round 03

June 2 2013 ALL JAPAN ROAD RACE CHAMPIONSHIP Autopolis オートポリス

SCHEDULE

JSB1000は秋吉耕佑が予選7番手から2位に躍進、スポット参戦のアズランは8位
ST600のレース1ではルーキー宮嶋佳毅が3位表彰台を獲得

2013年6月1日(土)、2日(日)・決勝  会場:オートポリスサーキット  天候:1日(土)/雨、2日(日)/雨のち曇り
気温:1日(土)/17℃、2日(日)/14℃  観客:1日(土)/6480人、2日(日)/1万3500人

MFJ全日本ロードレース選手権第3戦が、大分県のオートポリスサーキットで開催されました。オートポリス2&4として行われた今大会は、JSB1000とST600の2クラスのみが開催されます。

  • 秋吉耕佑秋吉耕佑
  • 秋吉耕佑秋吉耕佑
  • 山口辰也山口辰也
  • 山口辰也山口辰也
  • 高橋巧高橋巧
  • 宮嶋佳毅宮嶋佳毅
  • 宮嶋佳毅宮嶋佳毅

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JSB1000にはアズラン・シャー・カマルザマン(Honda Team Asia)、ST600は玉田誠(Honda Team Asia)や小林龍太(PROGRESS & AQUALAVIE)など、アジアロードレース選手権に出場している選手がスポット参戦。金曜日に行われたフリー走行は、厚い雲に覆われていたものの、ドライコンディションで行われましたが、土曜日の予選は雨が降り続き、時間によって雨量が変わるというコンディションとなりました。

JSB1000の予選はノックアウト方式で行われ、上位10台が最終セッションに進みます。雨に絶対的な強さを誇る秋吉耕佑(F.C.C.TSR Honda)のポールポジション(PP)獲得をだれもが予想していましたが、PPは柳川明(カワサキ)が獲得。2番手に加賀山就臣(スズキ)、3番手に中須賀克行(ヤマハ)となります。高橋巧(MuSASHi RT ハルクプロ)はフリー走行、予選のどちらも転倒してしまい、4番手となります。山口辰也(TOHO Racing with MORIWAKI)は6番手。秋吉は試行錯誤のマシンセッティングに悩み、7番手に沈みました。トップ10チャレンジに残れなかった安田毅史(Honda鈴鹿レーシングチーム)は13番手、アズランは14番グリッドとなり、翌日の決勝に挑みます。

決勝は前日の予選よりも雨量は少ないものの、霧雨のような雨が断続的に降り続く中で、朝のウォームアップが行われました。予選から対策を施したマシンで出走した秋吉は、トップタイムを記録し、ライバルを圧倒します。山口は5番手、アズランは8番手、高橋は16番手で走行を終了しました。

迎えた決勝ではホールショットを柳川が奪い、加賀山、中須賀が続き、秋吉はすぐに4番手に浮上。さらに秋吉はオープニングラップで3番手に浮上すると、その勢いのまま2番手まで上がります。先頭は柳川で、それを追う秋吉、中須賀のオーダーで、3台はペースアップし、4番手以下を大きく引き離してトップ集団を形成、激しいトップ争いを繰り広げます。秋吉は2ラップ目の2ヘアピンでトップを奪うと、レースをリードしていきます。しかし、柳川も中須賀もわずかの差で続き、秋吉をマークして離れません。

6ラップ目に中須賀が柳川を捕らえて2番手に上がり秋吉をマークしますが、柳川は8ラップ目には中須賀の背後に迫り、1ヘアピンからの立ち上がりで2番手を奪い、再び秋吉を追いかけます。そして9ラップ目には秋吉をかわしてトップに立ちます。秋吉は柳川に仕掛け、再度トップを奪いますが、柳川も秋吉を捕らえます。2人は各コーナーで順位を激しく入れ替えながら周回を重ねました。

