round 08

September 29 2013 ALL JAPAN ROAD RACE CHAMPIONSHIP Okayama 岡山国際サーキット

SCHEDULE

JSB1000は高橋巧が4位でランキングトップを堅守
ST600は渡辺一馬が3連勝でランキングトップ
J-GP2では長島哲太が初優勝を飾る
J-GP3は國峰啄磨が優勝。ランキングトップの山田誓己は2位、大久保光が3位でチェッカー

2013年9月29日(日)・決勝  会場:岡山国際サーキット  天候:晴れ  気温:28℃  観客:5580人

MFJ全日本ロードレース選手権は第8戦を迎えました。最高峰クラスのJSB1000に、秋吉耕佑(F.C.C.TSR Honda)が第4戦以来の復帰。残り3戦(最終戦鈴鹿は2レースのため)となり、タイトル争いも大詰めです。現在ランキングトップは、高橋巧(MuSASHi RT ハルク・プロ)で100ポイントです。

  • 高橋巧高橋巧
  • 高橋巧高橋巧
  • 高橋巧高橋巧
  • 渡辺一馬渡辺一馬
  • 渡辺一馬(中央)渡辺一馬(中央)
  • 長島哲太長島哲太
  • 長島哲太長島哲太

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予選はノックアウト方式で行われ、晴天に恵まれた岡山国際サーキットの気温は26℃、路面温度が45.5℃の中でQ1が始まりました。転倒車が出たことで、何度か赤旗が提示される荒れた予選となり、秋吉もリボルバーコーナーで転倒。さらに、ゼッケン1の中須賀克行(ヤマハ)も転倒と、波乱が続きます。中須賀に続く2番手タイムを記録していた秋吉ですが、ピットに戻ると、左鎖骨を骨折していたことが分かり、Q2、決勝をキャンセルすることになりました。ポールポジション(PP)は中須賀が獲得しました。高橋は5番手、山口辰也(TOHO Racing with MORIWAKI)は6番手となりました。

決勝では、中須賀がホールショット。柳川明(カワサキ)、津田拓也(スズキ)が続き、その後方で、渡辺一樹(カワサキ)、山口、高橋がセカンドグループを形成します。トップ集団は1分29秒台、セカンドグループは1分30秒台。その差は周回ごとに開いていきます。そんな中、3ラップ目のヘアピンで柳川が首位を奪うと、レースをリード。高橋も1分29秒台にタイムを上げて、4ラップ目には4番手に浮上。トップ集団を追いかけますが、その差は約4秒に開いていました。

トップ争いは、12ラップ目のダブルヘアピンの2つ目で、中須賀が首位を奪い返すと、後方との差をジリジリと広げ始めます。2番手柳川、3番手津田となり、高橋は津田を追いかけ、20ラップ目には、その差を0.4秒として前に出るチャンスをうかがいます。23ラップ目、高橋はヘアピンで津田を捕らえて3番手に浮上しますが、再び津田が前に出て最終ラップに突入。中須賀が3連勝を飾り、柳川が2位でチェッカーを受けました。注目の3位争いは、津田が先行、高橋は4位となりました。山口は6位でレースを終えました。この結果により、高橋はランキングトップで最終戦を迎えます。

ST600のPPは、渡辺一馬(Kohara Racing Team)が獲得。決勝が始まり、ホールショットは伊藤勇樹(ヤマハ)が奪いますが、ファーストラップのヘアピンで渡辺がトップを奪い返します。以下、伊藤、中冨伸一(ヤマハ)、横江竜司(ヤマハ)、井筒仁康(カワサキ)、國川浩道(赤い三輪車Racing Team)、大崎誠之(ヤマハ)、小山知良(CLUB PLUSONE with T.Pro)、稲垣誠(ヤマハ)、篠崎佐助(ヤマハ)と、数珠つなぎで続く、激しい戦いとなります。

追い上げをみせていた亀谷長純(MuSASHi RT ハルク・プロ)は、6ラップ目に転倒を喫し、再スタートしてピットに戻りますが、そのままリタイアとなってしまいます。トップの渡辺が逃げ、中冨、伊藤、井筒は激しい2番手争いを展開。そして、中冨が抜け出し、伊藤と井筒による3番手争いが始まります。そんな中、12ラップ目に伊藤が転倒リタイアとなり、井筒が単独3番手。最終的に、渡辺が独走で3連勝目を飾り、2位中冨、3位井筒となりました。

