JMX
モータースポーツ > 全日本モトクロス選手権 > 第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO 決勝レポート
レース
日本GP・スポーツランドSUGO 第10戦 10月23日
日本GP・スポーツランドSUGO
レース情報 決勝 フォトギャラリー
リザルト ポイントへ
レース情報
ラウンド 開催日
01 4/3 近畿・名阪スポーツランド
02 4/17 SUGO・スポーツランドSUGO
03 4/24 関東・自動車安全運転センター
04 5/15 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
05 6/5 九州・HSR九州
06 7/3 北海道・わっさむサーキット
07 7/17 東北・藤沢スポーツランド
08 9/4 近畿・名阪スポーツランド
09 10/2 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
10 10/23 日本GP・スポーツランドSUGO
第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大する
IA2で福留が逆転、チャンピオン獲得
決勝日:10月23日(日)
会場:スポーツランドSUGO 天候:雨 気温:17℃ コースコンディション:マディ 観客:1万3600人

 最終戦の全日本モトクロス選手権は、例年のように海外からのライダーを迎えた華やかさと、IA両クラスのタイトル決定戦という緊迫感に満ちた大会となった。

第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大する
第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大する

 IA1クラスには、WGPライダーが4人エントリー。ステファン・エバーツ選手(ヤマハ)、スティーブン・ソード選手(カワサキ)、タネル・レオク選手(カワサキ)、熱田孝高選手(スズキ)が出場した。このヨーロッパ勢の他に、AMA参戦から帰国した成田亮選手(Honda)も交え、ハイレベルなレースが期待された。

 IA1クラスのタイトル争いは、ポイントリーダーの小池田猛選手(ヤマハ)を高濱龍一郎選手(Honda)が31点差、増田一将選手(TEAM HRC)が38点差で追う展開。IA2クラスはランキング上位3名が接近戦となっており、ポイントリーダーの溝口哲也選手(カワサキ)に対し、2位の福留善秀選手(TEAM HRC)が4点差、3位の小島庸平選手(スズキ)が9点差という、三つどもえの構図で決戦の日を迎えた。

 会場のスポーツランドSUGOには、土日とも降雨があり、コンディションはマディとなった。タイムスケジュールに遅延が生じたため、IA1とIA2の決勝レースは20分プラス1周に短縮されて行われた。また、コンディションの悪化とともに、ヒート2では勾配の急な大坂上りがショートカットされた。

▼IA1(450/250)ヒート1
 ホールショットの熱田選手に、加賀真一選手(スズキ)、釘村太一選手(ヤマハ)、増田選手、成田選手と続く。1コーナーでは辻健二郎選手(TEAM HRC)、高濱選手、エバーツ選手の3台が絡むクラッシュが発生。いきなり波乱に満ちたレースになった。増田選手は2周目に3番手に浮上。トップは一時加賀選手になったものの、熱田選手がトップを取り返し、リードを広げた。
 10分過ぎには、上位に成田選手が割って入り、5周目には2番手まで浮上。その後、加賀選手、増田選手が相次いで転倒を喫し、後退した。3番手にはレオク選手が浮上。これで熱田選手、成田選手、レオク選手の上位3名が確定し、チェッカーが振られるまでポジションに変動はなかった。
 辻選手は7位まで追い上げた。増田選手は2周遅れの22位でフィニッシュ。高濱選手はエンジントラブルで3周目にリタイア。この時点で、IA1タイトルは6位でゴールした小池田選手が獲得した。

▼IA1(450/250)ヒート2
 スタートから飛び出したのは、出原忍選手(ヤマハ)、エバーツ選手、熱田選手、加賀選手、成田選手、増田選手といった面々。辻選手は2コーナー先で他車と接触、転倒を喫し、またしても苦しい展開を強いられることになった。増田選手は4周目に4番手まで浮上したが、転倒で脱落。再始動に手間取ってしまい、ポイント圏外からの挽回を図った。
 レースは中盤でエバーツ選手、成田選手、出原選手のポジションが固まり、各々単独走行を続けてゴール。両ヒートを通じて2位入賞を連ねた成田選手が、見事総合優勝を果たした。

▼IA2(250/125)ヒート1
 ホールショットは福留選手。新井宏彰選手(カワサキ)、平田優選手(カワサキ)、井上眞一選手(カワサキ)、中堀敏宏選手(Honda)、溝口選手と続く。大坂を上りきった所で小島選手が転倒し、大きなハンディを負うことになった。福留選手は序盤、3〜4秒のリードを得てトップを快走したが、新井選手と平田選手が近づいて脅威を与えた。
 15分過ぎには福留選手、平田選手、新井選手が三つどもえのデッドヒートを演じたが、平田選手をかわして福留選手の直後まで迫った新井選手が転倒。福留選手は残る周回を大事に走りきり、苦手のマディを制しての優勝をつかんだ。
 福留選手とタイトルを争う溝口選手は4位、小島選手は8位でチェッカーを受けた。この結果、福留選手がポイントランキングで逆転し、首位に躍進。溝口選手に対し3点、小島選手に対し17点のリードをつけて、次のヒート2に臨むことになった。