11ラップ目に首位に立った秋吉は果敢に逃げますが、今度は中須賀が柳川を捕らえ2番手に上がり、徐々に秋吉に迫ります。タイヤを温存していた中須賀は、ファステストラップを記録して13ラップ目に秋吉を捕らえると、秋吉を突き放してそのままチェッカーを受けました。秋吉は2位、柳川は3位となりました。3人の九州出身のライダーたちのバトルには、観客から多くの声援が送られていました。4位には、中須賀の記録したファステストラップを上回るタイムを最終ラップに叩き出した加賀山。山口は7位に入りました。一時は4番手を走っていたアズランは8位でチェッカーを受けましたが、ウエットからドライへと傾く難しい路面で、さらにマレーシア人のアズランにとっては慣れない寒さの中での激走は、高い評価を集めました。高橋はマシンセッティングを詰めきることができずに9位でチェッカーを受け、我慢のレースを走りきりました。安田は3ラップ目にリタイアとなりました。

ST600は、土曜日の雨の中での予選でチャロポン・ポラマイ(ヤマハ)がPPを獲得。渡辺一馬(Kohara Racing Team)が4番手、今季からTOHO RACING CLUBとなった宮嶋佳毅が5番手に躍進。9番手には渥美心(テルル&EM★KoharaRT)、小山知良(CLUB PLUSONE with T.Pro)が11番手、小林が12番手、玉田が13番手。亀谷長純(MuSASHi RT ハルクプロ)は16番グリッドからのスタートとなります。レース1、レース2ともに、グリッドは予選順位のままで変わりません。

レース1決勝は、予選と同日の土曜日に行われました。大粒の雨が強く降る天候となり、レース開催についての緊急ミーティングが開催され、代表ライダーがコースをチェックした結果、開催することになりました。タイムスケジュールが変更されてのスタートとなりましたが、ホールショットは井筒仁康(カワサキ)、大崎誠之(ヤマハ)、ポラマイ、小林のオーダーでトップ争いを展開します。その中から弾かれるようにポラマイが転倒、トップに浮上した大崎と井筒の一騎打ちとなり、小林は3番手をキープして周回を重ねますが、後方の集団に飲み込まれてしまいます。その集団から抜け出し、3番手となったのは宮嶋、13ラップ目にファステストラップを叩き出して3番手をキープします。優勝は井筒、2位に大崎、3位に宮嶋となりました。5位に小林、8位に渡辺、12位に亀谷、19位に小山。玉田はほかのライダーとの接触によってマシンに破損個所があり走行を断念、やむなく2ラップでリタイアとなりました。

日曜日に行われたレース2は霧雨が降るコンディション。ウォームアップランでは、4番手に西山尚吾(RSGレーシング)、5番手に小林、7番手に亀谷、8番手に小山がつけました。決勝はスタートから積極的な走りをみせた井筒、ポラマイ、大崎、横江竜司(ヤマハ)、稲垣誠(ヤマハ)がトップ集団を形成し、レースをリードします。7ラップ目に横江がトップに浮上、ペースアップした横江は独走態勢を築いて逃げ、7年ぶりの優勝を飾りました。2位争いはポラマイ、大崎、稲垣の間で激しく争われ、そこから大崎が逃げて2位、3位に稲垣、4位にポラマイとなりました。井筒は5番手につけ、そこへファステストラップを記録しながら中冨伸一(ヤマハ)が猛然と迫りましたが、井筒が5位を守り、中冨が6位。亀谷は9位、玉田が11位、小林が12位、宮嶋はコースアウトをばん回して14位に入りました。以下、15位に渡辺、小山はスタートのみでリタイアとなりました。

コメント

秋吉耕佑(JSB1000 2位)「雨量の多かった予選日はマシンセッティングがうまくいかず、タイムを出す状況が作れませんでした。エンジンのセットアップに集中していましたので、タイヤやシャシーの見極めができない中でレースに挑みました。レースをマネジメントするまでにいかず、悔しいレースになりました。しかし、鈴鹿8耐に向けていいテストができたと思います。土曜日の状況から考えると、短い時間でマシンを仕上げてくれて2位になれたことに感謝いたします」

