round 3

July 3 2011
All Japan Motocross Championship Wassamu Circuit
第3戦 わっさむサーキット(北海道)

IA1の平田優は惜しくも表彰台登壇を逃す!
IA2では小方誠が今季最高位の2位に入賞!

北海道大会は例年同様に、7月第1週末の開催。コースも昨年までと変わらず、今回で20回目の全日本モトクロス選手権開催となる、わっさむサーキットが使われました。旭川から北側30kmほどの場所にあるこのコースは、山の斜面にレイアウトされています。路面はハードで石も多く、コース幅は狭め。上り下り各2本ずつの急こう配ロングストレートが特徴となっています。

梅雨前線の影響を受けづらい上川地方とあって、今大会は土日とも天候に恵まれ、予選が行われた土曜日は気温が30℃近くまで上昇。決勝が開催された日曜日も、午前中に一度は曇ったものの基本的には晴れ、最高気温は28℃になりました。

  • 平田優平田優
  • 増田一将増田一将
  • 小方誠小方誠
  • 小方誠小方誠
  • 益春菜益春菜
  • 益春菜益春菜

▼IA1(450/250)ヒート1

平田優(TEAM HRC)が、小島庸平(スズキ)に次ぐ2番手で1周目をクリア。成田亮(ヤマハ)を挟み、福留善秀(TODAY SPORT)が4番手、その後方には新井宏彰(カワサキ)に次ぐ6番手で深谷広一(TEAM.MOTO.SPORTS.FUKAYA)、7番手で増田一将(TEAM HRC)が続きました。2周目、平田は成田に抜かれて3番手に後退しました。

3周目、増田は勝谷武史(カワサキ)の追撃を許して8番手に後退。その次周には、5番手を走行中だった福留が、下りストレートで激しくクラッシュし、リタイアとなりました。さらに5周目には、深谷とともに勝谷をマークしていた増田が転倒し、8番手へと後退してしまいました。

平田は、6周目に新井に抜かれて4番手に順位を落としましたが、レース中盤に新井が転倒したことで3番手に戻ると、その後は勝谷を従えながら2番手を走る小島へと接近。しかしラスト5分のところで勝谷にパスされ、20周のレースを4位でフィニッシュしました。深谷は6位に入賞。転倒の影響でペースダウンした増田は、10位に終わりました。

▼IA1(450/250)ヒート2

ヒート1の転倒による体調不良を抱えながらも、福留が1周目を3番手でクリア。これに、増田と平田が続きました。レース序盤、福留はトップを走る成田、2番手の新井と接近戦を展開。そのわずか数秒後方では、増田や平田などが、最大で6台にまで膨れあがった、4番手争いとなる第2グループを形成しました。

しかし増田と平田は、この第2集団で有利な位置を確保できず、6周目には増田が全体の6番手、平田が同7番手での走行となりました。そしてレースが後半戦へと入ったところで、福留が熱中症によりリタイア。平田が転倒により後退し、増田が5番手、平田は深谷に次ぐ9番手となりました。

しかし、レース終盤に増田は2台にパスされてしまい、7番手まで後退。深谷と平田は、いずれもレース後半になってベストタイムを記録しましたが、前を走るライダーとの差を縮めるには至らず。最終的には、増田が7位、深谷が8位、平田が9位と、不本意な成績でこの大会を終えることになりました。

▼IA2(250/125)ヒート1

小方誠(DREAM Honda RT Ogata)が好スタートを決め、山本鯨(スズキ)に次ぐ2番手で1周目をクリア。レース序盤からトップ争いを展開しました。しかし、山本の背後に迫るも、パッシングのチャンスを得られず、逆に7周目には中村友則(カワサキ)に抜かれて3番手に後退。それでも、小方は次周に山本をパスして再び2番手となると、中村を追撃しました。

10周目に中村が転倒により後退。これにより、小方はトップに浮上しました。ところがその後、小方はコースサイドの杭にハンドルバーをヒットさせてしまい、負傷とマシントラブルによりペースダウン。20周のレースをかろうじて完走したものの、7位に終わりました。また8位には、1周目12番手から追い上げた田中雅己(TEAM ナカキホンダ)が入りました。