▼IA2(250/125)ヒート2
 福留選手がこの日2度目のホールショットを決めて、レース序盤を支配した。背後には小島選手、溝口選手と役者がそろう。3周目には小島選手がトップに立つが、スタックで周遅れとなった。レース後半は、福留選手を溝口選手が追いかける展開となったが、福留選手が逃げきりパーフェクトウイン。最終ラップには溝口選手に代わるオーバーテイクで、中堀選手が2位に浮上した。
 この結果、福留選手は自身初の全日本チャンピオンシップを獲得。シーズン序盤の負傷欠場を跳ね返し、逆転でつかみ取った栄冠だった。

第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大する
第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大する
コメント

成田亮選手(IA1・2位/2位)
「AMAナショナル最終戦以来のレースだったので、かなり緊張しました。しかも雨のレースは1月のアナハイム以来なので、転ばないように慎重に走りました。転びましたけどね。マディって怖いんです。海外勢や熱田さんは、ヨーロッパで走り慣れてると思うので、やっぱり僕より速かったですね。ヒート2では土が重くなってきたので、スタックしないように走るのが難しかったですよ。総合優勝といっても2位/2位なので、ちょっと不満があります」

高濱龍一郎選手(IA1・DNF/5位)
「1コーナーでの転倒のせいかわかりませんが、ヒート1は走行中にエンジンが止まってしまって、ピットまで押して戻ってリタイア。ヒート2はトラブルなしで走り切ったのですが、なんだかレースというよりサバイバルゲームでしたね。自分としてはチャンピオンとかランキングとか一切考えず、少しでも海外勢の前を走ってやろうという気持ちでしたが、やっぱりマディのエバーツは速かったですね。今日は自分のことよりも、チームの中堀の初表彰台ゲットが、何よりもうれしいです」

辻健二郎選手(IA1・7位/DNF)
「広島でのクラッシュ以来、ダメージが治っていないのと、練習不足ということもあって、うまくいきませんでした。身体が思い通りに動かなかったし、視野も普段より狭くなっていました。両ヒートともスタート直後で転倒しましたが、マディは厳しい条件だったようです。ヒート2ではスタックしているうちに、エンジンがオーバーヒートぎみになり、リタイアしました。ヒート1の1周目にエバーツを抜いたことが、いい思い出になりそうです」

増田一将選手(IA1・22位/15位)
「外国勢や熱田選手や成田選手を目標に、思いきり勝負するつもりだったのですが…。両ヒートとも上位を走っていたのに、転倒して再スタートするのに時間がかかりすぎて、そのうちに周遅れになってしまいました。こういったマディコンディションのときは、攻めた上での転倒はしかたのないことですが、その後すばやくリカバリーできなかったのが歯痒いですね。これからオフになりますが、今シーズンをゆっくり振り返ってみる時間を作って、来季へ向けて仕切り直しをしたいと思っています」

福留善秀選手(IA2・1位/1位)
「まだ実感が湧かないのですが、チャンピオンを獲得できて自分がうれしいというよりも、チームのために勝ててよかったなという気持ちの方が強いです。スタッフが一丸となっていいバイクを作ってくれたので、お返しすることができたという感じですね。前回の広島でポイント差がトップにグッと近づいて、この最終戦を迎えたのですが、正直に言ってプレッシャーはありませんでした。レースに勝つことばかり考えていたので、チャンピオンが決まった瞬間も、ヒート優勝だ! これで1位/1位だ! という気持ちの方が強かったほどです。苦手なマディでしたが、バイクが良くてスタートで前に出られると確信していたので、助けられましたね。チームのおかげです」

中堀敏宏選手(IA2・20位/2位)
「ゴールして初めて自分の順位を知り、すごくうれしかったです。スタートが悪くてほとんど最後尾だったのですが、雨のレースは走れる自信があったので、ゴールまであきらめずに頑張った結果だと思います。Hondaにはずっとお世話になってきて、すごくいいバイクを出してもらってることに感謝しています。それからチームリーダーの高濱選手にはいつも励ましてもらっていて、落ち込んだ時でも『一緒に頑張っていこう』と言われるので、一所懸命やってこれました。この初めての表彰台は、そういった人たちに支えられての成果なんだと思います」