アズラン・シャー・カマルザマン(JSB1000 8位)「オートポリスを走るのは初めてでしたので、とても緊張しました。予選の雨も決勝のコンディションも初めての経験でしたので無我夢中で走りました。スタート前はあまりの寒さに体が震えるほどでした。でもスタートしてからは集中しましたので、寒さは問題ありませんでした。タイヤを最後までもたせる走りができなくて順位を落としてしまいましたが、すべてが僕にとっては最高の経験でした。ありがとうございました」

宮嶋佳毅(ST600 3位/14位)「今回は予選から調子よく走ることができていましたので、最低でも表彰台、その上で、勝つことを目標にレースに挑みました。3位になることができたのはうれしいですが、『やった』というのとは違います。スタートがうまくいかずに追い上げのレースになってしまった反省があります。トップと変わらないタイムで走れていましたので、トップ争いに加われなかった悔いが残ります。レース2は優勝したいと思っていましたが、井筒選手と接触してしまいコースアウトして、再び追い上げのレースになってしまいました。14位は悔しいですが、レース1で多くの速いライダーと走る機会があり、勉強になりました。次は勝てるようにがんばりたいと思っています」

決勝

JSB1000

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 中須賀克行 ヤマハ 31:52.744
2 4 秋吉耕佑 Honda +3.557
3 87 柳川明 カワサキ +5.576
4 71 加賀山就臣 スズキ +11.304
5 1 出口修 カワサキ +11.966
6 12 津田拓也 スズキ +13.569
7 104 山口辰也 Honda +16.152
8 78 アズラン・シャー・カマルザマン Honda +26.446
9 634 高橋巧 Honda +27.759
10 32 今野由寛 スズキ +35.348

ST600(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 77 井筒仁康 カワサキ 28:59.298
2 12 大崎誠之 ヤマハ +5.915
3 83 宮嶋佳毅 Honda +17.457
4 11 横江竜司 ヤマハ +24.117
5 8 小林龍太 Honda +31.051
6 45 高橋颯 カワサキ +31.164
7 36 西山尚吾 Honda +41.817
8 6 渡辺一馬 Honda +41.853
9 17 西嶋修 カワサキ +44.243
10 81 原田武人 カワサキ +57.648

ST600(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 11 横江竜司 ヤマハ 28:21.609
2 12 大崎誠之 ヤマハ +4.611
3 9 稲垣誠 ヤマハ +5.447
4 65 C.ポラマイ ヤマハ +6.816
5 77 井筒仁康 カワサキ +11.413
6 2 中冨伸一 ヤマハ +14.014
7 17 西嶋修 カワサキ +19.105
8 81 原田武人 カワサキ +19.417
9 634 亀谷長純 Honda +20.700
10 21 篠崎佐助 ヤマハ +28.885

ポイントスタンディング

JSB1000

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 秋吉耕佑 Honda 72
2 中須賀克行 ヤマハ 61
3 高橋巧 Honda 56
4 柳川明 カワサキ 56
5 加賀山就臣 スズキ 53
6 山口辰也 Honda 44
7 津田拓也 スズキ 42
8 今野由寛 スズキ 36
9 藤田拓哉 ヤマハ 31
10 安田毅史 Honda 27

ST600

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 大崎誠之 ヤマハ 66
2 横江竜司 ヤマハ 63
3 井筒仁康 カワサキ 57
4 稲垣誠 ヤマハ 44
5 C.ポラマイ ヤマハ 43
6 亀谷長純 Honda 36
7 渡辺一馬 Honda 33
8 中冨伸一 ヤマハ 28
9 宮島佳毅 Honda 27
10 西嶋修 カワサキ 26