round 4

July 17 2011
All Japan Motocross Championship Fujisawa Sports Land
第4戦 藤沢スポーツランド(岩手県)

IA1の平田優が最速ラップで実力を証明!
レディースクラスの益春菜は今季無敗の4勝目!

3月11日に東日本大震災が発生して以降初となる東北地方での全日本モトクロス選手権が、今季第4戦として、岩手県南部の藤沢町にある藤沢スポーツランドで開催されました。この東北大会は、津波による甚大な被害があった宮城県の気仙沼から、クルマで約40分と近い場所にあるコースを使うため、当初は開催が危ぶまれていましたが、例年どおり7月第3週末に行われました。

今大会は土日両日ともに晴天かつ猛暑となり、ライダーはもちろんのこと観客や関係者にとっても、非常にタフなコンディションとなりました。これまで、全日本屈指のサンドコースとして知られてきた藤沢スポーツランドですが、今年は以前に搬入されたサンド質の土とコース本来の土が混ざり合い、しかもセクションごとに路面状況が異なるという、タイヤセレクトが難しいコンディションとなりました。

  • 深谷広一深谷広一
  • 増田一将増田一将
  • 平田優平田優
  • 平田優平田優
  • 小方誠小方誠
  • 星野優位星野優位
  • 益春菜益春菜

▼IA1(450/250)ヒート1

福留善秀(TODAY SPORT)がスタート直後から順位を上げ、1周目を成田亮(ヤマハ)に次ぐ2番手でクリア。TEAM HRC勢は、増田一将が8番手、平田優が10番手から追い上げのレースとなりました。2周目、勢いにのった福留は成田をパスしてトップに浮上。平田は9番手へとポジションアップし、増田の背後に迫りました。

レース序盤、福留から平田までの9台は、近距離での順位争いを展開。5周目、福留は成田に首位の座を譲ると、前大会で転倒した影響による体調不良でペースを落とし、徐々に順位を下げていきました。また、平田は増田や田中教世(カワサキ)とのバトルを制し、7番手に浮上しました。

6〜9周目にかけて平田は、1周につき1台のペースでライバルを抜き、表彰台圏内となる3番手までポジションアップ。しかし、レース後半になっても4台による激しい3番手争いは続き、平田は17周のレースを6位でゴールしました。また増田は、終盤に2度の転倒を喫して16位。福留は8位でフィニッシュしました。

 

▼IA1(450/250)ヒート2

増田が5番手でオープニングラップをクリア。ヒート1は1周目に転倒して最後尾から9位まで追い上げた深谷広一(TEAM.MOTO.SPORTS.FUKAYA)が、これに続きました。2周目、深谷は7番手にポジションダウン。さらに4周目にも深谷は1つ順位を下げ、レース中盤まで8番手を走行。その間、増田は5番手をキープしました。

ところがレース中盤、増田は転倒して、8番手へと後退。これにより7番手に順位が上がった深谷は、ラスト3周でこのヒートの自己ベストタイムを記録するなど、レース終盤になって追い上げ、4位入賞を果たしました。また増田は、前走車のリタイアにより順位を上げ、7位でのゴールとなりました。

なお、ヒート1でトップ争いを演じた福留は、体調がすぐれないことから、大事をとってこのヒートへの出走を見合わせました。そして平田は、1周目に転倒。大きく遅れた最下位からレースをスタートすると、その後はマシンチェックのために数度のピットインを行い、17周のレースを完走したものの、19位でのフィニッシュとなりました。

 

▼IA2(250/125)ヒート1

星野優位(SEKI Racing MotoRoman & KBF-RS)がホールショットを奪うと、オープニングラップをトップでクリア。中村友則(カワサキ)、小方誠(DREAM Honda RT Ogata)、三原拓也(カワサキ)、田中雅己(TEAM ナカキホンダ)がこれに続きました。3周目以降、星野は中村、小方は三原と接近戦を展開。4周目、星野は中村に抜かれて2番手に後退しました。

また小方は、7周目にコースアウトを喫し、7番手まで後退。しかしレース後半、小方は自分のペースを取り戻し、追い上げを開始。最終的には、レース終盤に5番手へと順位を落としていた田中を抜き、小方が5位、田中が6位でフィニッシュしました。そして星野は、レース終盤までしっかりと順位をキープし、第2戦以来となる2位表彰台に登壇しました。

 