▼IA2(250/125)ヒート2

田中が好スタートを決め、山本、三原拓也(カワサキ)に続く3番手で1周目をクリア。小方は1周目を7番手で通過しました。レース序盤、田中は順位を落とし、小方は6番手に浮上。5周目には、山本、三原、中村の3台から少し離れた位置で、稲垣佳樹(スズキ)、田中、小方が4番手争いを展開しました。そしてレース中盤、この第2集団がトップグループに追いつきました。

その後、6台によるトップ争いは、中村、稲垣、山本、三原、小方、田中というオーダーへと変化。終盤には、中村が集団から抜け出し、稲垣と山本が転倒により後退。田中はここから遅れ、三原と小方は2番手争いを展開しました。そして最終ラップの最終コーナーで、小方が三原をパス。これで小方は、今季最高位となる2位で表彰台に登壇しました。田中は、4位でフィニッシュしています。

▼レディース

益春菜(SEKI Racing MotoRoman & KBF-RS)と山本泉(TEAM HAMMER)が好スタートを決めましたが、山本はレース直前の散水作業によりぬかるんだ1コーナーでスリップダウン。最後尾からの追い上げレースとなりました。1周目から、益は後続を大きく引き離す展開。3周目までに、2番手を走る邵洋子(スズキ)との差を、8秒近くまで広げました。

邵の後方では、高橋絵莉子(T.E.SPORT)が3番手を走行。これに川村真理子(ウイリー松浦ファミリー/CarLife)が追いつき、4周目には高橋を抜いて3番手に浮上しました。レース終盤、川村は邵の背後に迫りましたが、逆転目前の9周目でレースは終了。益が独走で開幕3連勝を達成し、3位に川村、4位に高橋、5位には驚異的な追い上げをみせた山本が入賞しました。

コメント

平田優(IA1・4位/9位)「今大会では、両ヒートともスタートでまずまずの位置につけられ、スタートダッシュという課題は克服できたと思っています。しかし、そこから先の走りに、多くの課題が残ることになってしまいました。とくに、序盤に実力を出しきることができず、中盤以降にしかベストタイムが出せない点が問題だと思います。ヒート1は、それでも表彰台圏内を確保しなければならない展開でしたが、最後まで我慢することができず、4位に終わりました。ヒート2は、集団の中での走行に少し集中力を欠いてしまったのか、転倒を喫してしまいました。現状のままでは優勝など到底できないので、自分の中で何かを大きく変えていかなければならないと、強く感じています。次の大会で、新たな課題に取り組みます」

増田一将(IA1・10位/7位)「ヒート1はレース序盤のペースが悪く、ずるずるとポジションダウンしてしまいました。これで集団に飲み込まれてしまったために、早く抜け出そうと勝負を急いだところで転倒してしまいました。すぐに再スタートはできたのですが、クラッチレバーが上を向いたまま直せなくなってしまいました。そしてこの影響によりペースを上げることができず、さらには再び転んでしまいました。ヒート2も、やはりレース序盤からペースを上げることができず、集中して走れてはいたのですが、順位を落とすことになってしまいました。今回は、このハイスピードなコースに、うまく合わせられなかったのだと感じています。けれど、レースをしていればこういう大会もあると気持ちを切り替え、今回の悪かった部分を改善できるよう、また一歩ずつがんばっていきます」

市川哲也| TEAM HRC監督「今大会は、TEAM HRCとしては本当に不本意な結果となってしまいました。平田、増田ともに、タイムが出ていないというのが、大きな問題だと思っています。実力的には、このような成績を残すライダーたちではないのですが、今大会では攻める気持ちが足りておらず、テクニックに頼り過ぎてしまった部分もあるかもしれません。平田は、ヒート1では4位に入賞しましたが、もう少し走りに勢いがあれば、もっと上の順位でゴールできたはずです。増田は、ヒート2の走りそのものは悪くなかったのですが、やはりタイムを伸ばすことができませんでした。両者とも、乗り込み練習は十分行っていると思うのですが、その質というか内容に、少し問題があるのかもしれません。チームとしても、彼らが本来の実力を発揮できるよう、練習内容についても見直しを図っていきたいと思います」

