Round01HSR九州大会HSR九州大会

IA1 決勝

2019.4.13(土)・14(日)
天候:晴れのち雨
気温:16℃
コースコンディション:ドライのちマディ
観客:7100人

開幕戦 HSR九州大会

山本鯨が両ヒート制覇。ヒート1ではTeam HRCが表彰台独占

今シーズンのTeam HRCは、成田亮、山本鯨の2人体制で全日本モトクロス選手権に参戦します。開幕戦にはAMAモトクロス選手権にフル出場予定の富田俊樹も加わり、Team HRCのテントには3台のCRF450RWがそろいました。

昨年に続き、HSR九州(Hondaセーフティ&ライディング・プラザ九州)では、開幕戦と第7戦の2大会が開催されますが、今回は開幕前からコースや会場が整備され、安全性やアメニティの向上が図られました。今大会では東京モーターサイクルショーで発表された、CR ELECTRIC プロトタイプの展示とデモ走行が行われ、詰めかけたファンから熱い視線を浴びていました。

予選が行われた土曜日は晴天でしたが、日曜日の午後は降雨によりコンディションはマディ路面へと様変わりしました。

●ヒート1
富田のスポット参戦により、シーズン初戦の全日本最高峰クラスを3台態勢で臨むことになったTeam HRC。決勝ヒート1は、このうち山本のホールショットで幕を開けました。山本は1周目だけで2番手の星野優位(ヤマハ)から3秒近いリードを奪い、星野の背後では富田が3番手の座を確保。昨年度王者の成田はスタートで出遅れ、1周目は8番手でした。

2周目、富田は星野をパスして2番手に浮上。この周から成田は怒とうの追い上げを開始し、ライバルたちと激しいバトルを演じながら着実に順位を上げていきました。一方、山本は冷静沈着かつ鋭い走りで、3周目にはファステストラップを記録しながらリードを拡大。序盤の5周で、山本のアドバンテージは6秒以上となりました。

レース中盤から終盤にかけて、山本はペースをしっかりコントロール。富田は山本まで3秒差まで近づきましたが、残り2周で山本が再びペースを上げて突き放しました。一方、4番手に浮上してからの成田は、6秒近くも先行していた岡野聖(ヤマハ)を追ってハイペースの走りをキープ。ラスト2周で、ついに逆転しました。そしてレースは山本が優勝、富田が2位、成田が3位となり、Team HRCが表彰台を独占しました。

●ヒート2
強く降り続けた雨の影響により、今大会最終レースとして実施されたヒート2は、マディコンディションとなりました。ホールショットを奪ったのは再び山本。これに星野、富田、岡野、成田が続くと、混戦の中で2番手以下は順位を入れ替え、1周目を山本、富田、星野、成田の順でクリアしました。2周目、成田が星野をパス。これで上位3台がすべてTeam HRCとなりました。

この段階では、山本と富田と成田の間隔はそれぞれ5秒前後ありましたが、成田が富田との距離を詰め、4周目にはバトルを展開。成田が2番手に浮上した一方、コンタクトを受けてストップした富田は5番手に後退し、この間に山本はアドバンテージを約8秒に拡大しました。

そのあと、山本はじりじりとリードを広げて逃げきり態勢。ともにマディの速さにも定評がある山本と成田ですが、このレースでの軍配は山本に上がりました。一方、富田は滑りやすい路面にやや苦戦。6周目に、直前を走っていた池谷優太(KTM)の転倒でポジションを一つ上げましたが、その後は単独走行での順位キープとなりました。山本が優勝、成田が2位、富田が4位でゴールしました。

 

コメント

山本鯨(IA1・優勝/優勝)山本鯨
「昨年の最終戦で転倒した際に肩を脱臼。11月に手術して、その後はリハビリとトレーニングに時間を費やしてきたので、バイクに乗れるようになってからまだ1カ月という状態で開幕戦に臨むことになりました。本当に苦しいシーズンオフでしたし、非常に不安な状況での参戦となりましたが、支えてくれる方々のおかげで勝つことができました。現在の自分にとって最大の武器となっているのは、この支えてくれている方々のパワーだと思うので、感謝の気持ちを伝えたいです。Hondaのホームコースで、Hondaのマシンが持つポテンシャルの高さを証明できたレースでもあったと思いますし、その点も満足しています。正直なところホッとしましたが、まだシーズンはスタートしたばかり。気を引きしめて次戦以降に臨んでいきます」