▼IA2(250/125)ヒート2

スタート直後の転倒により、星野は1周目を最後尾から5番目となる26番手でクリア。一方で、小方は4番手でレースをスタート。田中は13番手からの追い上げのレースとなりました。2周目、小方は3番手を走る加藤吏一(カワサキ)に迫りましたが、その後もパッシングのチャンスを得られず順位をキープ。田中は、猛烈な追い上げで5周目に5番手までポジションアップしました。

星野も順調な追い上げで、レース終盤にはトップ10圏内まで浮上。しかし、その後に再び転倒してしまい23位でゴールすると、レース後に熱中症のため病院へと直行しました。田中は、レース後半に1つ順位を落としましたが、その後はポジションをキープして6位でフィニッシュ。そして小方は、ラストラップまで加藤を数秒差で追い続け、4位入賞を果たしました。

 

▼レディース

益春菜(SEKI Racing MotoRoman & KBF-RS)がホールショット。これに邵洋子(スズキ)と山本泉(TEAM HAMMER)が続くと、1周目の中盤で邵を抜いた山本が、益もパスして一気にトップへと浮上しました。しかし2周目、益が山本を抜いて再び首位に。その後は、徐々に後続との差を拡大していきました。

山本は、3周目のフィニッシュジャンプで邵に抜かれて、3番手へと後退。その後は、単独走行で順位をキープしました。猛暑によるライダーの疲労を考慮して、このクラスの決勝レース時間は、本来より5分短い10分+1周に変更。レースは6周でチェッカーとなり、益が開幕4連勝を達成。山本が3位表彰台登壇を果たしました。

コメント

深谷広一(IA1・9位/4位)「ヒート1は、スタート直後の混戦の中で他車との接触があり、転倒してしまいました。それでも、北海道大会の直後からずっと東北地方で練習してきた成果が出て、その後は順調に追い上げることができたと思います。ヒート1での感触がよかったので、ヒート2はスタートで前に出られれば、それなりの順位でゴールできるかもと考えていました。実際にスタートもまずまずで、その後は後半に備えペース配分して、終盤に追い上げることができました。表彰台に届かなかったのは悔しいですが、IA1に昇格して1年目のシーズンを戦うプライベーターということを考えれば、悪くない順位だと思います。徐々に走りがよくなっているので、次戦以降もまずは表彰台を目指してがんばります」

増田一将(IA1・16位/7位)「ヒート1は、集団の中で追い上げを試みていたところで単独転倒して、順位を落としました。その後、再び追い上げを図ったのですが、目の前で転倒した周回遅れのマシンが自分のライン上に飛んできて、それに乗り上げて前転してしまいました。この転倒で手を痛めてしまい、その後はペースを上げることができませんでした。ヒート2は、スタートもまずまず決まり、徐々に走りのリズムもよくなってきて、トップグループとの差が縮まりだしたところで、転倒を喫してしまいました。これで疲れが一気に出てしてまい、順位をキープすることになってしまいました。ケガの状態は検査してみないとわかりませんが、悔しいレースが続いているので、なんとしても次戦でこの思いを忘れられるようないい走りをしたいと思います」

平田優(IA1・6位/19位)「ヒート1は、スタートこそ失敗しましたが、その後の走りはよかったと思います。しかし、暑さと激しいバトルの連続で体力的に厳しくなり、最後まで集中して走ることができませんでした。ヒート2は、1周目に転倒してしまい、その後はまるでうまく走れない感じになってしまいました。結果的に、両ヒートとも成績に結びつける走りができず、本当に悔しく思っています。単純な体力ということだけでいえば、トレーニングも十分に行っているので、ライバルに大きく負けているとは考えられません。短期間での改善点として、いまある体力を、レースで効率よく使い切れるようにトレーニングを積み、今日よりさらに暑くなるであろう8月第1週のレースに備えたいと思います」

市川哲也|TEAM HRC監督「平田は、ヒート1ではベストラップタイムを叩き出し、その速さが全日本トップレベルにあることを証明してみせたと思います。しかし、30℃を超える気温の影響で、スタートから20分を過ぎたあたりからスタミナ切れを起こしてしまいました。走りはとてもよかったので残念です。暑さに対するタフネスというのは、トレーニングで得られる体力とはまた別なのだと思います。今後は、そういった部分の強化にも力を入れていきたいと考えています。増田は、この大会に向けて乗り込みも行い、チームとしても彼の並々ならぬ意気込みを感じていました。しかし結果的には転倒が重なり、リザルトに結びつけることができませんでした。とはいえ平田も増田も、ペースはよくなりつつあると思います。次戦はよい結果を出してくれると信じています」