デチャ・クライサルト(ヤマハ)がPPとなったJ-GP2。ホールショットは長島哲太(テルル&イー・モバイル★Kohara RT)が奪い、2番手にクライサルト、3番手にST600とダブルエントリーの井筒仁康(カワサキ)というオーダー。しかし、トップは1ラップ目に野左根、2ラップ目に井筒、3ラップ目に長島と入れ替わり、トップに立った長島は、自己ベストタイムを更新しながら、2番手以下を引き離し始めます。その後、2番手争いが激しさを増し、4ラップ目にはクライサルトが井筒を捕らえ3番手に浮上。野左根とクライサルトがバトルを繰り広げながら、トップの長島を追いかける展開となります。その後方に、井筒、生形秀之(スズキ)、浦本修充(MuSASHi RT ハルク・プロ)が僅差で続きます。やがて、追い上げた生形は4番手に浮上し、浦本も5番手となります。トップを走る長島は、レース終盤にスパートをかけた野左根に迫られますが、それを振りきって、うれしい初優勝を飾りました。

J-GP3のPPは國峰啄磨(Projectμ 7C HARC)が獲得。今大会はチームメートとして仲城英幸が賞典外で参加し、4番手タイムをマークしました。ここでタイトル決定の可能性がある、ランキングトップの山田誓己(Team PLUSONE & ENDURANCE)は3番手となりました。

決勝レースが始まり、絶妙のスタートダッシュを見せた國峰が、ホールショットを奪取。それを仲城、山田、大久保光(HotRacing)が追いかけます。國峰はジリジリと2位以下を引き離し、独走態勢に持ち込みます。2番手に仲城がつけ、8ラップ目に山田を大久保が捕らえて前に出ます。レース中盤、國峰は2番手グループに5秒以上のビハインドを築きトップを快走。2番手争いはコンマ差でのデッドヒートが続きます。6番手スタートの水野涼(CLUB HARC-PRO))は、5番手で単独走行となります。最終的に、國峰は最後までトップを死守。最終ラップで2番手争いを制した山田が2位、3位に大久保、水野は自己最高位となる4位入賞を果たしました。また、賞典外の仲城は、4番目にフィニッシュしました。

コメント

藤井正和|F.C.C.TSR Honda監督「復帰を決めたあと、テストをこなして本戦を迎えましたが、秋吉耕佑選手が予選で転倒し、ケガをしたことが分かったので欠場を決めました。非常に残念ですが、最終戦に万全の形で挑めるように、準備したいと思っています」

渡辺一馬(ST600 優勝)「事前テストでは、うまくアベレージを上げることができず、苦心していましたが、チームのアドバイスや、アドバイザーの伊藤(真一)さんの的確な助言で、セットアップが進み、金曜日午後の走行から、タイムアップすることができました。ポールポジションを取ることができ、ホールショットは逃しましたが、アベレージでは絶対に負けてはいない、という自信を持って走ることができました。独走でチェッカーを受ける、そうしたレースがしたかったので、思い通りのレースができてよかったです。ですが、最も悔しいのはコースレコードを出せなかったことです。最終戦は、レコードを更新しての独走優勝を目指します。今回の結果で、ポイントランキングのトップに立つことができました。チャンピオンを獲得して、シーズンを締めくくることができるようにがんばります」

長島哲太(J-GP2 優勝)「やっと勝つことができました。昨年の勢いのまま開幕戦を迎え、ポールポジションを取ったのに決勝は転倒もあって6位。そこから、何度かポールを取れたのですが、決勝ではうまくいかず、流れをつかむことができずに、ここまで来てしまいました。ですが、家族やチームの支えがあり、落ち込むことなく、気持ちを強く持っていました。初表彰台が初優勝というのもうれしいです。本当に勝つことができてよかったです。ありがとうございました。この流れのまま、最終戦もいいレースがしたいと思っています」

國峰啄磨(J-GP3 優勝)「テストでは1分35秒7が出ていたので、決勝では、そのタイムを上回りたかったのですが、風の影響もあり、できなかったのが残念です。今回は逃げるレースがしたいと思っていたので、逃げることができてよかったです。タイトルのことは考えずに、速さをみせるレースをしようと、気持ちを切り替えています。最終戦も最速を目指してがんばります」

