2019年全日本選手権最終戦。第6戦中部大会が、台風19号の日本列島直撃で中止となったため、今シーズン6戦目となり、この東北大会で今シーズンが終了となります。
会場のスポーツランドSUGOトライアルコースは、昨年の最終戦で使われたものと同じ会場で、セクションもほとんどが昨年と同じで、見慣れたものでした。昨年は雨のため、厳しい試合となりましたが、それでも上位陣は減点を最小限に抑えた接戦を演じました。今年は天気もよく、日中は暖かいくらい。朝はグリップの悪さがライダーを悩ませたものの、次第にグリップもよくなってきて、優勝争いは1点が試合を分ける神経戦となりました。
そんな中、最初の鬼門は第3セクション。昨年も事実上ここで勝負がついた難セクションですが、1ラップ目にここをクリーンしたのは3人。吉良祐哉(TRRS)、柴田暁(ヴェルティゴ)、そして小川友幸(Honda)でした。ここ以外も難セクションがそろっていましたが、優勝争いをするならオーククリーンを目指さなければならない、厳しい戦いとなっていきました。
1ラップ目、見事オールクリーンで10のセクションを走りきったのは小川友幸でした。これに続くは柴田の4点、黒山7点。大きなミスがあれば逆転可能な点差ですから、油断はできません。
2ラップ目、第3セクションで小川が5点。難関のブロックを上がりきれませんでした。柴田がここをクリーンしたので、トップは柴田に。小川は1点差でこれを追う展開となりました。ラップ後半、第10、第12と1点ずつを失いましたが、柴田も後半に細かい減点を重ねています。2ラップが終わったところで、小川友幸の減点が7点、柴田が8点。1点差で勝負はSS(スペシャルセクション)で決着することになりました。
SS第1は第5セクションを手直しして、入口に新たな岩盤登りが設けられていました。ここで柴田が5点。小川はクリーンで、柴田に対するリードが6点と広がりました。しかしここで小川の優勝争いは氏川政哉(ガスガス)に変わりました。氏川と小川の点差は3点です。
最後のSS第2、ここは昨年も最終セクションとなった巨大タイヤが素材ですが、最後のタイヤが登れるか登れないかのぎりぎり。最後にトライをした小川はきわどいところで足が出ましたが、なんとか1点で通過。氏川はクリーンでしたが、2点差で小川が勝利。今シーズン3勝目をあげて、シリーズチャンピオンを決定しました。
小川の全日本制覇は9回目、そして7連覇達成です。
小川友幸(優勝)
「今シーズンは、勝ち星も多くなかったので、最後は勝って終わりたいと思っていました。1ラップ目はオールクリーンができていい走りができたのですが、2ラップ目に自ら崩れて試合を危なくしてしまいました。それでも最後には優勝できて、ほんとうによかった。ほっとしています。今年1年、応援ありがとうございました」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川友幸 | 0 | 8 | 18 | |
2 | 6 | 氏川政哉 | ガスガス | 0 | 10 | 16 |
3 | 4 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 0 | 13 | 14 |
4 | 2 | 野崎史高 | ヤマハ | 0 | 15 | 19 |
5 | 5 | 小川毅士 | ベータ | 2 | 19 | 16 |
6 | 3 | 黒山健一 | ヤマハ | 0 | 19 | 16 |
8 | 7 | 斎藤晶夫 | 0 | 42 | 8 | |
13 | 18 | 武井誠也 | 3 | 69 | 4 | |
19 | 16 | 砂田真彦 | 0 | 94 | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | 109 | |
2 | 野崎史高 | ヤマハ | 93 |
3 | 黒山健一 | ヤマハ | 82 |
4 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 75 |
5 | 小川毅士 | ベータ | 75 |
6 | 氏川政哉 | ガスガス | 71 |
7 | 斎藤晶夫 | 47 | |
10 | 武井誠也 | 32 | |
19 | 砂田真彦 | 3 |