小方誠(IA2・5位/4位)「北海道大会でケガした右手が完治していない状態で、この大会に臨みました。しかも土曜日の予選で他車と接触転倒した際に、再び同じ箇所を痛めてしまい、決勝は厳しい戦いとなりました。ヒート1では、三原拓也選手と競っているときに、無理がきかずにコースアウトしてしまいました。その後も、手の痛みがあってペースが上がらなかったのですが、レース後半になって痛みが気にならなくなってきたので、最終的にはなんとか追い上げることができました。ヒート2は、ヒート1よりは身体の状態がよかったのですが、やはりベストのときと同じような攻めの走りができませんでした。精一杯の走りではありましたが、表彰台にはわずかに届きませんでした。まずはケガを治すことを優先して、次戦に臨みたいと思います」

益春菜(レディース・優勝)「ホールショットで飛び出した後、直前の散水作業でぬかるんだラインを選んでしまい、2番手に順位を下げましたが、その後も冷静に走ることができました。レース時間が短縮されましたが、私はスタートで前に出られることが多いので、とくに影響はないと考えていました。震災の影響で、一時は大会が中止されるかもしれないという話もあったので、この東北大会が開催されたことを、本当にうれしく思っています。被災地を元気づけられるような走りをしようと思っていましたが、地元の方々がたくさん応援に来てくれて、逆に私がパワーをもらって優勝できたように感じています。ありがとうございました」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1982成田亮ヤマハ1733:32.612
244小島庸平スズキ17+00:07.009
31熱田孝高スズキ17+00:10.924
4331新井宏彰カワサキ17+00:13.685
5753勝谷武史カワサキ17+00:20.973
67平田優Honda17+00:38.061
      
813福留善秀Honda17+00:59.518
936深谷広一Honda17+01:36.598
1320芹沢翔悟Honda16+1Lap
166増田一将Honda16+1Lap
1919高濱龍一郎Honda16+1Lap
2093伊田井佐夫Honda16+1Lap

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11熱田孝高スズキ1734:14.698
2982成田亮ヤマハ17+00:05.794
3331新井宏彰カワサキ17+00:06.825
436深谷広一Honda17+00:18.930
52田中教世カワサキ17+00:29.716
644小島庸平スズキ17+00:46.293
      
76増田一将Honda17+00:59.118
1220芹沢翔悟Honda16+1Lap
1893伊田井佐夫Honda15+2Laps
197平田優Honda15+2Laps
RT19高濱龍一郎Honda8DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1411中村友則カワサキ1733:36.261
2166星野優位Honda17+00:05.105
337三原拓也カワサキ17+00:16.000
4123星野裕カワサキ17+00:23.525
586小方誠Honda17+00:33.077
6113田中雅己Honda17+00:38.194
      
13151黒澤良太Honda17+01:15.320
1704馬場大貴Honda17+01:35.200
2205飯田義明Honda17+01:46.830
2360富田健二Honda17+01:52.106
2692片倉久斗Honda16+1Lap

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1411中村友則カワサキ1632:12.614
2123星野裕カワサキ16+00:02.393
3555加藤吏一カワサキ16+00:12.786
486小方誠Honda16+00:15.835
543稲垣佳樹スズキ16+00:38.337
6113田中雅己Honda16+00:47.947
      
12151黒澤良太Honda16+01:26.684
1592片倉久斗Honda16+01:33.091
1860富田健二Honda16+01:45.153
2005飯田義明Honda16+02:05.189
2104馬場大貴Honda15+1Lap
23166星野優位Honda15+1Lap
ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ176
2熱田孝高スズキ164
3新井宏彰カワサキ139
4小島庸平スズキ128
5田中教世カワサキ125
6平田優Honda115
 
8深谷広一Honda109
9増田一将Honda106
12芹沢翔悟Honda59
13福留善秀Honda56
16辻健二郎Honda32
17芹沢直樹Honda25
18高濱龍一郎Honda23
20納屋望Honda19
27矢野昇平Honda10
29伊田井佐夫Honda4
30馬渕崇之Honda1

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1三原拓也カワサキ174
2中村友則カワサキ154
3小方誠Honda135
4稲垣佳樹スズキ128
5星野裕カワサキ124
6加藤吏一カワサキ120
 
7星野優位Honda118
9田中雅己Honda100
16黒澤良太Honda37
19富田俊樹Honda27
25片倉久斗Honda11
27馬場大貴Honda8
29近藤祐介Honda7
30小川孝平Honda5
31富田健二Honda4
35飯田義明Honda1