクション7を3点以内、そして計6分のオンタイムで抜けられれば、黒山を逆転して勝利をつかむことになります。ここまで黒山しか走破できていないセクション7に、小川がトライします。最初の鬼門はここの入口。丸太に上ってからの下りが超難所で、セクションから飛び出してしまう者、前転してしまう者など、多くのライダーがここの餌食となっています。

ここを絶妙なラインさばきで走破した小川は、途中1回足をついてマシンを修正しましたが、最後まで丁寧にマシンを運び、セクション7を1点で通過。合計減点7点。黒山を2点差で下して、3回目のシティトライアルジャパンの勝利者となりました。お祭り広場に集まった5,000人のお客様が、日本のトップライダーの華麗なライディング、そして小川の勝負強さに感動した1日となりました。

コメント

小川友幸(1位)
小川友幸「練習中に大きなクラッシュをして体調に不安もあったのですが、だいぶ回復してコンディションはまずまず。それでも今日の走りは、あまりキレのいいものではありませんでした。スムーズに走っていられればいいのですが、ミスをしてリカバリーしようと思うと、決勝を6分以内で走らなければいけないルールによって、体力的に厳しいものになってきます。難度の高い、いいセクションを作ったものだと思います。なんとか最終セクションを走破できて、いい結果がつかめましたし楽しく走ることもできました。コロナ禍の厳しい状況の中、開催に尽力された主催者の皆さんと、観戦に来てくれた皆さんに感謝です。次はマスクなしでみなさんと楽しい時間を過ごしたいと思います」

リザルト

順位 No. ライダー マシン 総減点 クリーン数 トライ時間
1 1 小川友幸 Honda 7 3 5'44.29
2 3 黒山健一 ヤマハ 7+2 3 7'23.65
3 6 氏川政哉 ガスガス 10 4 4'11.55
4 5 小川毅士 ベータ 11 2 5'26.91
5 2 野崎史高 ヤマハ 15 3 4'38.15
6 4 柴田暁 ヴェルティゴ 16 2 4'24.92
7 8 久岡孝二 ヤマハ 19 0 5'46.70
8 7 斎藤晶夫 Honda 26 0 3'55.84

フォトギャラリー

ニュース