Round03日本関東大会

IAS 決勝

2019.06.23(日)

ツインリンクもてぎ(栃木県)
天候:曇り
気温:27℃
観客:3200人
セクション:岩・泥・沢・コンクリート

関東大会

徐々に調子を上げ、SSはパーフェクトで、小川友幸が今シーズン初勝利

開幕2戦を3位と2位で終えた小川友幸(TEAM MITANI Honda)が必勝の構えでやってきたのが、関東大会のツインリンクもてぎ。ここで全日本選手権が開催されるのは、今年が初めてとなります。

2週間前に開催されたトライアル世界選手権と同じ会場ですが、パドックはセクションにより近いパーキングに設けられ、ツインリンク内舗装路に面した一列に10セクションとSS(スペシャル・セクション)が設けられていて、よりコンパクトな会場設営で、より観戦しやすくなっていました。

セクションは、一部は世界選手権でも使われたものですが、設定は全日本選手権用にアレンジされています。とはいえ、金曜日の大雨に濡れたもてぎの大地はつるつる。初めてここを走るライダーを苦しませることになりました。

第1セクション、小川は1回の足つきでここを抜け、関東大会の戦いをスタートさせました。今回の優勝争いのライバル、そしてチャンピオン争いのライバルの野崎史高(ヤマハ)はここをクリーンしていたので、1点のビハインドで追い上げることになりました。

ところが小川は、名物セクションである岩盤の第4セクションで2点、続く第5セクションで1点と、なかなか小川本来の美しい走りを発揮できません。ライバルの野崎も細かい失点はあるので、僅差の接戦であることには違いありませんが、追い上げなければいけない局面で、なかなかそれが叶いません。

登りにくい岩から次の岩に飛び乗る設定の第6セクション。ここで小川は美しいクリーン。これが、小川のライディングに火をつけました。第7、第8、第9、第10と、1ラップ目後半はすべてクリーンでまとめました。一方、ライバルの野崎は第8で1点、これで小川と野崎が同点で並ぶことになりました。さらに第9では5点。ついにこの日初めて、小川がトップに立ちました。

1ラップ目、小川の減点は4点で、野崎に5点差でトップ。3位の小川毅士(ベータ)が15点ですから、トップ2人だけが抜きんでて優勝争いをしていることになりました。

2ラップ目、逃げきりたい小川友幸、追い上げ逆転したい野崎。両者とも、すべてのセクションをクリーンする決意でセクションに臨みます。しかし、野崎には1点が2つ、小川には2点が一つのミスがありました。2ラップ目の結果は、両者ともに2点。点差は5点のまま、最後に用意されたSSで勝敗を決することになります。

今回のSSは、岩盤下の観戦がしやすい位置に並べられたコンクリートブロックを走破するもので、SS1は北方向に、SS2は逆順に南方向にトライしていきます。SS1では最初に置かれていた2段のコンクリートブロックが、SS2では最後の3段のブロックとなり、ここがSSを走るライダーの鬼門となっていました。

SS第1、小川、野崎ともにクリーン。その差は変わりません。しかし、1セクションを残してその差が5点、クリーン数では小川の方が勝っているため、SS第2で小川が5点となり、野崎がクリーンした場合でも減点数は同点で、クリーンの数で小川が勝利する計算となります。ただ、勝負はあくまでゴールをして決まるもの。最後のSS第2を抜け出るまでは、やはり気を抜くわけにはいきません。

SS第2、小川の前を走るすべてのライダーが最後の3段を登れずに5点。野崎も5点となり、その点差は決定的となりました。

最後のトライとなった小川は、だれも抜けられないこの難セクションを、見事なクリーンで決めて、優勝に花を添えたのでした。このクリーンで、終わってみれば小川は2位に10点差をつけての勝利となりました。

開幕2戦で少し苦しい戦いを強いられた小川の見事な復活。そしてポイントランキングでも野崎に同点となり、小川の7連覇実現への兆しがうかがえる大会となりました。

コメント

小川友幸(優勝)
「ようやく、このポジションに戻ってこられました。今日も序盤は不本意な減点があって、決して調子がいいとは言えなかったのですが、我慢のトライアルを続けて、後半、徐々に調子を取り戻してきて、だれも抜けられていなかった最後のSSをクリーンして試合を終えることができました。これでランキングもイーブンに戻して、ようやくここからが始まりです。楽な戦いではないと思いますが、新たな連覇に向けて、ここから調子を上げていきたいと思います」

IAS リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 1 小川友幸 Honda 0 6 18
2 2 野崎史高 ヤマハ 0 16 15
3 5 小川毅士 ベータ 0 32 12
4 6 氏川政哉 ガスガス 0 42 9
5 4 柴田暁 ヴェルティゴ 0 46 6
6 7 斎藤晶夫 Honda 0 60 4
7 18 武井誠也 Honda 0 71 4
14 16 砂田真彦 Honda 0 81 1

IAS ポイントランキング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 小川友幸 Honda 52
2 野崎史高 ヤマハ 52
3 小川毅士 ベータ 41
4 黒山健一 ヤマハ 37
5 柴田暁 ヴェルティゴ 33
6 氏川政哉 ガスガス 32
7 斎藤晶夫 Honda 26
       
10 武井誠也 Honda 16
17 砂田真彦 Honda 3

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