小方誠(IA2・7位/2位)「ヒート1は、せっかくトップを走っていたのに、自分のライディングミスで杭にハンドルを当ててしまいました。この影響で、フロントブレーキが使えなくなり、また僕自身も指をケガしてしまい、その後はペースダウンすることになってしまいました。ヒート2は、ケガの応急処置をして、とにかく気持ちを切り替えて臨みました。しかし、スタートであまり前に出られず、走り出したらやはり手が痛くなり、レース序盤はあまりペースが上げられませんでした。それでも、徐々に走りがよくなってきて、前を走っていたライダーの転倒もあり、最後の最後には2位まで浮上できました。ヒート1の結果は残念ですが、走りそのものは開幕時と比べてかなり上向きなので、次の大会も上位を目指してがんばります」

益春菜(レディース・優勝)「Hondaの4ストロークマシンCRF150Rはとても加速がよいので、スタート直後からトップに立つことができました。これで楽な展開になったので、あとは集中して走ることを心がけ、優勝することができました。これも、応援やサポートをしてくださっているみなさんのお陰だと思っています。これで開幕戦から3連勝を達成しました。次戦以降も優勝し続け、前戦終了時に掲げた目標通り、6戦の有効ポイント制が導入されているレディースクラスで最短となる、6戦目でのシリーズタイトル獲得を決定できるように、努力を続けたいと思います」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1982成田亮ヤマハ2032:38.707
2753勝谷武史カワサキ20+00:01.951
344小島庸平スズキ20+00:06.070
47平田優Honda20+00:10.475
51熱田孝高スズキ20+00:21.261
636深谷広一Honda20+00:27.440
      
106増田一将Honda20+01:16.245
1120芹沢翔悟Honda19+1Lap
1212芹沢直樹Honda19+1Lap
1619高濱龍一郎Honda19+1Lap
RT13福留善秀Honda3DNF

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1982成田亮ヤマハ2033:00.859
2331新井宏彰カワサキ20+00:02.090
3753勝谷武史カワサキ20+00:09.284
41熱田孝高スズキ20+00:16.540
52田中教世カワサキ20+00:31.171
644小島庸平スズキ20+00:34.552
      
76増田一将Honda20+00:36.446
836深谷広一Honda20+00:41.531
97平田優Honda20+00:44.328
1220芹沢翔悟Honda19+1Lap
1312芹沢直樹Honda19+1Lap
1419高濱龍一郎Honda19+1Lap
RT13福留善秀Honda8DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
152山本鯨スズキ2032:55.876
237三原拓也カワサキ20+00:07.044
3123星野裕カワサキ20+00:09.004
4411中村友則カワサキ20+00:11.643
543稲垣佳樹スズキ20+00:22.504
6615須田純カワサキ20+00:29.739
      
7 86 小方誠 Honda 20 +00:36.870
8113田中雅己Honda20+00:38.665
10166星野優位Honda20+00:45.434
11151黒澤良太Honda20+00:50.286
17 04 馬場大貴 Honda 20 +01:38.241
1870近藤祐介Honda20+01:39.165
22 06 榎田諒介 Honda 19 +1Lap
25 05 飯田義明 Honda 19 +1Lap

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1411中村友則カワサキ1932:03.725
2 86 小方誠 Honda 19 +00:05.424
337三原拓也カワサキ19+00:06.227
4113田中雅己Honda19+00:25.365
543稲垣佳樹スズキ19+00:27.469
6166星野優位Honda19+00:28.896
      
16151黒澤良太Honda19+01:25.630
1770近藤祐介Honda19+01:30.131
21 05 飯田義明 Honda 18 +1Lap
22 04 馬場大貴 Honda 18 +1Lap
23 06 榎田諒介 Honda 18 +1Lap
ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ129
2 熱田孝高 スズキ119
3新井宏彰カワサキ101
4平田優Honda98
5田中教世カワサキ95
6勝谷武史カワサキ94
 
7増田一将Honda87
9深谷広一Honda79
11福留善秀Honda43
12芹沢翔悟Honda42
15辻健二郎Honda32
16芹沢直樹Honda28
17高濱龍一郎Honda21
18納屋望Honda19
23 矢野昇平 Honda 10
28馬渕崇之Honda1

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1三原拓也カワサキ142
2中村友則カワサキ104
3小方誠Honda 101
4山本鯨スズキ100
5稲垣佳樹スズキ98
6星野優位Honda96
 
9 田中雅己 Honda 70
15富田俊樹Honda27
19黒澤良太Honda20
26近藤祐介Honda7
27 片倉久斗 Honda 5
28 小川孝平 Honda 5
29 馬場大貴 Honda 4
35冨田健二Honda1