山田誓己(J-GP3 2位)「仲城(英幸)さんと光(大久保)とのバトルになり、國峰選手に逃げられてしまいました。もっと早い段階でタイムを上げたかったのですが、厳しい状況になってしまいました。ですが、予選順位より上で、チェッカーを受けることができたのはよかったと思います。最終戦は、ポイントリーダーとして迎えることになります。初めての経験でプレッシャーもあると思いますが、昨年の最終戦で出した自分のタイムの更新と、優勝を目指します。MotoGP第17戦日本GPへのワイルドカード参戦も決まり、たくさんの方の支援で実現したことなので、とてもうれしく思います。世界を目指す自分にとって、とても重要なレースだと思っていますので、しっかり挑みたいです」

大久保光(J-GP3 3位)「スタートで4番手に下がってしまいました。序盤でタイムを上げられず、仲城さんと誓己とのバトルになりました。最後は、勝負できるところまでマシンを持っていくことができず3位でした。これで、チャンピオンの可能性は消えてしまいましたが、ランキング2位へのチャンスは残っているので、少しでもポジションをアップできるよう、最終戦に挑みたいです。勝って終われるように、精一杯走ります」

決勝

JSB1000

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 中須賀克行 ヤマハ 36:07.671
2 87 柳川明 カワサキ +3.999
3 12 津田拓也 スズキ +8.260
4 634 高橋巧 Honda +8.484
5 50 渡辺一樹 カワサキ +20.781
6 104 山口辰也 Honda +23.808
7 71 武田雄一 スズキ +49.130
8 33 藤田拓哉 ヤマハ +1:03.774
9 16 吉田光弘 Honda +1:09.681
10 76 小島一浩 Honda +1:15.160

ST600

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 6 渡辺一馬 Honda 29:46.290
2 2 中冨伸一 ヤマハ +3.401
3 77 井筒仁康 カワサキ +5.752
4 12 大崎誠之 ヤマハ +13:181
5 16 國川浩道 Honda +13.684
6 71 小山知良 Honda +14.748
7 11 横江竜司 ヤマハ +18.791
8 9 稲垣誠 ヤマハ +19.928
9 21 篠崎佐助 ヤマハ +27.555
10 24 日浦大治朗 Honda +27.879

J-GP2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 45 長島哲太 TSR 29:35.618
2 31 野左根航汰 ヤマハ +1.543
3 30 D.クライサルト ヤマハ +4.399
4 2 生形秀之 スズキ +6.023
5 634 浦本修充 Honda +9.172
6 77 井筒仁康 カワサキ +9.406
7 7 大木崇行 Honda +22.239
8 34 岩田悟 Honda +26.194
9 22 佐藤太紀 TSR +28.427
10 19 相馬利胤 ヤマハ +1:11.957

J-GP3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 55 國峰啄磨 TSR 30:42.570
2 3 山田誓己 Honda +7.255
3 78 大久保光 Honda +8.249
4 仲城英幸 TR004 +8.701
4 88 水野涼 Honda +26.062
5 25 小室旭 Honda +32.582
6 9 菊池寛幸 Honda +38.273
7 32 北見剣 Honda +38.334
8 5 山本剛大 M312 +38.621
9 93 赤澤隆生 TEC2-12 +39.121
10 22 安村武志 PRCS3 +39.217

※賞典外出場

ポイントスタンディング

JSB1000

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1高橋巧Honda118
2柳川明カワサキ116
3中須賀克行ヤマハ111
4津田拓也スズキ107
5山口辰也Honda81
6藤田拓哉ヤマハ72
7秋吉耕佑Honda72
8加賀山就臣スズキ71
9渡辺一樹カワサキ66
10今野由寛スズキ50

ST600

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1渡辺一馬Honda108
2横江竜司ヤマハ104
3大崎誠之ヤマハ84
4中冨伸一ヤマハ83
5井筒仁康カワサキ77
6稲垣誠ヤマハ65
7小山知良Honda53
8岩崎哲朗カワサキ52
9亀谷長純Honda52
10高橋颯カワサキ49

J-GP2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1野左根航汰ヤマハ135
2生形秀之スズキ127
3浦本修充Honda102
4高橋英倫カワサキ91
5岩田悟Honda82
6長島哲太TSR75
7D.クライサルトヤマハ71
8津田一磨スズキ62
9関口太郎ヤマハ60
10井筒仁康カワサキ58

J-GP3

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1山田誓己Honda137
2國峰啄磨TSR119
3大久保光Honda98
4山本剛大 Honda84
5長尾健吾Honda76
6徳留真紀Honda74
7小室旭Honda61
8水野涼Honda58
9菊池寛幸Honda56
10北見剣Honda56