ページの先頭へ
決勝リザルト&ポイントランキング
IA1(ヒート1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 75 熱田孝高 スズキ 9 23:26.249
2 1 成田亮 Honda 9 +00:28.00
3 511 T.レオク カワサキ 9 +00:56.17
4 311 S.ソード カワサキ 9 +01:13.59
5 9 釘村太一 ヤマハ 9 +02:21.02
6 4 小池田猛 ヤマハ 9 +02:28.15
7 6 辻健二郎 Honda 9 +03:04.05
11 12 平塚雅樹 Honda 8 +1Lap
17 111 本田太一 Honda 8 +1Lap
22 7 増田一将 Honda 7 +2Laps
23 119 田島久 Honda 6 DNF
24 37 深谷広一 Honda 6 DNF
25 15 小田切一剛 Honda 6 DNF
RT 29 沼田誠司 Honda 5 DNF
RT 10 高濱龍一郎 Honda 2 DNF

IA1(ヒート2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 972 S.エバーツ ヤマハ 9 24:30.382
2 1 成田亮 Honda 9 +01:53.80
3 777 出原忍 ヤマハ 9 +02:16.21
4 14 加賀真一 スズキ 9 +02:37.38
5 10 高濱龍一郎 Honda 8 +1Lap
6 3 大河原功次 ヤマハ 8 +1Lap
10 119 田島久 Honda 8 +1Lap
14 12 平塚雅樹 Honda 7 +2Laps
15 7 増田一将 Honda 7 +2Laps
17 111 本田太一 Honda 7 +2Laps
RT 15 小田切一剛 Honda 4 DNF
RT 29 沼田誠司 Honda 4 DNF
RT 6 辻健二郎 Honda 3 DNF
RT 37 深谷広一 Honda 0 DNF

IA2(ヒート1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 34 福留善秀 Honda 10 24:20.296
2 197 平田優 カワサキ 10 +00:12.37
3 42 新井宏彰 カワサキ 10 +00:23.31
4 711 溝口哲也 カワサキ 10 +00:32.58
5 35 芹沢直樹 Honda 10 +00:54.87
6 38 井上眞一 カワサキ 10 +00:56.69
10 37 深谷広一 Honda 10 +01:36.10
13 81 細野彰 Honda 10 +02:32.38
14 54 星野優位 Honda 9 +1Lap
17 41 鈴木友也 Honda 9 +1Lap
19 61 杉山和起 Honda 9 +1Lap
20 56 中堀敏宏 Honda 9 +1Lap
24 144 中村泰介 Honda 9 +1Lap
27 57 杉尾寿城 Honda 8 +2Laps

IA2(ヒート2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 34 福留善秀 Honda 8 25:49.843
2 56 中堀敏宏 Honda 8 +02:04.34
3 711 溝口哲也 カワサキ 8

+02:38.08

4 43 須田純 カワサキ 8 +02:39.73
5 38 井上眞一 カワサキ 8 +03:15.33
6 39 尾崎友哉 ヤマハ 7 +1Lap
9 41 鈴木友也 Honda 7 +1Lap
10 57 杉尾寿城 Honda 7 +1Lap
12 144 中村泰介 Honda 6 +2Laps
RT 37 深谷広一 Honda 5 +3Laps
RT 128 大熊雅美 Honda 4 +4Laps
RT 35 芹沢直樹 Honda 4 +4Laps
RT 81 細野彰 Honda 4 +4Laps
RT 61 杉山和起 Honda 4 +4Laps
RT 54 星野優位 Honda 2 DNF
IA1
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 小池田猛 ヤマハ 366
2 高濱龍一郎 Honda 336
3 増田一将 Honda 319
4 加賀真一 スズキ 292
5 辻健二郎 Honda 283
6 出原忍 ヤマハ 278
10 田島久 Honda 209
13 平塚雅樹 Honda 141
21 成田亮 Honda 50
24 小方誠 Honda 36
28 小田切一剛 Honda 27
30 本田太一 Honda 22
33 池田孝宏
Honda 19
34 沼田誠司 Honda 17
36 河瀬英明 Honda 15
42 永田寛典 Honda 2
45 太田真成 Honda 1
ポイント一覧へ
  IA2
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 福留善秀 Honda 367
2 溝口哲也 カワサキ 359
3 小島庸平 スズキ 322
4 北居良樹 スズキ 271
5 平田優 カワサキ 266
6 深谷広一 Honda 255
14 中堀敏宏 Honda 128
15 芹沢直樹 Honda 109
18 鈴木友也 Honda 87
25 杉山和起 Honda 29
26 杉尾寿城 Honda 26
28 杉本高規 Honda 23
33 中村泰介 Honda 17
34 伊藤昌弘 Honda 16
36 細野彰 Honda 11
37 星野優位 Honda 10
38 沼田誠司 Honda 9
48 関川信一 Honda 1
ポイント一覧へ
ページの先頭へ