成田亮(IA1・3位/2位)成田亮
「シーズンオフに指を開放骨折してしまい、バイクに乗れない時期が長かったので、精神的に辛い状況で開幕を迎えました。今大会を終えた段階では、スタートが今季の課題となりそう。練習やテストで、しっかり改善に取り組んでいきたいと思います。今季のゼッケンは、「114」を選択しました。あと2回タイトルを獲って、V14を目指したいという意味も込めたナンバーですが、チャンピオンの証である「1」やこれまでの「982」を使わないことで、本当の意味で初心に戻ってレースに取り組んでいきたいと思っています。この開幕戦では両ヒートとも山本選手が速く、優勝することはできませんでしたが、Hondaのコースでヒート1はTeam HRCが表彰台を独占、ヒート2でも1-2フィニッシュできた点はうれしく感じています」

富田俊樹(IA1・2位/4位)
富田俊樹「ヒート1は、序盤で山本選手に離されすぎたことが敗因と感じています。後半に勝負できるとも考えていたのですが、オープニングラップで星野優位選手を抜くのに時間がかかり、この間に山本選手が4、5秒ほど先行していたので、ラインを盗むこともできず、こちらのトライがうまくいった周には差が縮まったのですが、その状況を継続できませんでした。ヒート2は、かなり滑りやすい路面に対応できず、なんとか3位にはと思いましたが、うまく攻略できませんでした。速いライダーはどんなコースでも対応すると思いますし、自分の力不足です。参戦のメインとなるAMAのほうは、これで4年目となります。昨年はヒート最高9位、ランキング13位でしたので、それ以上の結果としてトップ10を目指していきます」

芹沢勝樹(Team HRC監督)
「『全ヒートでTeam HRCが勝利を収める』というのが、チームとして掲げている今シーズンの目標。幸先のよいスタートが切れて満足しています。今大会では山本が両ヒート優勝を達成しました。シーズンオフはケガのリハビリにかなりの時間を費やしていましたので、勝ってほしいという気持ちがある反面、まずは順当に表彰台圏内というのが目標でした。それだけに、よくやってくれたと思います。成田も、ケガなどでシーズンオフの調整が思うように進まない状況でしたが、そんなことを全く感じさせない、優勝に匹敵する走りだったと思います。富田は、AMA参戦前の調整を兼ねて、レース勘を取り戻してスピードを上げることなどをテーマにしていました。予選まではライバルを圧倒する走りでしたが、決勝では課題も残りました。AMAのフル参戦後にまた成果確認のため全日本にも参戦してもらいたいと考えています」

リザルト

ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1400山本鯨Honda1633'33.293
2718富田俊樹Honda16 +2.676
3114成田亮Honda16 +3.798
48岡野聖ヤマハ16 +15.859
5166星野優位ヤマハ16 +28.859
651深谷広一スズキ16 +44.113
744小島庸平Honda16 +50.073
8155大塚豪太Honda16 +51.581
94小方誠カワサキ16 +1'06.019
10793池谷優太KTM16 +1'16.226
 
11322横澤拓夢Honda16 +1'19.885
126星野裕Honda16 +1'24.613
1423長門健一Honda16 +1'33.532
1724道脇白龍Honda15+1Lap
2177鈴木涼太Honda15+1Lap

ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1400山本鯨Honda1434'37.017
2114成田亮Honda14 +5.261
3166星野優位ヤマハ14 +33.979
4718富田俊樹Honda14 +52.198
551深谷広一スズキ14 +59.082
6793池谷優太KTM14 +1'00.749
78岡野聖ヤマハ14 +1'22.716
8322横澤拓夢Honda14 +1'35.533
946小林秀真スズキ14 +1'40.033
1044小島庸平Honda14 +1'49.866
 
11155大塚豪太Honda14 +2'01.784
136星野裕Honda13+1Lap
1623長門健一Honda13+1Lap
1877鈴木涼太Honda12+2Laps
1924道脇白龍Honda12+2Laps

IA1 ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1400山本鯨Honda50
2114成田亮Honda42
3718富田俊樹Honda40
4166星野優位ヤマハ36
58岡野聖ヤマハ32
651深谷広一スズキ31
7793池谷優太KTM26
844小島庸平Honda25
9322横澤拓夢Honda23
10155大塚豪太Honda23
136星野裕Honda17
1523長門健一Honda12
1724道脇白龍Honda6
2077鈴木涼太Honda3

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